はがき通信ホームページへもどる No.138 2012.12.25.
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 特集 博多の食を堪能 

56歳、C4、受傷歴28年、O型

 東広島駅から博多駅には、新幹線を使って2時間です。自宅を9:30に出発し、12時前には博多に到着します。
 車中の新幹線で車掌さんが「刺身が美味しいですよ」と言われていたので、それじゃ〜ということで、昼食は博多駅地下街に下りてみました。海鮮丼や鯛料理の店が沢山ならんでいます。鯛は瀬戸内が最も有名で美味しいと思っていたのですが、こちらでは玄界灘の鯛が有名らしく、それがまた美味しいのです。ちなみに、3日目の昼食も同じ店で食べたのですが、カンパチが最高でした。ブリ大根、イカソーメンも美味しかった。
 てな訳で……会場に着くと九州勢が笑顔で迎えてくれました。なんかホッとします。夕食は恒例のレセプションです。洒落たお店で洋食のコース料理に舌鼓を打ちました。
 2日目は、瀬出井さん、Hさんと共に太宰府天満宮に行きました。博多駅から地下鉄で天神駅に行き、西鉄電車に乗り換え太宰府駅までの全行程1時間の道のりです。大宰府天満宮は、合格祈願の参拝客で賑わっていました。ぐるっと廻った後、とりあえず名物の梅が枝餅を美味しくいただきました。
 それから日本に4つある国立博物館のひとつである九州国立博物館に行きました(他の3つは東京、京都、奈良にあります)。ここは7年前にオープンしたにもかかわらず、なんと! 車イスは昇降機で上がります。しかも下に2人、上に1人の警備員を配置しています。なんでエレベータじゃないの? なんでフェルメール展は明日からなの? 常設展示だけ見て退散しました。


●九州国立博物館・昇降機

 夕方は、IさんやSさんと合流して食事をしました。まずは呼子にイカの活作り、デリシャス! そして言わずと知れたモツ鍋が出てきました。これがまた美味しいのです。スープが薄味でモツの臭みもありません。最高です。宴も終盤になったごろ、「ラーメンを食べに行こう!」と言いだしたのはもちろんIさんです。長浜の屋台のラーメンは思ったより薄味でとても食べやすく美味しい。また、塩ホルモンは柔らかいけど噛み切れなく、クチャクチャやっているうちにホルモンの旨みが口に広がります。Sさんのお陰で、とても有意義な夕食を送れました。


●居酒屋にて&長浜ラーメン屋台

 3日目の朝、体が汗ばむので、付き添いのヘルパーさんに見てもらうと尿道からオシッコが漏れていました。ちなみに私は膀胱ロウです。多少のトラブルは経験しているし、対処法も知っていましたが、旅先でのトラブルは初めてです。まず、カテーテルが折れたりひねっていないかを確認し、異常なし。次にカテーテルが抜けていないかを確認するためにカテーテルの目盛りをチェックしましたが、これも異常ありません。そうなるとカテーテルが詰まっているかフワがカテーテルの穴をふさいで流れを悪くしている可能性があります。カテーテルと集尿バッグのジョイントを外して注射器で蒸留水を押し込める必要があります。しかし……。押せない。再度トライしても押せないのです。
 松井先生に電話して来てもらいました。先生は膀胱ロウをしたことがないと言われるので瀬出井さんの介助者のIさんを呼んで下さいました。Iさんの処置は適切でした。カテーテルの目盛りを見ながら少し出したり入れたりし、ミルキングした後、膀洗器でそっと引けるかどうか試したら、ドッと浮遊物が出てきたそうです。再度そっと引くと、今度はお小水だったので、集尿バッグにつないだそうです。体から汗が引いたので、ホッとしました。当日駆けつけて下さった皆様、本当にご迷惑、ご心配をおかけしました。
 「はがき通信」懇親会in福岡の3日間は、博多の食を楽しませていただきました。藤田さんをはじめ準備やお世話をして下さった皆様本当にありがとうございました。
 来年は広島で行いますので、ぜひお越し下さい。

 広島県:Y.O.


