はがき通信ホームページへもどる No.154 2015.8.25.
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も く じ
ballごあいさつ 広報担当:麸澤 孝
ball「はがき通信」からのお知らせ
ball睾丸の痛みについて(1) 東京都:ヒロシ
ball睾丸の痛みについて(2) 広島県:K.T.
ball睾丸の痛みについて(3) 福岡市:E.U.
ball電動車いすで巡る東北 東広島市:Y.O.
ball全員参加企画いいモノ見つけた! 〜18〜 HEKI
ball1度で2度美味しいトランジット。 福岡県:K.H.
ball介護されて・わがままな利用者 佐賀県:K.N.
ball全力と手抜きの使い分け 匿名希望
ball訪問マッサージ 匿名希望
ball肩の激痛の原因が、十二指腸潰瘍とは…… 福岡県:E.N.
ball『臥龍窟日乗』 −越南新娘− 千葉県:出口 臥龍
ball『夜と霧(新版)』 書評[3] 東京都:藤川 景
ballひとくちインフォメーション


ごあいさつ


 暑い夏、皆さんいかがお過ごしですか?
7月末の今日、都内は猛暑日でした。頸髄損傷者には本当につらいです(障害がなくてもつらいですが)。
 先日、1泊2日で検査入院してきました。私たち頸髄損傷者は一般の病院に行っても頸髄損傷独特の障害や症状、ケアの方法を理解してもらえず困惑したという話を良く聞きます。
 じつは私が検査をした病院は2年半前にストーマ(人工肛門)造設の手術をした一般の病院で、そのときも14日間本当に良いケアを受け、入院ですからすべて気持ち良くとは言えませんが、入院準備の段階から良いコミュニケーションが上手くできた病院でした。頭部MRI、腹部CT、胃カメラ、大腸内視鏡、等、本当にスムーズに検査でき、結果も問題ありませんでした。
 信頼できる病院・医師は絶対必要ですね。私もここ数年自分の体力低下や疲労感など、健康管理の重要性を改めて実感しています。皆さんも定期検診はお忘れなく。
 

広報担当:麸澤 孝



 「はがき通信」からのお知らせ 

10月号(155号)の原稿の締め切りについて

 次号・155号の原稿の締め切りは、10月初旬に開催予定の横浜懇親会の関係で、9月20日(日)とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

●153号「睾丸の痛みの相談」



 睾丸の痛みについて(1) 

C4・5、頸損歴22年、75歳

 №153号の「はがき通信」に、「睾丸」の痛みに悩まされていられる方の、お手紙が掲載されていました。
 以前、同じような症状で悩まされたことがあり、他人事とは思えず、私の経験が参考になればと思い、書きました。
 私も、投稿の方と同じ年齢で、平成5年に頸髄を損傷(C4・5)しました。
 排尿はカテーテルを使わなくても自分で出せたのですが、排尿時間の間隔が短く、長くても1時間半、短いと30分も持たず尿意があり、外出もままなりませんでした。それでも、水分の摂取を調整したりして15年間ほどなんとか生活していましたが、7年前、突然「睾丸」が痛み、腫れ、高熱が出ました。近所に「泌尿器科」がありましたので、診察を受けた結果、尿の細菌が「睾丸」に入ってしまったとのことで、抗生物質の点滴を3日ほど受けたところ、熱は下がり「睾丸」の腫れも引きました。その後、同じ状態が1週間置きに3・4回続き、医師から「このまま、抗生物質を続けると、耐性がつき、今後もっと重篤な病気になったときのことを考えたら、「睾丸」を「摘出」してしまったらどうか」と提案されました。
 熟考の結果、「摘出」することに決めました。ついでに(?)「膀胱ろう」の手術を受けることにしました。尿道からのカテーテルの挿入も考えましたが、カテーテルの交換時の痛みなどを考慮に入れて、腹部に穴を開けてカテーテルを挿入する方法にしました。
 その結果、7年が過ぎましたが、月に1度の「膀胱ろう」のカテーテル交換など、いろいろ煩わしいことはありますが、大きな(小さなことはいろいろありましたが)トラブルもなく、順調に現在に至っています。
 投稿の方が、病院で受診することが身体的に困難とのことなど、いろいろ制約はあるのでしょう。
 また「今さら膀胱ろうにする必要はない」とおっしゃっていられるようですが、奥様の「生きていてくれれば幸です」とのお言葉のためにも「睾丸」の摘出も含めてお考えいただいたらいかがかと思い、書き送ります。
 なお、現在は排便に悩まされています。
  

東京都:ヒロシ



 睾丸の痛みについて(2) 


 「はがき通信」の投稿を見たのですが、留置カテだとどうしても前立腺を刺激するんですよ。これは、確かに睾丸の下あたりなので痛みを感じるのかもしれません。
 前立腺を調べたほうがいいのかもしれません。
 本当は膀胱や尿道、前立腺のためにも留置は止めたほうがいいとは思います。
 私は外出時、就寝時のみ留置してて、それでも前立腺は痛いので。
 ご参考まで。

広島県:K.T.



