は が き 通 信 No.55 - Page. 1 . 2 . 3 . 4
POST CARD CORRESPONDENCE 1999. 1. 25

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アンケート“排尿”

情報かわら版 広島頸損NW「きりん」より質問の項目
  1. 仕様(導尿、カテーテルなど)
  2. 薬の服用(有無、種類、量)
  3. その他(緊急時の対処の仕方など)
  4. 痛み、しびれなど

【A氏の回答】
  1. 膀胱ロウ。4週間に1回カテーテル交換
  2. ポラキス1回2mg1日3回。感染の疑いで発熱、尿量減少、混濁尿になり水分量をふやしても駄目なときは、自己判断でクラビットを朝夕飲む。カテーテル交換の時の尿検査で異常があれば飲む(めったに飲まないようにしている)。
  3. 膀胱ロウをつくって1年間、カテーテル(ゴムのバルーン)の先が膀胱壁に当たり血尿、詰まって尿道からのひどい漏れ、反射からくるひどい痙性に悩まされました。血尿、漏れのため何度も病院へ通いましたが「気にし過ぎ」と言われるだけ。おまけに蓐瘡までできました。そんなとき情報をいただき、腎盂カテーテルに変えたらピタリと悩み解消。導尿とかで時間を気にすることなく、自由な時間がふえました。
  4. 痛み、しびれは友達だと思って仲良く付き合っているつもり。

【B氏の回答】
  1. 家では身体を折り曲げて腹圧で排尿。旅行中は自己導尿を使用。
  2. 導尿した時に薬を服用する。
  3. 退院後5〜6回膀胱炎または腎盂炎による発熱があったが、薬の服用だけで短期に治る。

【C氏の回答】
  1. タッピングと圧迫で排尿していたが、残尿が多いので1日に3〜4回の自己導尿に変える。
  2. 薬は菌が見つかったとき服用。
  3. 特になし。
  4. 腹に痛み、しびれがあるが薬は効かない。

【D氏の回答】
  1. 留置カテーテル、月1回交換。
  2. 薬は特に服用しない。
  3. 特になし。
  4. 痛み、しびれはないが、けいれんがすこしある。

【E氏の回答】
  1. 長いあいだタッピングと圧迫で排尿していたが4、5年前から1日6〜7回自己導尿をする。カテーテルの細いのを使用、体調が非常によくなった。
  2. 薬は服用しない。
  3. 特になし。
  4. 少しはあるが、あきらめている。

【F氏の回答】
  1. セルフカテーテルによる間欠導尿です。回数は6回/日。私はC5の全損で手が使えませんので、時間を決めて寮母さんにやってもらっています。
  2. 排尿に関しては特に薬は飲んでいません。
  3. 緊急時というのがどういうものかよく解らないのですが……。失禁ということでしたら、私の場合幸か不幸かまったく漏れません。そのかわり、尿が溜まり過ぎるとハデに発汗します(逆に普段はいくら暑くてもまったく汗をかきません)。ですのであまり失敗というのはありません。「大」のほうはさんざん失敗しておりますが(^^;
  4. 悩みとは違うかと思いますが、なんとか自分で導尿ができないものかといろいろ考えています。

【G氏の回答】
  1. 膀胱ろう
  2. 飲まない
  3. でたとこ勝負
  4. 膀胱ろうは、尿管理はすごく楽だが、お腹の傷口の処置など必要である。また、お腹への緊張が強まる可能

【H氏の回答】
  1. 家族に導尿してもらっています。回数は1日約4回、飲む量に応じて回数がふえます。ほとんど何も飲まないと、6時間くらい尿意がありません。
  2. 去年まで飲んでいましたが、やめています。
  3. 過去に1度、導尿中、カテーテルより出血しました。しばらく止まらなかったのであせりましたが、導尿後押さえていたら止まりました。泌尿器科でみてもらうと、尿路をカテーテルでキズつけたらしく、抗生物質の飲み薬をもらいました。先生によると、ゼリーをカテーテルにつけて挿入する時はひっかかったら少し戻して、無理しないで、ということでした。不注意ですね。あんまり参考になりません。
  4. 集尿器なども使っていましたが、尿意を感じるとペニスが小さくなり尿器が外れてしまいます。いろいろな方法がありますが、私の場合膀胱が一杯になると身体に湿疹みたいな、赤い斑点が出て顔も真っ赤になります。普段まったく出ない「汗」が頭・上半身から吹き出します。これらの症状から脱するため、どうしても導尿してもらっています。本当は人の手を借りないで済む方法に変えたいと思っているのですが……。

【I氏の回答】
  1. 家族導尿。
  2. 尿が濁ったりすると抗生剤を服用します。
  3. 熱が出たときは膀胱・腎臓を疑ってみる必要があると思います。

【J氏の回答】
  1. 排尿は介護者によるタッピング1日6回
  2. 利尿剤ブラダロンBladderon1日1錠
  3. タッピングに膀胱がなれること、排尿括約筋収縮反応が安定することです。自らもその「ポコポコ」叩く的、圧するリズムを視ながら、覚えることです。細菌感染・膀胱炎がない場合、優れた排尿管理です。

【K氏の回答】
  1. 尿道からバルーンを5年ぐらい入れています。3週間に1度往診で交換しています。3年前にバルーンを入れてる時、尿道破裂、大量出血、入院。で、一時膀胱ロウでしたが、すぐに尿道からのバルーンに戻りました。
  2. 週に2回。前夜プルセニード(PSN)3〜4個。
  3. 1日に2,500〜3,000ccは出すようにしている。ベッド上ではバルーンとハルンバッグをつなぐ個所を腹にテープで止めている。外出時は太ももに700ccのバッグ(バード社?のラージ大)。採尿は50cmのゴム管。