 特集 はがき通信懇親会in福岡に参加して 

C4

 「はがき通信」の皆さんこんにちは。寒くなって早くも冬眠状態のこの頃です。
 昨年の横浜での懇親会に続き、2012はがき通信懇親会in福岡に行って来ました。10月6日(土曜日)〜8日(月曜日)の3日間の開催でしたが、今回は初日だけの日帰りにしました。リクライニィング電動車イスで行きましたので、以前より懸案の車イスとベッドの移乗が大変なことと、昨年やっと開通した新幹線で行くことにしましたので、帰りが遅くなっても大丈夫ということも日帰りの要因でした。
 新幹線の車イス指定については、わざわざ説明することもないとは思いますが、念のために説明しておきましょう。九州新幹線は、横の座席配列が中央通路に対して2席、2席になっており、その2席のうち中央よりの縦2席の座席が車イスのために取り外されています。付添いの人1人は、車イス席の横の窓際の縦2席が使用でき、2人で4席分の座席を使用できることになります。博多駅までは各駅停車でも50分ですので、おやつもゆっくり食べられないくらいにアッという間に到着しました。
 福岡には早めに着いて、いつもお世話になっているTさん夫妻(ご主人が頸損)と食事をしました。博多駅ビルで食事をしたのですが、車イスならではのことが2つありました。





 1つは、予約していたお店の個室に入ろうとしましたが、電動車イスでは入りそうにありませんでした。通常の車イスなら入れますが、私の電動車イスの操作が未熟なせいもあり、もし柱でも傷つけたら大変ですので諦めました。せっかく個室を予約していましたが、普通の席をセッティングしてもらいました。
 もう1つは、駅ビルのエレベーターでのことです。エレベーターは確か5基あったと思いますが、そのうち1基は「障害者、お年寄り、ベビーカーの専用」になっています。その専用エレベーター以外に乗ろうとしても、どのエレベーターも人が多くて車イスが乗れるスペースはありません。食事が終わり1階に下りようとして専用機のエレベーターを待っていました。しばらくするとエレベーターが止まり開きましたが、車イスが乗れるスペースがありませんでした。よく見ると、お年寄りやベビーカーに混じって元気そうな若者が数人乗っているではありませんか。
 「これは身体が不自由な人の専用機ですよ」と言うと、数人が素直に降りてくれたので乗ることができました。妻から「あまり言わなくても」と注意されましたが、ルールを守らない人には言わないといけません。
 懇親会の開会時間までは間がありましたので、駅ビル内のお土産店などを見て回りました。博多(福岡市)は人口等では熊本市の2倍くらいですが、商業的賑やかさは数倍ある感じで街づくりのうまさを感じます。
 懇親会会場までの道を「あ〜だこ〜だ」と言いながら10分くらいで着きました。今回の出席にあたり天気だけが心配でしたが、3日間を通して好天に恵まれ本当によかったです。万が一雨が降ったらと、1ヶ月前には通販にて雨具を購入しておきましたが使わずに済んでほっとしました。
 懇親会では、開会の挨拶後に出席者ひとりひとりが簡単な自己紹介をしました。その後は、災害時の障害者のことでの講演会がありました。災害に対する準備の必要性を感じましたが、地域とのコミュニケーションなどひとつとってもなかなか難しいことだと思いました。
 講演会の後は、場所を移動して食事会がありました。その頃には出席予定者全員が集まり、昨年もお会いした人、数年ぶりの人、初めてお会いする方といろいろでしたが元気で会えたことを喜んで会話が弾みました。
 今回は、約25人の頸損の人と、付添いの方などを入れると約60人の出席でした。懇親会に参加して、同じ不自由な身体で精一杯生きている皆さんの姿を見ると、自分も頑張ろうと毎回励まされます。
 次回は広島で開催されることが報告されて、全員で記念撮影をして閉会いたしました。数人の方と話しながらJR博多駅まで見送ってもらい、またの再会を誓って別れました。熊本駅の到着時刻に福祉タクシーを予約しておき、我が家にはちょうど24時に到着しました。
 この懇親会を企画実行された福岡の人たちには大感謝です。さらにお世話になった方々にお礼を申し上げます。

 熊本市:K.I.



