トイレの悩み
下剤目的で食前にツムラ61番桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)2.5g(粉)を飲んでいます。飲むと腸が動き出し、ガスや便が出やすくなります。最初は朝、昼、夕と1袋を毎食前2.5g飲んでいましたが、今では2日に1回のトイレ日の昼にだけ(食前)半分飲むだけで降りてきます。 座薬はレシカルボンを1個入れて便が出ず、残っている気がするときは、もう1個入れます。昔は酸化マグネシウム(カマ)を飲んでいましたが、効いているのかわからなく……。テレビと新聞情報では、酸化マグネシウムは、長く使うことなどで血液中のマグネシウムの濃度が高くなり、心停止などにつながる恐れもあるそうです。吐き気やめまいなどの症状が出た場合はすぐに服用をやめたほうがいいそうです。長期にわたって飲むと臓器(どの臓器か忘れました)に悪いと耳にしたので、下剤を漢方薬のツムラ61に変えました。今はとても快調です。 トイレの悩みといえば、長時間車イスに座っていると血行が悪くなり痔になりました。足がいつも冷たく長時間座っているためお尻の血行も悪いし、毎日シャワー浴、そして便が硬いと良くないらしく、胃腸科・肛門科の先生は湯船に浸かること、清潔にしておくこと、お酒や辛い物を控えること、ウォシュレット(温水洗浄便座)を強く当てて刺激しない、腸に水を入れない、スッキリ出なくてもまたにして長時間座らないことなどを教えてくれました。 その他にも、痔を局所麻酔で取ったときは(診察台に乗って横向きになって5分くらい)、整腸剤(ビオフェルミン)も飲みました。この薬も私には腸と便通に良かったのですが、あまりにモリモリ食べてしまうため、2ヶ月でツムラ61だけに戻しました。頸損・脊損はトイレに悩みますよね……。 頸損の知り合いは、排便する前夜に100%ノニジュースを飲むとスッキリ終われると言っていました。私は自宅で過ごすことが多く、毎日8:30−17時と19時−22時ヘルパーを利用しているので、いつでもトイレに行けるしお腹の感覚があり、助かっています。 あとは、友人の多くは、長年バルーンカテーテルをしている人が多く、膀胱が小さくなり尿量が溜まらなくなる人が多いと思います。長年、クランプ(管を1時的にせき止める)しないで流し続けていると、最終的に膀胱内に30〜50ccしか溜まらなくなり、リハビリで手が動くようになって自分で導尿できるようになっても、膀胱が小さくなってしまいちょっと溜まると過反射で頭が割れるように痛んだり、冷や汗が出る症状が出たりしてバルーンカテーテルを外せない人が多いです。防止するには毎日時間を決めて(必ず起きている時間帯で1、2時間とか溜まる量を300〜400cc以内)クランプすると良いと思います。 膀胱に尿が溜まりすぎておかしいと気づけば良いのですが、放っておくと腎臓に逆流(?)などして体に悪いので気をつけて下さい。私は入院初期にバルーンカテーテルが詰まっているのに誰も気づかず、私だけが「トイレ(尿)したいです」と看護師に何回言っても「カテーテル入っているから大丈夫」の一言で1日近く放置されました。家族とお掃除の人がバルーンに尿が溜まっていないのに気づいてくれて助かりました。尿量チェックも大切ですね。 静岡県:ロッツォ 呼吸ペースメーカーを埋め込む&iPhone6の使い方
はじめましてリョウと申します。愛知県出身、1980年生まれの男性です。 僕は1999年に交差点で車と衝突し、バイクに乗っていた自分が飛ばされてしまいました。そして頸髄損傷(C2−3)により四肢マヒ患者になりました。さらに頸髄損傷は恐ろしく呼吸をするのも許しません。その後1年3ヶ月、病院で人工呼吸器をつけて過ごしていました。 2001年2月28日、医師により愛知県にある病院で※呼吸ペースメーカー(医師いわく僕が初めて)の埋め込み手術が行われました。1年かけて、はじめは1日30分、つぎに起きているとき、そして最終的には寝ているときまでと訓練を終えて、24時間の使用ができ人工呼吸器を取り外すようになりました。そして2003年6月カニューレを取り外し喉を閉じました。手術は大成功だそうです。そしてカタコトですが話すことができるようになりました。僕が取り付けたのが14,5年前です。半年に1度アンテナを取り換えています。5年に1度呼吸ペースメーカーの交換も進めています。 しかし、2007年に風邪をひき、2週間ほど痰で苦しみました。それからは2〜3年に1度風邪をひいております。 そして尿は2002年8月に問題がなかったため、尿のバルーンを取り外しました。そして2003年3月に膀胱の中に石が見つかり膀胱砕石術を行い、石は無事とれました。そしてとりあえず、2003年10月1日に退院しています。 7年程たった2010年6月に脳出血で2週間意識がなくなりました。翌7月には退院はできましたが、脳出血の後遺症で頭が2〜3割くらいしか働かなく大変です。 そしてその頃おしっこが出にくい状態が続いて、2011年6月、膀胱ろうの手術をしました。と言うことで、退院後は自宅で暮らしています。 ※呼吸ペースメーカー(エイブリーバイオメディカル社) http://www.breathingpacemakers.com/breathing-pacemakers/introduction.html (英語のサイト・ブラウザーで日本語に翻訳表示可能)
◇「iPhone6」を買いました。C2〜3ですので首から下は動きません。呼吸ペースメーカーのおかげで声が出るので、人の手を借り、なんとか電話は使っています。 愛知県:R.K. 車イスユーザーは、なぜ道を急ぐのか?
