はがき通信ホームページへもどる No.152 2015.4.25.
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 頸損と介助犬(その2) 


 こちらから話しを持ちかけて育成事業者を選ぶのですから、漠然とした疑問・質問はあっても、具体的に介助犬との生活をイメージができている訳でもなく、なおかつ選んだ先が「ちょっと行って相談ができる距離」ではなかったので、電話とメールのやり取りは先方も不安があったと想像できますし、自分でもこのままで良いのであろうか? と心配になることも少なからずありました。とにかく、どのようにアクションを起こしても先方からの「連絡待ち」の状態で、先の予定や見通しや計画が立てにくいので仕事が9時から17時のような勤務形態だとさらに手間を感じることになりそうです。
 さらに、候補になる犬は生き物ですから「欲しい」から「渡す」とは簡単には進むハズもなく、私の場合は偶然にも待機している人がいないというタイミングだったことが幸いをしていました。2月に育成事業者さんを選択してから、行政上の事務手続きを並行して行いながら、候補予定の犬に会ったのが5月の連休明けとなりました。時間の流れに不安が出ると、自分が使いやすいであろう犬を飼育するために必要な物品を「気が早い」と周囲に笑われながらも買い揃えることで、モチベーションを保っていくようにしていました。気持ちの中には絶えず、自分が介助犬を飼育できるのか? どれだけの期待をして良いのか? の思いが留まっていたことは否定できない部分でありました。
 (以下、続く。)

東京都:K.S.



全員参加企画 いいモノ見つけた! 〜16〜 





 【メリノンレッグウォーマー】

 内側がオーストラリア産ウール100%のレッグウォーマーです。膝下を足首までカバー。マジックテープ式なので、自分でも着脱できます。長時間外出しても、さわっても皮膚が温かいほど足元が冷えなくなりました。汚れたら洗濯機で洗えます。値段はお高めでしたが、今では寒い冬場の外出にはかかせないアイテムのひとつです。丈:約38cm。


 Jalux(ジャルックス)通販で購入。
 税込:9,975円


 編集担当:瀬出井 弘美 



【特集!「どうしています冬の体調管理法」】

 今号の特集は、「どうしています冬の体調管理法」です。もう季節はうららかな春ですが、次の冬を乗り切るヒントになればと、ひとりひとりが経験から得た体調管理にまつわるご投稿(+質問形式)を紹介させていただきます。 

〈質問内容〉
〈1〉冬に体調が悪くならない秘訣や方策はありますか?
〈2〉冬に屋内・外出先で具合が悪くなってしまった体調管理の失敗例やその失敗から学んだ対策や教訓は何かありますか?
〈3〉冬の時期に特に心がけていることはありますか?
〈4〉屋内での暖房器具の効率的な使用法や組み合わせ方やおすすめの寒さ対策グッズはありますか?
〈5〉外出先で気を付けていることやおすすめの寒さ対策グッズはありますか?
〈6〉冬の体調管理法について何かお困りごとなど、誌面を通してみなさんにお聞きしたいことはありますか?
〈7〉他に何かありましたら。



 特集 冬期生き残り作戦 

63歳、C4、頸損歴29年

 〈1〉体調が悪くならない秘訣や方策は?
 (一) インフルエンザの予防注射を10月中旬には行う。
 (二) 肺炎球菌ワクチンの接種を5年に1回行う。
 (三) 室内では加湿器で湿度管理を行う。
 (四) 外出時にはマスクをする。
 (五) 免疫力を高めるというヨーグルト(明治R1)と膀胱炎を予防するためにクランベリージュースを毎日飲む。
 (六) 無病息災を願って般若心経を毎朝一巻唱える。

 〈2〉体調管理の失敗例やその対策は?
 電動車イスで外出中に、寒さで手がこわばり車イスの運転が困難になることがあります。そうなると路上で立ち往生の緊急事態に陥ってしまいます。兆候が現れたら運転ができなくなる前に即家にたどりつくようにしています。
 体の筋肉が極端に少なくなっているので、ブルブル震えて発熱することができずに体温が維持できないのだろうと思いました。ならば、外出前に体に熱をたくさん蓄えてから戸外に出て、熱がなくなる前に、暖かい室内あるは車内に入るようにしたらよいと考えました。
 具体的には暖かい室内で早めに外出の準備をし、暑くなるのを待ってから外出するようにしました。われながらグッドアイディアだと思っていたら、すでにこの方法を実践して生き延びてきた動物がいました。それはガラパゴス諸島の海イグアナです。陸上で日光浴をして体を温めて十分に蓄熱してから、冷たい海に入り海藻を食べているそうです。そして体が冷えて動けなくなる前に再び陸に上がり体を温めるそうです。ときどき陸にあがるのが遅れて海中で動けなくなり死ぬものもいるらしいです。蓄熱方式で対処できないような長時間の外出にはホカロンを併用しています。両方の肩に1個ずつ、そして両方の足首に1個ずつの合計4個です。