 特集 はがき通信懇親会in福岡に参加 

56歳、C4、頸損歴19年目、人工呼吸器、電動車イス使用

 はがき通信懇親会には、前々回沖縄での疲労困憊(こんぱい)(「はがき通信」123号「はがき通信懇親会in沖縄に参加」)、前回横浜での事実上の初参加(「はがき通信」132号「事実上初めての懇親会参加」)を経て、今回で3年連続参加させていただきました。幹事の方々はじめ御参加の皆さんには、お世話になり本当にありがとうございました。
 今回は、3つの目的がありました。一つ目は言うまでもなく、皆さんとの再会と出会い。2つ目は、2日目の観光を単独ではなく共動行動をとること。3つ目は、一昨年の沖縄旅行で宿題として残った新潟空港の利用です。

まず共動観光について:




 前2回は、自分の体調が不安で2日目の観光は単独行動だったのですが、今回はある程度大丈夫だろうと、OさんとSさんにお願いして大宰府をご一緒させていただきました。JRと地下鉄を乗り継いで、天満宮をお参りし昼食までは何とか付いて行けたのですが、その後の九州国立博物館の4階に上がるエレベーターの前で、呼吸が十分できなくなって呼吸器のアラームが鳴りっぱなしになってしまいました。4階の展示場の入り口までは何とか上がりましたが、展示場には入れもせず入り口の前で休息するしかありませんでした。小康を得て参道を戻る道すがら、ここで無理をして帰りの飛行機でトラブルを起こしては大問題と、皆さんと別れて単独行動をする決心をしたのでした。
 結果的には、残念ながら自分の体力を過信していたきらいがあり、Oさん、Sさんの足を引っ張った感を否めません。申し訳なく存じております。せっかく、お仲間に入れていただいた夕食会にも参加できず、Iさん、KSさんともゆっくりお話しできるチャンスを逸して、本当に残念に思っております。しかし、もっと大きいトラブルを起こしたら、自分のみならず、多くの人にご迷惑をお掛けすることになると考えると、やむを得ない判断だったとも思っております。楽しみにしていた博多名物を食べられなかったわけですが、帰りの空港で何とか博多ラーメンだけは食することができました。





 (2)新潟空港の利用について:
 一昨年沖縄へは、最寄りの新潟空港から直行便が出ているので利用しようとしたのですが、2つの問題をクリアできず断念したのでした。一つは新潟空港に空港内移動用のリクライニング車イスがないこと。もう一つは飛行機が小さくて、私の電動車イスがそのままでは預け荷物の高さ制限(85cm)にひっかかることでした。それ故、一昨年は、新潟空港は断念し新幹線等で羽田空港まで行って沖縄を往復したのでした。
 今回の対策は、空港内移動用のリクライニング車イスについては、自分のものを持ち込み旅行中預けること。また、預け荷物の高さ制限については、車イスをフルギャッチダウンし、さらにチンコントロールアームを外すことによって、制限内に入れることを提案しました。そして、以上の提案の妥当性を確認してもらうために、9月下旬に一度新潟空港に行ってきました。このような柔軟な対応ができたのは、昨年新潟市に引っ越してこられたおかげです。
 余談ながら、行きの飛行機は小さくて、座席のギャッチダウン角度が想像より小さかったせいか頭が安定せず、ずいぶん疲れを覚えました。ようやく福岡空港に降りてから、空港内で相当量発汗するほど疲れていたようです。旅行から帰ってからの主治医のお話では、飛行機内で頭を座席に縛り付けておけば相当違ったのではないかとのことです。この経験があって、(1)での判断が慎重にならざるを得ませんでした。
 もうひとつ余談ながら、新潟空港の対応はとても慇懃(いんぎん)で、帰りなどは車が空港を離れるまで見送ってくれました。まさかそこまでしていただくとは……。
 (3)再会と出会いについて
 元気だから参加でき、参加することによって皆さんそれぞれそれなりの頑張っている姿を見て元気とやる気をいただきます。年1回の外泊ですが、今も「はがき通信」が私の一つの目標になっているようです。実は私の付添いさんが出発の前日に腰を痛めてしまって、トランスファーは参加された方の付添いの方々に手伝っていただきました。帰る際においても、会議室ビルの前の道路で、車イスからずり落ちそうになるトラブルに見舞われたときも、多くの男性ヘルパーさんのお力をお借りしました。はがき通信懇親会は困ったときは、誰でも気軽に手を差し伸べてくれるところがいいと幹事のFさんのコメントですが、皆さん本当にありがとうございました。
 (2012年11月26日記) 
 

