特集 初めて広島を訪れて
こんにちは。私は兵庫県に住んでいるT.H.と申します。レベルはC4で両手両足は動きません。普段の生活は電動車イスに乗り、24時間ヘルパーを利用しながら1人で暮らしています。今回、初めてはがき通信懇親会に参加させていただきました。そして、その報告をさせていただきます。
私にとって今回が初めての広島です。兵庫から広島までそれほど遠くないので移動も楽かなと思いました。新幹線はみずほです。普段乗っているのぞみよりも指定席の座席の幅がゆったり作られていて電動車イスでも楽に乗ることができます。新大阪を出発し、新神戸、岡山、広島とあっという間です。広島駅で兵庫頸損のSさんと昼食に尾道ラーメンを食べました。魚介、鶏がらベースのスープに細麺がマッチするしょうゆラーメンです。おいしくてすぐに完食してしまいました。
●船上からの厳島神社
昼食後は会場の広島市まちづくり市民交流プラザへ向かうために路面電車に乗ります。初めて乗りましたが、とても雰囲気が良く、気軽に乗ることができるので便利です。路面電車の窓越しに広島の街並みを楽しみながら目的の停留所に到着です。停留所から5分ほどの場所に会場はありました。受付を済ませて、しばらくしてからはがき通信懇親会の挨拶が始まりました。
その後、人工呼吸器使用者の貴重な発表がありました。同じ頸髓損傷者でも、人工呼吸器を使いながら生きていくということは、いろんな苦労があるのだと思いました。3人の人工呼吸器利用者からの講演が終わり、後の交流会場所へ向かいました。交流会会場は結婚式が行われるような綺麗な会場でした。私は人見知りをしてしまうのですが、新たな出会いもあって、有意義な時間を過ごすことができて良かったです。
2日目は今回、広島の方たちが用意して下さった、クルーズ船に乗ってバーベキューを楽しみながら宮島へ向かうという素敵な企画でした。路面電車に乗って広島港へ向かいます。
広島港では白くて大きなクルーズ船が待っていました。私は電動車イスに乗っているので乗船するのに一苦労しました。数人がかりで重い電動車イスごと持ち上げてもらって、無事に乗船することができました。重度障がい者になり、船の上でバーベキューを楽しむことができると思ってもいなかったので、何事にも参加することは大事だなと改めて想いました。バーベキューを通じて新たな出会いがあり情報交換ができました。美しい景色とおいしいお肉をいただいて普段味わうことのできない充実した時間を得ることができました。
船を降り、生まれて初めての宮島です。天候が怪しかったのですが、曇り空で暑くも寒くもないちょうど良い気候でした。宮島にはシカが多く生息していて観光客の人気者です。可愛いのですが途中襲われそうになったので、少し遠目で見るようにしました。厳島神社に向かっていると、鳥居が見えて来ました。
海の中にたたずむ姿は神秘的で厳かな空気が感じられました。本殿の回廊は電動車イスでも難なく進むことができました。本殿の中には能舞台があり、国内で海に浮かぶ能舞台は厳島神社にしかないそうです。昔の人は粋なことを考えますね。時間があったので、原爆ドームへ向かいました。学校の教科書やテレビなどで見たことはあったので頭の中でイメージすることはできていたのですが、実際に原爆ドームを目の当たりにすると、言葉も発することなくただ立ち尽くしていました。その後、原爆資料館へ向かいましたが終始無言のままでした。こうして幸せに生きていられることに感謝しなければいけないと再認識しました。
最終日は「はがき通信」の会合にも参加させていただきました。
はがき通信懇親会in広島では、路面電車・バーベキュークルーズ・宮島・原爆ドームと広島をたくさん感じることができました。広島の雰囲気は個人的に好きになりました。味のある路面電車・神秘的な宮島・原爆ドーム。すべて広島にしかないもので、その雰囲気を感じに皆様も広島を訪れてみてはいかがでしょうか。
兵庫県:T.H.