<※本稿は、以前地元の講演会で寄稿した文を加筆修正したものです。障害者との接点の少ない一般の方(健常者)向けに書いたものですので、あらかじめご了承下さい>
「危ないからこっち来なさい!」 道すがら、私の前をはしゃぎ回っていたり、不規則にフラフラ歩いている子どもを、母親らしき女性が注意する。その際、同時に私に向かって「すみません」と頭を下げる人もいれば、私の姿を一瞥するだけの人もいる……。電動車イスで街や、駅や大型店舗の中を走っていると、頻繁に目にする光景、耳にする言葉です。ときどき思うのは、この「危ない」って、(車イスの私に限らず)周りの通行人に迷惑をかけ、同時に自分の子どもも怪我してしまう可能性があるって意味なのだろうけど、あるいはそれは、電動車イスという「乗り物」(あるいはその乗り物に乗っているオッサン)自体が危険だという先入観で言っているのではないか、ということです。 歩きスマホなどは論外ですが、普通に道を歩いていて、すぐ横をかなりのスピードで車イスやシルバーカーがすり抜けていったり、傍若無人な運転でヒヤリとさせられた、という経験を持つ人は多いのではないでしょうか。 電動車イスの場合、最高で6km/hまで出ます(正規の国産車の場合)。6キロといえば、大人が若干速足で歩く程度ですから、場所や人の流れによっては結構危険なスピードです。しかも「本人」は回転するタイヤにキャスター、金属のフレームに囲まれているのですから、下手に衝突でもしたら本当に危険です。 ある車イスの友人は、歩道をそれなりのスピードで走行していたら、若干大型のせいもあってか、「車道を走りなさい!」と道行く人に怒鳴られたことがあるそうです。しかし車イスというのは、道路交通法上、れっきとした歩行者なのです。歩行者なのだから、歩道を走らなければなりません(実際には歩道が狭すぎたり、凸凹が大きすぎたりで、走りたくても走れない場所も多いのですが)。歩道を走る以上、また歩行者専用であるお店や駅の中を走る以上、然るべきマナーを守り、「安全運転」するのが当然です。こう書いていて、じゃあお前はどうなんだと言われると、若干バツが悪いというか、過去を振り返り、改めて気をつけなきゃな、と自問自答する次第なのですが……(苦笑)。 それでも、フルスピードの車イスユーザーが出現するのは何故でしょうか? 何故、彼ら(われわれ?)は急いでいるのでしょうか? まあ基本的には、単にせっかちだったり、約束に遅れそうだったり。あるいは「車イスの障害者なんだから、周りが道を譲るのが当然」と考える勘違い人間もいるでしょう。でもここで別の側面から、言い訳にも擁護にもならないことは承知の上で、若干急がざるを得ない理由を、一つ挙げてみたいと思います。例として、自宅や勤務先、店などから駅へと向かう場合です。 皆さんはこんなシチュエーションをよく経験されるのではないでしょうか。飲み会などの帰り道、宴の余韻にひたって話をしながら、歩道をだらだらと歩く。途中の交差点で信号が変わる寸前だったので、一瞬小走りになる。再びだらだらと歩き出す。ようやく駅に着くと目的の列車が発車寸前だ。とっさにまた小走りになってホームに駆け上がり、ぎりぎりセーフ……。信号無視や駆込み乗車は危険行為だとしても、信号や電車に間に合わせるため歩を早めるのは、ごく当たり前の行動です。 しかし電動車イスでは、健常者にとっては当たり前の、こういった言わば、気分次第でスピードの緩急を自在につける行動ができないのです。6km/hの速度が出る、ということは、逆に言えば6km/h以上は出せないということです。それは道路交通法による歩行者としての安全上の規制なのですが、路面状況によっては6キロでも遅く感じます。 逆に、途中の道が凸凹していたり、とても狭かったりしてゆっくり通過せざるを得ず、時間を要する場合もあります。また駅に着いたところで、エレベーターの問題があります。