 睾丸の痛みについて(3) 


 6月号の瀬出井さんのお話「睾丸の痛み」ですが、私にも痛みはあり、非常に興味深く拝見しました。
 特に座位生活の多いわれわれにとって、おしりと同様に一番負荷のかかる箇所なのです。
 乗り移り(自力による横移り)の際、力任せにいくと、「ごり!!」という音とともに、激痛を催します。だから、できるだけゆっくり移乗するようにしています。
 友人の中には、これで「睾丸捻転」になり入院した人もいます。
 たまに夜、簡易バルーンを朝まで入れて寝るのですが、私も下腹部や睾丸に痛みを感じ、過緊張もくるからあまり入れっぱなしにはしません(あくまでも残尿をなくすという目的でたまに実施します)。
 ということで、私なりに実践している痛みを誘発しない方法としては、以下の通りです。

●睾丸を直接踏んだり、はさんでいないかを常に気遣う(あくまでも周囲に見えないところで……)。
● カテーテルは半日ほどで外し、入れっぱなしにしない。
● 2日に1回はシャワーを浴び、清潔を保つ。
● お風呂に入るときにはきちんと目視し、違和感を感じかつ腫れがある場合は必ず病院に行く。
● 違和感があるとすぐに抗生剤や痛み止めを飲み安心するのではなく、どこが痛いのか? または幻肢痛なのか? を見極めてから薬を飲む。

 以上です。

福岡市:E.U.



 電動車いすで巡る東北 

59歳、C4、受傷歴31年、♂

  ◇平成26年5月23日(金)晴れ

 東広島駅を8:00に出発し、仙台駅に15:00に到着すると、空は蒼(あお)く爽やかな風が吹いていた。
 さっそく予約していた介護タクシーに乗り込み、歌で有名な青葉通りを抜け広瀬川を渡り、青葉城に行った。青葉城といっても城はなく、伊達正宗公が馬に乗った銅像があるくらいだが、城跡からは仙台市内が一望できる。その後、松島湾が一望できる景勝地を経由して、松島の旅館に到着した。夕食は、予約していた名物のホヤを食べたが、味は個人差があり評価は分かれる。食べなきゃ解らん味と言っておこう。
 松島のほとんどの旅館やホテルは、車いすからベッドへの移動は手伝ってくれない。安全上責任がもてないからだそうだ。しかたがないので地元のヘルパーステーションから有料でヘルパーさんを派遣してもらった。



 ◇5月24日(土)晴れ

 早朝、ウミネコの「ミャーミャー」の声で目が覚める。穏やかな朝だ。午前8:30に旅館を出発し、国宝の瑞巌寺(ずいがんじ)の見学と松島湾内を45分ほど遊覧した。このあたりは湾内の島々が防波堤となり、1.5mの津波で収まり甚大な被害はなかった。
 午後から、海岸線を北に向かい震災の地を巡る。
 ・日和(ひより)山公園は、宮城県石巻市街を望む小高い山にあり、多くの人が避難した。海岸沿いに架かる高さ18mの日和大橋を津波が越えてきたと聞きゾッとした。
 ・石巻私立大川小学校は、避難の遅れで84名の生徒と教職員が亡くなった。震災当時の校舎が生々しく言葉を失う光景だ。
 ・南三陸町防災センターは、女性職員が最後まで避難のアナウンスを続け、自らも犠牲となった。鉄筋むき出しの建物と周りの草の生えた空き地が空しい。





 ・岩手県陸前髙田市は、奇跡の一本松が復興のシンボルとなっている。ベルトコンベアを作り、土を山から浸水した地に運んでいた。唯一復興工事が進んでいるように見えた。
 松島から一ノ関市のホテルまで約400km走破し2日目を終えた。

 ◇5月25日(日)晴れ

 浄土式庭園で特別景勝地の毛越寺(もうつうじ)を見学ののち、中尊寺に入った。中尊寺は本堂を中心に、金色堂、阿弥陀堂、薬師堂、地蔵堂、弁慶堂など17のお堂があり、世界遺産にふさわしく荘厳で見応え十分である。参道は坂が急なので車椅子では無理である。あらかじめ社務所に連絡を入れておくと、別ルートから車で上がれる。



 13:00 一ノ関駅より帰路につき、20:30 東広島駅に到着した。
 東北震災の地を電動車いすで巡るのはかなり困難である。プランは障害者専門の旅行会社である昭和観光(東広島市)と相談して決めた。タクシーの確保や宿泊・時間配分等苦労があったようだ。
 東京駅より北では車椅子に乗った人には出会うことはなかった。移動距離も長く、少し疲れたけど忘れられない旅行となった。
 

東広島市:Y.O.

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