特集 「はがき通信」懇親会in広島2013に参加して…
福岡より初参加させていただいた、Hと申します。私の長い人生で初の広島行きが、「はがき通信」懇親会参加でかなうこととなりました。
安芸の宮島、厳島神社は、海に浮かぶ本殿・拝殿・回廊は世界に類をみない平安時代の日本神殿建築の美を今に伝えています。現在は世界遺産にも登録され、テレビや雑誌、インターネットの世界では拝見していましたが、実際に行ってみると、さすが!世界遺産に認定されている場所で、車イスでも何不自由なく参拝することができました。その美しさ、神秘さに感激し、活字や画像では伝わらない、言葉でも言い表せない素晴らしさに感動しました。
宮島へのフェリーでの移動に不安を覚えましたが、係員の方もたいへん慣れておられ皆さんとても親切にして下さいました。
夜は広島でも有名な歓楽街に繰り出し、旨い料理に舌鼓を打ち、もちろん、〆は広島風お好み焼きをいただき、満足しました。
広島と言えば、第二次世界大戦の末期の1945年(昭和20年)8月6日午前8時15分アメリカ軍が日本の広島市に対して投下した原子爆弾で被爆地になりました。実際に広島平和公園で原爆ドームを見学し、多くの小中高の生徒さんたちが、原爆ドームを背に記念撮影をする姿を見て、この子供たちへ永遠に戦争によってもたらされた悲劇が繰り返されないことを願いました。
世界で唯一、その悲劇を知っているわが日本です。被爆国として世界へ平和を発信し続けなければならない義務があると思います。
大会初日は、高位頸髄損傷者人工呼吸器を使用されている方々のお話を拝聴し、まだ呼吸器を装着していない私にもたいへん参考になりました。
そして、スポーツトレーナーのU本先生による頸髄損傷者への優しいマッサージを教えていただき、このような体験をさせていただいたことがなくて、新鮮に感じ、リフレッシュできました。
その後、独立行政法人自動車事故対策機構から業務内容や説明と自動車事故被害者支援の介護料などのお話を拝聴させていただきました。
夜は懇親会に参加させていただき、九州から参加された皆様や、日頃から仲良くさせていただいている、広島大会幹事でもあるT様と一緒のテーブルで楽しくお話をさせていただき素晴らしい時間を過ごすことができました。
そして、同じテーブルには編集スタッフとして日々頑張っておられる藤田様が着席され、久々の再会を喜び合うこともできました。
来年は東京で開催されるとのことで、チャンスがあればぜひ九州の仲間やT様と参加させていただきたいと思いました。
最後になりましたが、「はがき通信」広島大会開催にご尽力下さった皆様! 大会準備の段階から最後まで、ご苦労様でした。そして貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました!
わが盟友で、恩人でもあるT様の素晴らしいソプラノサックス演奏と参加された皆様の笑顔をお土産に帰福できました。
福岡県:K.H.
特集 初参加!「はがき通信」懇親会!
はじめまして。今年は、「はがき通信」の懇親会が広島で開催されるということで、広島頸損ネットワークで新米の私もこのたび参加させていただきました。恥ずかしながら今まで、「はがき通信」の存在すら知りませんでした。そのため、どんな雰囲気なのかもわからないまま会場へ向かいましたが、行ってみると全国からたくさんの方が来られていることを改めて感じ、すごいグループなのだと実感しました。参加させていただいたことを光栄に思います。
懇親会が始まると、まずは人工呼吸器を使用されている方々にお話していただきました。福祉制度と現実とのギャップの中で皆さん懸命に生きていらっしゃることがとても伝わってきました。私自身も生活の中で悩むことはありますが、なかなか解決策を見つけることができなくて苦労します。それでもこうやって、みんなで意見を交換し合い、みんなで考えていくことがとても大切なことだと思いました。もっともっと皆様のお話をお聞きしたいなと思いました。
続いてスポーツトレーナーの先生からマッサージを教えていただき、ありがたいことにモデルをさせてもらいました。皆さんの前で先生にマッサージをしていただき、初めての体験だったのでドキドキしましたが、気持ちよかったです。私は、勝手なイメージでマッサージは、それなりに力を入れて揉むものだと思っていたので、どちらかというと「さする」ような感覚だったことは意外でした。リンパに沿って行うことが大切だということもわかり、できる範囲でその後も自宅でときどき実践しています。
独立行政法人自動車事故対策機構の方からのお話も、たいへん勉強になりました。あとで個別に少しお話しを伺いましたが、私の質問にも丁寧に答えてくださいました。
最後に参加されている方と少しお話しもさせていただき、本当にあっという間の時間でした。個人的な都合で、後ろ髪引かれる思いの中ここで帰宅しましたが、今回参加させてもらって本当によかったと思います。
私も車イス生活になって20年が経ちますが、まだまだ知らないことも多く、このたびはいろいろ学ばせていただきました。ありがとうございました。これを機会に今後も幅広く情報をいただけたら嬉しいです。私も少しでも情報発信できたらと思います。よろしくお願いいたします。
広島市:M.T.