 〈3〉冬に特に心がけていることは?
 (一) 入浴に気をつける。お風呂は体が十分温まるまでは入らないようにして、ちょっと暖まる程度にしておくようにしています。かつて心地よくなるまで入っていたら、上がったときに目の前が真っ暗になりびっくりしました。かかりつけ医師に報告したら、血圧が変動していて危険だと言われました。
 (二) やけどに注意する。温感がないので、いつも気を付けています。ところが、最近、ついに火傷をやってしまいました。いつものように石油ファンヒーターの前で暖をとり心地よくなっていました。そこに妻がやってきて、床に黒く細いビニール線みたいなものが落ちているのに気が付きました。「これ何だろうね」と辺りをみてまわり、やっとわかりました。車イスのフットレストの先端のプラスチックのキャップが熱で溶けて流れ落ちて糸状になったものでした。「ならば足は大丈夫か!」と急いで調べたらもうすでに大火傷になっていました。
 あとで考えると、この日はとても寒い日でファンヒーターがフルバワーで長時間作動していたのでこんなことになったのだろうと思います。

 〈4〉暖房器具のことやおすすめグッズは?
 石油ファンヒーター。空気清浄器。加湿器。羽毛の肩当て。冬用登山用品。

 〈5〉外出先で留意点やおすすめグッズは?
 外出時の防寒グッズは冬山登山用品から選ぶとよいです。携帯に便利でコンパクトで軽くてとても暖かく、さらに福祉用品と違い値段も手ごろです。
 まずはウォームレッグです。大・小の2種類持っています。大は足に用いています。よく伸びる素材でできていて足首から腿(もも)まですっぽりカバーできます。小は腕に用いています。
 つぎはダウン(羽毛)のシーツです。体を車イスごと包んで、まわりに付いている小さなボタンでとめています。とても暖かく幸せな気分になります。丸めて袋に入れるとペットボトル程度の大きさになり、いつもバッグに入れて携帯しています。
 最後はオーバーシューズです。これは雪山で靴の上から履く靴です。ダウンでできていてとても暖かいです。これもまた、丸めるとペットボトル程度の大きさになります。

 〈6〉何かお困りごとや皆さんへご質問は?
 誤飲で食べ物や唾液が気管に入り、苦しい思いしたことはありませんか?
 (一) 誤飲しないための予防はどんなことをしていますか?
 (二) 誤飲してしまって苦しいときはどのようにしたらよくなりますか?

 〈7〉他に何かありましたら。
 頸損者の寿命も医学の発展とケアの充実により健常者の寿命に近づいています。そこで健常者と同じように成人病検査を受けるべきかどうか迷います。みなさんはどんなにされていますか? 胃癌検診、大腸癌検診、人間ドックとか、いろんなものがあるみたいですが、受けていますか?
 

福岡市:Y.I.



 特集 脳炎で2週間意識不明 


 この原稿を書いてるときはいくぶん寒さも和らいでおりますが、冬の寒いときは風邪などひかぬように気をつけてます。
 一度10月に風邪で熱を出しまして、その後意識をなくして救急車で入院です。脳炎だったみたいです。意識不明状態が2週間ほど続き、家族も心配したようですがなんとか意識が戻り命は助かりました。
 でも意識がないときに両腿が骨折しておりました。その前後の記憶もなく、どのようなことで骨折したかは不明ですが、家や救急車では何もなかったようですからたぶん病院で入院中でしょう。
 それ以来、冬場に人ごみに外出するときはマスク着用です。インフルエンザの予防接種も毎年受けるようにしました。しかしいろいろ予防してても風邪をひくときはひきますね。自分もこの年末にインフルエンザにかかり寝込んでしまいました。やれやれです。みなさんも体調管理はお気をつけください。


       ●ナーシングブーツ
http://www.hello-with.com/original/nr.html

 ケイ損は体温調節が難しく、ヒートテックやハイネック等のあったかインナーは常用しております。
 上着はいろいろ防寒してますが、足元から冷えるのを悩んでおり、ムートン裏地のナーシングブーツというのを見つけて毎日愛用しております。それ以来、足先が冷たくなるのが解消しました。屋内用でぶかぶかですから歩行できる方には不向きだと思われますが脱ぎ着しやすいです。私はネットで購入しましたが、うちでお世話になってる介護機器の業者は取り寄せできるとのことでした。高価ですから購入を検討される方は十分検討されてください。ご参考までに。
 

福岡県:K.M.