新潟市:T.H.



 特集 呼子、唐津〜日本三大夜景「皿倉山」(前編) 

年齢53歳・C4−5、頸損歴18年

 今年のはがき通信懇親会は、福岡市博多で開催されました。去年は実家の母が倒れたり、長女の出産と重なり欠席、と2年ぶりの参加です。みんなの明るい笑顔に包まれた貴重な情報交換の場、相変わらず元気が出ます。レセプションの後、チャペルの前で記念撮影。どこかの花嫁さんたちもごっちゃになって、不思議な光景となりました。
 12年前、懇親会が広島で開催され初めて参加。みんなのパワーに圧倒されたのをついこの間のように思い出されます。車イスになって、公共機関を利用してどうやって旅行をするの?と、ずっと引っ込み思案になっていたけれど、一気に勇気もりもり。
 2年後に横浜で開催された懇親会へは、車イスになって初めて新幹線に乗り、しかも高校生だった次女と2人きりで参加しました。ほんとうに「はがき通信」はすごい! 仲間はすごい! いつまでも、みんなが末永くつながっていきますように……。





 2日目は自由行動。天気は快晴、何年も前からあこがれていた「呼子のイカ」を目指して、いざ佐賀県呼子(2005年の合併により唐津市呼子町)へ! このために、このたびの博多へは、5時間かけて車で来たのです。
 9:30ホテルを出発。呼子には、イカの看板のお店がずらり。私たちは佐賀県の知人から情報を得た「かべしま」という料理屋さんを目指します。呼子町加部島の最北端にある「かべしま」、インターネットで調べてみたけど、ロケーションも素敵だし食事も美味しそう。わが家のカーナビは古くて、情報があいまい。ときどき違った方向へ案内されながら、11:30やっと到着。インターネットで調べた通り、玄界灘が広がる。すご〜い! ただ風がめちゃくちゃ強くて吹き飛ばされそうになる。
 土日はお客さんが多いと聞いて、少し早めに来たせいか席は空いていました。店内からは、パノラマで玄界灘が一望できる。待望の透き通るイカ刺し、生きたウニ、サザエの壺焼き、イカ刺しを食べた後のげその天ぷら。美味しいーーー!! 大満足でお店を出ると、店先は一変して、あふれかえる車に順番待ちの人人人。私たちは、どうやらタイミング良くお店に来たようです。ごちそうさまでした!
 次は唐津へ! 焼きもの好きの私たち、楽しみにしていた窯(かま)巡りは、どこの窯も建物が古い? 和風? 古風? なので、車イスでは入れません。そんな中「あや窯」と出会う。



 ●玄界灘&ムツゴロウ


 入口はここも階段で、「やっぱりここも無理かあ」とあきらめる。でも妙に気になり、夫に見に行ってもらうことに。しばらくして、お店番をされていた女性の方が、いくつか作品を持って降りて来て下さいました。「あや窯」は女性の作家さんで、デザイン、色がかわいいというか女性らしい。唐津らしい絵柄のを1つ購入。
 車を止めていた「ふるさと会館アルピノ」。館内はバリアフリー、お土産物などを販売している。唐津焼の展示、販売もされているので入ってみました。どこからか視線を感じる。こいつだー! 唐津焼の5匹のムツゴロウたち。一目で惚れこんじゃって購入。連れて帰りました。(後編に続く)

広島県:M.K.

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