特集 広島旅行と懇親会
C6レベル、手動車イス・在宅時や近隣外出時/簡易電動車イス・外出時 |
◇懇親会に出席して
今回初めて懇親会に出席しました。私は「はがき通信」は未購読どころか、これまで存在すらほとんど知らなかった者なのですが、広島在住の頸損の友人に紹介してもらい、興味本位で参加させていただいた次第です。残念ながらメインであった金曜日の懇親会・レセプションには間に合わず、日曜日のみの出席となりました。
事前知識が少なかったため、もしかしてスタッフの方々のごく内輪の話? あるいはただ単に雑談するだけ? といろいろ案じていたのですが、さにあらず、私のような飛び入りの者でも気軽に発言できる和やかな雰囲気、それでいて積極的な情報交換・意見交換の場でした。話題はヘルパーさんにお願いできる介助の範囲(特に呼吸器の扱い)など、事業者や自治体によって、あるいは当事者の交渉術によって差異が大きい問題を取り上げ、個人的にも非常に身近で興味深い内容でした。
このような情報は、各種機関誌やネットの他、個人的に然るべきところに相談してもある程度は得られるものでしょうが、こうして同じ障害を抱え、同じ問題に直面している(あるいは解決した)者同士で顔を合わせ、じっくり情報交換・共有できる場は非常に貴重だと感じました。
●前列一番右側がEさん(写真下)
そして何よりの収穫は、何名かの方と新たにお知り合いになれたことです。例えば、数年前に私の地元の車イス友達が九州旅行に行ったさい、会って意気投合したという人が、今回偶然参加されており、これでまた一つ繋がりが増えました。思えばこの世界、広いようで狭いものですが、実際にお会いしなければそれも実感できないものです。今後も懇親会やその他の場で、皆さんとお会いできる機会があればと思っています。
◇広島旅行について
実は今回私は、懇親会参加を決めたから広島に行ったのではなく、もともと広島旅行の計画があり、懇親会に合わせて多少の日程調整をしただけです。広島旅行は4年連続4回目、毎年秋の自分の恒例行事です。観光も往復の道のりも全て単独、家族やヘルパーは一切同行していません。現地やその周辺で友人・知人と会うのも楽しみの一つとしていますが、基本的には「気ままな一人旅」です。これまで平和記念公園、広島城、マツダスタジアム、宮島(厳島神社)、呉(大和ミュージアム)など多くの場所に足を運び、グルメも満喫しました。
私の場合、公共交通機関や自走(電動車イス)での移動、食事、小用などは基本的に一人で可能ですが、宿泊先での着替えやベッド移乗、入浴などは自力ではほぼ不可能です。以前はそんな自分が誰の同行もなしに外泊することなど、考えたこともありませんでした。きっかけは数年前、かつて入所していたリハビリ施設の車イス仲間同士数人で名古屋に一泊したことです。名古屋まではおのおの一人で行ったのですが、現地での飲み会や宿泊先では名古屋在住の仲間のご家族やヘルパーさん、ホテルスタッフの方々が協力して我々の手助けをしてくれ、無事に泊まることができました。自分の行動範囲を大きく広げる契機、大きな自信になりました。
これを「応用」したのが単独広島旅行です。まずはベッドへの移乗介助、深夜の呼び出しへの対応などをしてくれる(非公式含む)ホテルを探し、さらにそのホテルで起床時の身体介助(30分〜1時間)に来てくれるヘルパー事業所を探しました。事業所は市内の3か所に相談し、うち1件が快諾してくれました(契約は初回介助時に締結)。あとは一人ゆえのリスクを少しでも軽減すべく、近隣の福祉タクシー(運転手がヘルパーの有資格者だとベター)、総合病院、自転車店(車イスのパンクや空気補充対応)などの場所や連絡先を控えておきます。もちろん保険証コピーやパンク修理剤も常備しています。
ただ現在では、障害者の個別ニーズに合わせ、旅行先限定で観光地の案内や手伝い、宿泊先での着替えや入浴の介助などを行ってくれるNPOによる有償ボランティアも普及してきているようです。一人旅を始めた時点では、移動支援やトラベルヘルパーなど、“Door to Door”で高額な介助しか念頭になかったため、やむを得ず上述のような旅行形態になった経緯もあるので、今後はこれらの利用も検討してみようと思っています。
ちなみに、数ある観光都市の中から広島を選んだのは、(1) 程よい遠さ、(2) 中心地(広島駅)から主要観光地(平和記念公園、宮島など)へのアクセスが良い、(3) 有名かつお手軽な名物料理がある(お好み焼き、牡蠣(かき)、あなごetc.)、(4) 周辺に知人が多い(以前の勤務先の工場が近くにある)、といったいくつかの理由があります。バリアフリー化に関しては、中心部や訪れた観光地に限って言えば、比較的進んでいると思います。ただ市電(路面電車)の低床車の割合は最近あまり増えていない気がします。ここは頑張ってほしいところです。
埼玉県:K.E.