 特集 私のちょっとした冬対策 


 〈1〉体調が悪くならない秘訣や方策は?
 年々寒さに弱くなっており、今年はヒートテック3枚重ねをついに始めました。
 また、喉を痛めやすいのでマスクもよく利用していました。

 〈2〉体調管理の失敗例やその対策は?
 教訓というほどではありませんが、無理はせずに寒いときは温かい屋内へ逃げます。

 〈3〉冬に特に心がけていることは?
 足先の冷え対策。

 〈4〉暖房器具のことやおすすめグッズは?
 胸から下の感覚がマヒしているので、低温やけどにならないようストーブ等にはなるべく近づかず、部屋全体を暖めるために使用しています。
 それから家ではフードがついた上着を着ていることが多く、そのフードをすっぽりかぶっているとすっごく温かいです。あまり人には見せたくない格好ですが……。

 〈5〉外出先で留意点やおすすめグッズは?
 マフラーに手袋、ひざ掛けは欠かせません。また、手袋一つとっても、いろいろな商品があり、温かさもそれぞれ違います。自分に合ったものを見つけることが大切だと思います。
 

広島市:M.T.



 特集 冬用グッズの紹介と紹介依頼・冬の外出失敗談とその教訓 

58歳、C4、頸損歴22年目、人工呼吸器、電動車イス使用

(1) 冬用グッズの御紹介



 ▽車イス防寒ズボン:冬の外出には必須アイテムになりました。履かせやすい、あったかそうがメリットです。暖炉(Sports)という商品名でaspec ( http://danro-pants.com/  )
から購入しましたが、2001年に12000円だったのが、今は4800円ですから普及しているようです。

 ▽レザーシューズ:つま先まで開くファスナーがついていて下肢麻痺でも履かせてもらいやすいこと、そして暖かそうなことがメリットです。実際には温度感覚がないのでわからないのですが、足裏にホッカイロを入れて履いています(東京のFさんからの助言)。その際低温やけど対策として、薄い靴下なら2枚にしています。2013年7月で11200円(送料別500円)でした。



 ▽レインフード:すっぽり被って電動車イスをチンコントロールで走行でき、材質的に防寒にも優れているようなので購入しました。1回だけの使用実績においては、満足のいくものでした。2014年7月で26000円(送料別500円)でした。
 後ろ2商品の購入はともに、M&Rるーむ(http://www4.ocn.ne.jp/~aphrodia )からでした。

 (2)冬用グッズの紹介依頼=防寒手袋

 今は、所謂スキー用ミトン(親指とその他4指に分離)手袋を使用していますが、指が入りにくく、脱げやすいという問題点があります。上肢麻痺者用に介助者から着用してもらいやすい工夫のある防寒手袋を御紹介いただけるとありがたいです。防寒布2枚をファスナーで閉じる形も有効と考えます。


       ●レインフード

 (3)冬の失敗談とその教訓
 昨年12月上旬に忘年会がありました。あいにく当日雪が降り、積雪は20cmほどの新雪です。会場は自宅から500mほどの所なので福祉タクシーをお願いするほどでもないと判断して、私の電動車イスと女性ヘルパーさんとで強行突破することにしました。これが失敗! ちょっと雪の多い所に行ったら車イスは前進も後退もできなくなってしまったのです。困っていると、通りすがりの若い男性が声をかけてくれて、車イスの前輪部を引っ張ってくれてようやく動くことができたのでした。その後、せっかく出かけたということで、しっかり忘年会に出席し、帰りは近くに暮らしている男性ヘルパーさんに緊急出動要請をして来てもらって、やはり前輪を引っ張ってもらって帰ってくることができたのでした。当然のことながら、お二人には後日謝礼させてもらいました。
 この失敗からは、〈1〉不要不急な用件以外は雪の日の外出を控える〈2〉外出が必要な場合はドアtoドアの福祉タクシーの利用を問い合わせる、が当面の教訓になりました。
 ところで、雪道用の車イスというのはあるのでしょうか? 全輪駆動&スノータイヤが最低限必要そうですが、どなたかご存じの方は、話題としてご紹介ください。
 (2015年3月16日記) 
 

新潟市:T.H.

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