不思議な出会いに感謝!!
頸損者には最もつらい季節になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか? 今回は、大変助かっていることを皆さんと共有したい思い、投稿させていただきます。 嫁が2013年1月にせきずいの病気で手術し、成功して痛みは取れたものの、車いす生活になりました。そして、半年間のリハビリ入院を経て、2013年6月に退院し、その後は自分で運転し、週1のペースで外来でリハビリに通うようになりました。 しかし、起立性貧血や動悸等で自宅から30km離れた病院まで行くのが難しくなり、私が月1回有休をとり、連れて行くのがやっとの状態になりました。 そのため、変形や拘縮防止のためのリハビリができる施設が近くにないかと探していたら、介護の手帳でリハビリをしてくれる「たいようの里」があると聞き、この4月から通い始め、早2か月になります。 ここはいわゆる障碍者(しょうがいしゃ)のデイサービス版で、妻はもっぱら可動域のストレッチやお立ち台に立つ訓練をしてもらっています。リハビリの先生や看護師さんも常駐されているため、安心してお任せしています。(H病院と提携されているとのことで更に安心です) 何しろこの施設の方々は皆さんが明るく、あいさつや笑顔が飛び交う「暖かい雰囲気」が魅力です。 また、この施設の敷地内には、車いすで出入りできるアパート的な宿泊施設「たいようの森」があり、退院後の社会復帰のため等さまざまな理由で利用されているそうです。その他にも介護施設もあり、障碍者のさまざまなニーズに対応できるシステムがありますので、県外の方も含めて、自立や介護あるいは住まいの事でお困りの方は一度相談してみてはいかがでしょうか? 住 所:福岡市東区名子1丁目16番14号 電 話: 092-691-6777(担当:音藤さん) メール:taiyo@tatara-fukushikai.com *以上のことは本来の病院の主治医とリハの先生にもお話し、「がんばれ!!」というエールをいただきました。* このようなありがたいご縁をいただき、妻は体幹や上半身を鍛えてもらい、今では車・トイレ・お風呂などの移乗が安定してきて、日中は自分のペースで過ごすことができるようになりました。☆合掌☆ 4月末には、柳川市のH松さんに会いに行き、大変お世話になりました。 ☆沢山のパワーをいただき……再び合掌☆ ご精読いただきありがとうございました。 皆さんもどうぞお体に気を付けてお過ごしください!! 福岡市:E.U.
社会福祉士資格の取得
この3月におかげさまで社会福祉士の国家試験に合格できましたので、経緯等を報告させていただきたいと思います。 (1)動機 私は2011年まで施設で生活していたのですが、施設長が市役所土木部長が定年退職した人だったりして、当初は福祉のことをあまり勉強していない人が2〜3年毎に代わってしまうということが常でした。施設の福祉の進展にとって施設長のリーダーシップは重要と考えていたので、施設の「長は福祉の資格を持つべき」とずっと思っていました。 一方、私は2012年から障害福祉サービス事業所の所長をやっているのですが、上の「長は福祉の資格を持つべき」がそのまま私に跳ね返ってきたのでした。また、一度は福祉の勉強をしたい、そしてうまくいったら将来は相談支援業務を行ないたいと考えたのでした。 (2)通信教育学校への入学 私は中途障害であり、受傷前に一般(福祉系でないという意味)大学を卒業しています。この場合、社会福祉士の国家試験を受けるのに、1年9か月の通信教育学校を新たに修了する必要がありました。2013年2月下旬に学校に入学を打診したところ、実習先リストに私のような障害者の受け入れを前提にしている所がないので、自分で探してくださいという返事でした。さっそく地域移行の時にお世話になった相談支援専門員に相談したところ、私のような障害者の前例はなかったのですが、上司に働きかけてくれてその方の組織で受け入れてくれるということになりました。 この前提に基づいて学校に再度打診したら、3月下旬になって、〈1〉呼吸器の電源線が足に引っかかる等他学生さんへの安全を考慮、〈2〉自由に動けない人がいると演習等カリキュラムに影響する懸念、以上2つを理由として私の受け入れは難しいとの学校の決定を告げられました。これはもう理由になっていません。