ない駅であれば押ボタン等で駅員を呼ばねばならないし、あってもとんでもなく遠回りをさせられる場合もあります(都心や地方都市の地下鉄などで多い)。さらにはホームまでたどり着いても、たいていの場合、駅員に渡り板(スロープ板)を持ってきてもらい乗車介助を受けなければなりません。乗車の際には降車駅に連絡を取るために待たされ、場合によっては目の前で電車を1、2本見送らなければならないことも珍しくありません。 つまり、晴れて車中の人となるまでには、車イスユーザーにとっては多くの「関門」が存在するのです。途中の道を急ぐのは、路面状況や人の流れが快適な場所で時間を稼いでおきたい、という気持ちの表れのわけなのです(繰り返しますが、もちろん言い訳にはなりませんが)。われわれ当事者にとって「関門」は百も承知なので、時間に余裕を持って早めの行動はしますが、初めてや久々の駅やルートの場合、例えネット等で事前に調べても、「関門」の高さや多さがなかなか読めないのが悩ましいところなのです。 これらはご存じの方にとっては当たり前のことと思われるでしょうが、自分の経験から、意外とこれに気づいてくれる人が少ないのです。健常者の友人と行動していて、段差や急なスロープ、エレベーターの有無などに気を配ってくれる人は多いのですが、道の凸凹、エレベーターの位置、乗車の際のスロープ板と降車駅への連絡などは、気づかないか知らない人がほとんどなのです。 近年街のバリアフリー化が大きく進み、私のような車イスユーザーもだいぶ外出しやすくなりました。上記の点も含めまだまだ不十分なものも多く、段差が越えられない、扉が開けられない等々、街中で困ってしまうことも多いのですが、そんなとき、「お手伝いしましょうか」と声をかけて下さったり、さりげなく無言で手伝って下さったり、温かい「心のバリアフリー」に触れることも多くなりました。ありがたいことです。ただそれらはその場に居合わせた方の「点」の心遣いです。ぜひ上述のような、駅までの道のりから乗車までといった、「線」のバリアフリーについても、健常者の方々にも考えていただきたいと思うのです。歩行か車イスかを問わず、障害の有無を問わず、誰にとっても快適な街づくりとは何か。少々大袈裟ですが、それを考えるキッカケになっていただければ幸いです。 埼玉県:K.E. 『臥龍窟日乗』−ねこまんま−
長女の愛娘・のんたんの幼稚園では、恒例のお食事会をやることになった。ママちゃんたちが総出で栗の皮をむき、香ばしい栗ご飯を炊いた。 いまどき栗ご飯なんて、めったにお目にかかれない。子どもたちは、ぐつぐつと唸(うな)る炊飯器を取り囲んで、栗さんの煮える香りをかぐ。やがてふっくらと栗ご飯が炊けた。先生が蓋(ふた)を開けるとぼぁーっと湯気があがり、甘い香りが部屋いっばいにひろがった。黄色い歓声が上がる。なかにはバンザイをする子もいた。 大きな丸テーブルを囲んで、ちっちゃな子どもたちの椅子が並べられた。茶碗にほかほかの栗ご飯がもられ、お味噌汁が添えられた。 先生が手を合わせ、 「いただきま〜す」 と腰をかがめる。モミジのような手を合わせ、子どもたちも唱和した。 のんたんは、お味噌汁のお椀を持ちあげ、いきなり栗ご飯にぶっかけた。 「あつ、あつ、あつ」 先生が嬌声をあげた。 「せっかくの栗ご飯が台無しじゃあないのっ」 ママちゃんたちも、ため息を漏らした。 平然として、のんたんはお椀の端に口をつけ、栗ご飯のねこまんまをかっ込んだ。のんたんのママは、一瞬蒼ざめ、火が出るほどに顔が火照った。ふだん、ママがこっそりやっていたねこまんまを、三歳ののんたんは見知っていたのである。 騒然とする大人たちを睥睨(へいげい)しながら、のんたんはねこまんまを三杯もお替わりした。 幼稚園での出来事を披露する長女の目は潤んでいた。 話を聞きながら私は自分自身のほろ苦い思い出に浸っていた。 私は敗戦の2年目、本州最西端の下関で生まれた。