【L氏の回答】
私は怪我をして26年になりますが、このあいだまでお腹をたたいてオシッコを出していました。医者に聞くとそれは20年前のやり方ですと言われて導尿をすることになりました。ところが4日で尿路感染を起こして10日間くらい入院をしてしまう羽目になりました。
今ではタッピングと導尿、半々くらいです。薬は今のところ何も飲んでいません。緊急時の対処の仕方は、今、困っていること、悩んでいることです。かかりつけの医者がいまいち頼りなくて、やっぱり病気になったら大きな病院に行かなくては、と思っているところです。

【M氏の回答】
私はC6レベルで、排尿は最初集尿器でよくかぶれて大変でした。しかし、九州に行ってとても簡単で持ち運び自由な自己導尿方法を教わりました。ただ、レベルの関係もあって一概に言えません。
回数は1日6回、多い日もあれば少ない日もあります。いい点は、ムレない、カブれない、感染しにくい。悪い点は、夏水分を多くとれない、尿意がくると我慢がほとんどできない。痛みや痺れはあんまり感じないが気にすると足が痺れる気がする。

【N氏の回答】
「ああー排泄は楽しからずや」オ漏らしが気になる頸損各位と同じく、オシッコの悩みは浜の真砂は尽きるとも……。カテーテル挿入以前は世界の逸品、ガラスの尿瓶での失敗や悩み。短小ゆえの当て方、加減が分からず。無神経なトドちゃん、尿道の圧迫加減がむずかしい。
施設の慣れた介護の人でも、外泊時のボランティアの人でもその当て加減が分からず、無神経のトドちゃん尿道の圧迫加減が感知できないで、失敗の多発。外泊先のオ漏らしは悲惨で、布団の洗濯代もずいぶん払った。アクの強い尿(?)で、かぶれたりも。昨今はカテーテル挿入の身、つまらぬ輩の詰まるカテーテルはクダラン洒落ですが、詰まったときは大変なのだ。たまり過ぎても出口がなければ、悲惨から死ぬ思いまで体験した。
首から上は発汗できても頭に激痛がはしると死の恐怖である。尿の濁りがクダを詰まらせる要因であろうから、水分補給は多めがよろしいかと。頸損者が閉じこもりになるのは、排泄に不安があるからだと断言する。
「きりん」のボランティアの方々はオ漏らしをスマートに処理できる術を学んでほしい。頸損者が地域社会に勇躍できるかどうかかかっています。食うことばかりが優先の社会に敢然として排泄文化に陽を当てられる頸損者よ出よ!
質問の答えは、
  1. 尿がたまり過ぎると赤い湿疹や汗が噴き出るため、導尿をしてもらっている。
  2. C5でも自己導尿できる方法とありましたが、何かよいアドバイスかあれば教えて下さい。人から聞いた話しとか、オリジナル的なこととか何でもOK。

広島県 「きりん」連絡先=MK : hello-mari@enjoy.ne.jp



歩幅はなくても大きな歩でありたいね

「臥す身でもやはり野に咲けすみれ草」


交通事故で「静の世界」へ移り住んで22年余りのあいだ、風邪で気管支がヒューヒュー鳴る時以外は片時も社会復帰を忘れたことがない。いつの日かこの祭りに参画したいと願っている。それは再び「動の世界」へ復帰することにつながる。

俺は頸損者だが病気の患者じゃないのだ。冒頭の拙い句の「臥す」は誤字かもしれない。虎皮狸と思う人がいるかも知れないが、何とかしたい、何とかしなければと思い続けてきた。否、生かさせてもらった。
前置きが長くなったが、施設から出て地域に生活の場を築くには実に煩雑な書類や申請手続きが必要だ。困ったのはアパート入居の保証人2名(親族1名)である。最も理解してくれているはずの妹が賛成してくれず、保証人にならないと言う。身近に頼める人も少なく、頼んだ人も身内が反対なのに……と難色気味。妻の肉親は私の身内が同意なら……と渋々の様子。私たち夫婦は保護の名の下にしっかりと囲われて生活していた。

もう一つ困ったのは一連の手続きで書類に記入する月日である。入居してからでないと申請できない改装手続き、障害者手帳の住所変更をしなければ受けられない医療の助成、年金は所得外だと聞いていたのに課税や納税証明が必要とか。制度と目的も良く理解しないままに多くの人に手続きで煩わせてしまった。日頃から行政の仕組みや社会通念など心得ておかないと知らずして損をすることもあるのだと思い知った。損はまだしも不利な立場に置かれるのは気が重いものだ。

ともかく、改めて施設での結婚生活から地域での家庭生活の営みが始まろうとしている。日頃の隙間風夫婦は二人三脚よろしくとは行きそうにもない。エコライフを目指そうとする私と買い物が便利になると目を輝かす妻との覇権争いは介護ヘルパーさんの意識に左右されそうだ。行政派遣(週3回、計7.5時間)と広島市の介護支援制度(月2人分120時間)をベースに生活のパターンを組むこととなった。生協ひろしまとシルバー人材センターからの派遣で平日の日中(9〜5時)をしのげる。夕食はボランティアの人を要請しての暮らしとなる。課題は土、日、祝日の対応が手薄になる恐れが生じることだ。

妻の存在がかろうじて閉所恐怖症の私をどこまでサポートできるかである。妻の御機嫌を損ねたり三下り半を突き付けられないようにと精一杯のリップサービスが必要な予感がしています。なんだか愛情度の計り合いなのかも知れないが、まずは「漕ぎ行くはニジのたもとか滝壷か」はがき通信の仲間に触発されて熱きフロンティア精神で発進だ〜!
1998年12月12日 引っ越し

広島県 YS


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