入学審査のための小論文提出消印締切前日に、思い切って学校に直談判に行かせてもらいました。私を見てもらうことが必要と考えたのです。結果として、その日に応募OKの連絡が入り、小論文選考で入学が決定したのでした。 (3)通信教育の受講 通信教育の課目は20課目、テキストは22冊ありました。上肢麻痺の私は、その他参考書もすべてパソコンにスキャナーで取り込んで勉強しました。レポートは記述式(1400〜1600字制限)25本、マークシート(○×式)7本を4回に分けて期限まで提出し、60%以上を合格点として取得単位を数えた結果が修了の基準になります。 また、2年間にスクーリングで2日×5回=10日、朝から晩まで学校に行く必要がありました。そして、実習は180時間以上必要なのですが、特別の配慮を得て、1年目の12月〜2年目の1月に、7.45時間/日×3日/週×4週/月×2か月で修了させてもらいました。実習には毎日の日誌と最終的には、まとめのレポートの提出が必要でした。なお、私は痰の吸引が必要なのでヘルパーさんに常時見守っていてもらう必要があるのですが、スクーリングと実習については、ヘルパーさんの介護費と交通費は自己負担でまかなう必要がありました。 (4)受験勉強 学校の記述式レポートは、2年目の8月5日締め切り分(最終分)まで4月中旬には完了していました。一方、マークシートレポートは、8月5日締め切り分の問題自体が5月下旬にしか送られてこないため、受験勉強を始めたのは4月の中旬でした。比較的早めにスタートできたのは、実は1年目の8月に体調不良を起こして仕事が溜まったりして、9月15日締め切り(最初の分)の課題の提出に必死になった経験があり、この経験が「やれる時にやってしまう」教訓になっていたからでした。 国家試験は、正答率60%弱で、0点の課目があってはならないというのが合格の要件です。私の受験勉強は、問題集によって苦手を明確にして受験参考書の再読によってそれを克服していったのでした。書くことのできない私は読むことしか手段がなかったとも言えます。同じ受験参考書の同じ課目部分を何回読んだことでしょう。問題集については、過去問題の平成25年度(平成26年1月実施)分の150問を5回、平成22年度〜24年度分150×3年=450問を3回、模擬問題の4回分150問を計7回実施しました。暗記については、暗記マスターという本をこの1月に2回通読しました。逆に言うと、そこに書いてあることに暗記を絞り込みました。 (5)受験 受験の申し込みは10月3日消印有効でした。受験の手引に「身体に障害のある方等の受験上の配慮申請」という欄があり、受験申し込み前にあらかじめ試験センターに「同配慮申請書」を請求します。「同配慮申請書」が送られて来たら、必要事項を記入後受講申込受付期間内に受験申込書とは別に提出する必要がありました。この時、添付資料として身体障害者手帳等の写しと医師の診断書の同封が必要でした。「同配慮申請書」は、自分の具体的な受験時をイメージして、「身体障害等の程度について」と「受験に際して希望する配慮事項」を細かく記述する必要があります。 私の場合、人工呼吸器の音を懸念した別室の使用、痰の吸引を想定したヘルパーさんの同席と試験時間の延長(1.3倍)、〈1〉パソコン等の持込み使用あるいは〈2〉試験監督員による問題集めくりと口頭での回答を回答用紙に記入してもらうこと等をお願いしました。試験センターでの審査の結果、ほぼ要望通りとなり、〈1〉と〈2〉では〈2〉が許可されました。今年の1月下旬に国家試験があり、最終的に、合格圏59%に対して、私はすれすれの63%で合格できたのでした。 (6)資格を得て 資格を得るとやはり役立てたいという気持ちが強くなります。それは、お世話になった通信学校の関係の方々、実習先の皆さんに対する申し訳なさもあります。どちらもご無理をお願いしたのですから。一方、自分の体力に対する自信が年々過小になってくるのも否めません。仮に仕事を得ても途中で辞めることになったら就職先にもっと迷惑をかけてしまうのでは? しかし今は、やってみたいという気持ちが大きいです。私のような障害者はどうやって仕事を得るのか? 通信学校入学時当初からではありますが、今に至ってさらに大きな課題になっています。 (2015年5月25日記) 新潟市:T.H. |
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