特集 東広島市西条の酒蔵見学に参加しました
平成25年9月28日、はがき通信懇親会の2日目に参加させていただきました。最初はO氏宅で東広島の郷土料理「美酒鍋」をいただきました。たっぷりの肉と野菜にほんのりと日本酒の風味がする、酒どころならではの料理です。その後酒蔵巡りに出発しました。
東広島市の西条は酒どころとして有名で、JR西条駅の周辺には多くの酒蔵があります。見回すとレンガ色の高い煙突がいくつも建っていて、独特な雰囲気を醸し出しています。
酒蔵通りには酒造りに使用されている井戸水が飲める場所がいくつかあって、最初にその水を飲みました。水なのでもちろん味はしませんが、この水から東広島の誇る銘酒が生み出されるのかと思うと感慨深いものがありました。
この日は3つの酒蔵を見学させていただきました。建物の造りも展示の方法もそれぞれの特色を活かしていて、飽きの来ないコースになっています。とはいえ、醍醐味は何と言っても試飲でしょう。今回の3か所でも少しずつお酒を飲ませていただきました。ほろ酔いも手伝って「こっちはさらりとしてますねえ」なんてちょっと日本酒通を気取ってしまいます。
歴史ある場所だけに道も狭く、石畳など車イスでは厳しい場所もあるのですが、段差の解消などできる限りの対応はなされているので、それほど不便は感じませんでした。
毎年10月には「酒まつり」も開催されます。ぜひ一度足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
広島県:T.M.
特集 3度目の広島懇親会
私が「はがき通信」の懇親会に初めて参加したのが1999年の広島でした。そのときS先生はご健在で、付き添いの方にお腹を押されて痰出しされていたのに驚き、そのような状態で現役の先生を続けておられることにも驚いたものでした。
2度目(2006年)の広島は高知のK君が、病院から人工呼吸器で参加されていたのが強烈でした。すごいバイタリティーだと……。
今回3度目の広島懇親会となると、人工呼吸器で参加された方が5名と多いことに驚きました。医学の進歩もさることながら、障害者の考え方と積極性がより前向きになっているのだと思います。
それには同じ障害者間の情報交換の大切さがあると思います。直接会って話しているだけでも何かしらのヒントが得られます。
翌日の観光は楽しみの一つです。1度目は平和公園でした。2度目は宮島でした。3度目の今回は西条市の酒蔵巡りでした。酒蔵に行く前にはOさん宅で美酒鍋での「おもてなし」を受けました。感謝・感謝です。
酒蔵巡りでは観光ボランティアさんが優しく分かりやすく案内してくれ、各蔵で試飲もさせていただきました。ただ残念なのは最初の蔵で小さな試飲グラスに半分弱呑んだら、顔がほんのり、頭がずきずき……。『これ以上の呑むと帰れなくなる…』下戸だけど味見程度に好きな私は泣く泣く他の蔵の試飲を諦めました。最後の蔵の賀茂鶴酒造では来月から仕込みが始まるという蔵の中まで見せてくれました。
これも「おもてなし」、障害者になっていなければここまでしてくれただろうか、全国各地にこんなにたくさんの知り合いができただろうか? 改めて「はがき通信」に感謝・感謝・感謝です。
香川県:M.S.
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