戦さには負けたが、フシギなことに魚介類は豊富に獲れた。……イワシやサバばかり。 母の実家に行くと、毎日のように煮付けとなって食卓に載る。ほかの孫たちが器用に口から骨だけ出すのに、私にはそれができない。 祖母は躾(しつけ)の厳しい人で、そっくり口から出そうものなら叱られる。骨があると気がついても、叱られるのが嫌だからそのまま飲みこむようになった。 すると何回かにいちどは喉に骨が引っ掛かり、辛い思いをするようになった。それからというもの、私は魚を食べるということが怖くなった。 牛肉や豚肉なんて食べられる生活ではなかった。野菜は大根や白菜がいくらでもあったが、これだけでは満腹にはならない。 そこで思いついたのが鍋物のあとにやる雑炊。飯に味噌汁をぶっかけて食ってみると、けっこういける。「ぶっかけ飯」は私のお気に入りとなった。 小学校を終え、父親の転勤で関東に引っ越した。中学の部活で遠征試合に行ったときのことだ。帰りの列車を待つあいだ、駅前食堂に入った。 ラーメンライスを注文した。 まずラーメンの麺をたいらげ、残った汁をライスにぶっかけた。こちらがじつはメインディッシュなのだ。 目ざとい仲間が、わが丼を覗きこみ、 「おまえ、ねこまんまやんのか」と冷やかした。 ほかの連中も総立ちになって、 「オンナに嫌われるぞ」などと野次りだした。 このときはじめて、私はねこまんまという言葉を知った。だれが何と言おうと、ねこまんまは旨い。 結婚してからもこの習慣は続いた。あるとき妻が嘆いた。 「ねこまんまはやめて。子どもたちに感染したのよ」 かくしてわが家では、親、子、孫三代にわたって、うるわしき家風は守られているのである。 千葉県:出口 臥龍 ★★★ ひとくちインフォメーション ★★★
◆車いす女性からひったくり=容疑で17歳少年逮捕—警視庁 車いすの女性からショルダーバッグをひったくったとして、警視庁亀有署は11日、窃盗容疑で、埼玉県三郷市の無職少年(17)を逮捕した。 同署によると、少年は「金が欲しかった」と容疑を認めている。 逮捕容疑は9月16日午後3時ごろ、東京都葛飾区新宿の路上で、電動車いすに乗っていた無職女性(62)に背後から近づき、女性の膝の上にあった現金約5万円などが入ったショルダーバッグをひったくり、逃走した疑い。 亀有署によると、女性は、盗まれたバッグに携帯電話が入っていたため110番できず、同署を訪れて被害を届け出たという。 現場周辺では他にもひったくり事件が起きており、同署が関連を調べている。 (情報提供:時事通信 平成27年10月11日) 【編集後記】
「はがき通信」ホームページにて、四肢マヒ者やご家族からのご投稿がより多いほど生活の糧になるかもしれないことから、(本誌スタッフで話し合い)秋ごろからトップページに「購読者でない方の投稿もお受けしております」と記載してご投稿の募集をしております。今号では3名の方よりご投稿がありました。ぜひこれからも皆さんからのご投稿をドシドシお待ちしております。氏名表記については、誌面版は本名、ネット版はイニシャルを基本(ペンネーム・イニシャル・匿名もあり)とさせていただいております。 またホームページの「項目別索引」を「四肢マヒ百科」と名称変更し、タイトルだけでおおよそどのような内容か分かるように、前号から編集方針として心がけているところです。これからご考慮いただいてタイトル付けをお願いいたします。 なお、絶賛連載中の「頸損と介助犬」と「『夜と霧(新版)』書評」は、都合によりお休みさせていただきます。 次号の編集担当は、戸羽吉則さんです。 編集担当:藤田 忠
………………《編集担当》……………… (2015年2月時点での連絡先です) 発行:九州障害者定期刊行物協会 |
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