No.194 2022/5/25
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 空気に座り空気に寝て空気に載せる 

(60代、男性、受傷後20年、C5/6)

 私は褥瘡を経験したことがない。リハビリ病院で医療関係者の忠告に耳を貸し、車いすにはロホクッション・ハイタイプ、体位交換機能付きベッドにはエアマットレスをセットしたからである。初期投資はそれなりに大きかったが、褥瘡治療に伴う損失を考えれば結果的に良かったと思う。
 ロホクッションは介助用車いす用、電動車いす用、予備と三つあるが、予備は妻が枕として使っている。私には聞こえない重低音の騒音に妻は悩まされているが、頭がロホクッションに沈み込むことで騒音を遮断できるらしい。

 エアマットレスは国内メーカー品でエアセルの厚さ(高さ)が最大のモデルを2代にわたり使っていたが、その2代目も10年のお勤めでへたってきた。その修理を検討する過程で、そもそも体重設定と背上げ対応について機能不足であることが判明した。後継モデルではこの点も改善されているらしい。
 訪問の作業療法士に紹介された業者に依頼してデモ機を試すことにした。一つ目は後継モデル。使い勝手は2代目と変わらず改善点も確認できたが、ポンプ部のモーター音が気になった。ポンプ部を気泡緩衝材(プチプチ)で包んだり隣室に置いて襖で隔てたりしたがモーター音は消えない。1週間のデモを耐えた妻の判定は不合格だった。二つ目は同じメーカーの1ランク下のモデル。モーター音は更にひどくなり二晩待たずして妻により2代目と差し替えられた。
 結局、別メーカーのエアセルと高密度・高反発系の安定支持フォームを組み合わせたハイブリッド構造のモデルで落ち着いた。ポンプはマットレス内蔵式でほとんど無音である。リタイアした2代目は寝返りに伴うベッドの軋み音を気にしていた妻が使っている。別室では問題にならなかったモーター音も自分のベッドサイドでは別らしく、床に置いたロホクッションにポンプ部を載せている。私の介助用車いす用のロホクッションである。
 エアマットレスのデモを通してモーター音の問題を、業者とも医療関係者とも共有できなかった。妻と私に聞こえるモーター音が存在しないかのような世代間格差に薄ら寒さを覚えた。

***


 私は4年前から左小趾球(足の第5指の付け根付近)の魚の目に悩まされている。4年前と言えば電動車いすの座面を数センチメートル下げた時期である。この時フットプレートの高さは変えなかった。しかし退職に伴い電動車いすの使用時間が激減しても魚の目は悪化を続けた。
 訪問の皮膚科医の指摘を受けて、ベッドの背上げ時に足裏に作用するフットボード接地圧をひざ上げにより軽減したが状況は変わらなかった。
 排便とシャワー浴のために毎日2時間も裸足で乗っているシャワーキャリーのフットプレートは最初から疑っていた。具体案を出せず放置していただけである。ある日、浴槽洗浄用の厚めで固めのスポンジが目に入った。フットプレートと足裏の間に挟んでみたが数日で効果を確認できた。目の前の正解にやっと目が向いたのである。

福岡県:DRY

 『臥龍窟日乗』-75-国際紛争は「複眼」で読め 

 人類がコロナウィルスと存続をかけて戦っている最中(さなか)に、なんで人類が殺し合わないかんのじゃ、と誰もが思ったに違いない。大国ロシアが一方的に小国ウクライナをいじめている構図だが、なぜこんな事態になったのか、本当は何が起こっているのか。プーチンの肩を持つ考えはさらさらないが、なぜロシアが暴挙に出たか、検証しておかねばならない。ただし時事ネタは刻々と変化していく。執筆時点が3月半ばであることを記しておきたい。

 太平洋戦争終結から4年経った1949年4月4日、ヨーロッパ西側·資本主義国では、NATO(北大西洋条約機構)を結成した。ソビエト連邦を中心とした東側·共産主義勢力の台頭に対抗するためだ。これに呼応して東側は1955年5月14日、WPO(ワルシャワ条約機構)を組んで相対峙(たいじ)した。現在はユーラシア連合に改組されつつある。
ロシアは東側の胴元だ。ウクライナは一構成員であった。しかも穀倉地帯というきわめて恵まれた立地にある。世界一の国土を有するロシアだが、石油や天然ガスなどの地下資源は豊富でも、北半分のシベリアは凍土で占められ、農業には適さない。また北は北極に連なっているため、冬場の海軍力は制限される。地政学的には、偉大な寒村·ロシアから見ると、黒海に面するウクライナは金城湯池だ。
 平たく言うと、ウクライナはロシアにとって最も信頼できる愛人だった。ロシアはカネを注ぎ込み、特別待遇でもてなした。その愛人が別れ話を持ち出した。しかも相手は宿敵のNATOだ。NATOに愛人を寝取られる。これは許すわけにはいかない。NATOに殴り込みをかけたいところだが、バックにはアメリカという大親分が控えている。下手に手を出すと、逆に潰される惧れがある。そこで元愛人に標的を絞った。
 プーチンは国際世論の袋叩きに遭った。並の神経の男なら自殺に追い込まれたかもしれない。ところが叩き上げのKGB出身者プーチンにとっては屁の河童だ。
 そんなプーチンに、そっと寄り添う影があった。「困った時には声をかけてね」と囁いた。かつての盟友、中国だ。いまや半世紀前の中国ではない。世界の工場と比喩されるほどの輸出大国となり、基軸通貨である米ドルを唸るほど抱えている。
 財政的には潤っていても、軍事面で中国はアメリカに大きく水をあけられている。とくに原子力空母の保有数は圧倒的に敵わない。少燃料で敵陣近くまで戦闘機を運ぶ原子力空母の戦力は圧倒的だ。
 ここで一つの疑問がわく。なぜアメリカ、NATO軍は、ウクライナ救出に乗り出さないのか。武器供与はしても、直接戦闘には加わらない。理由はアメリカ国民の厭戦傾向だろう。
 戦後、アメリカはあらゆる紛争に関わってきた。朝鮮戦争、ヴェトナム戦争、中東戦争、イラク、イラン戦争、アフガニスタン戦争などだ。
 余談になるが、脊髄損傷者の数が世界でも最も多いのがアメリカといわれる。銃弾や砲弾の破片を受け脊髄を損傷する。政府としては彼らを救済する義務がある。アグレッシブ·リハなるものが考案された所以だ。もちろん戦没者も多い。
 アメリカにとってもう一つの懸案は中国だ。対米輸出で稼いだ米ドルをばら撒かれたら、アメリカ経済は打撃を受ける。つまり三者三様に問題を抱えて、三竦(さんすく)みになっているのだ。
 最悪のシナリオは経済封鎖。かつて日本が経済封鎖を受け、真珠湾奇襲に誘導されたように、プーチンを孤立化させることだ。経済封鎖、すなわち兵糧攻め。窮鼠猫を噛む。第三次世界大戦、、、、、、。

千葉県:出口 臥龍

 全員参加企画
『いいモノ見つけた!』 ~42~

【バリカンを掃除機につないで散髪する「フロービー」】

●どんなことに使えるの?
 2020年12月のCNNニュースによれば“俳優のジョージ・クルーニーさんがこのほど、過去25年にわたって散髪は自分でやっていると明らかにした。クルーニーさんは、散髪には「フロービー」という1980年代に登場した、掃除機とバリカンが組み合わさったような機器を利用しているとも語った。
 電動バリカンに装着するアタッチメントは、フット(吸い込み)が平行と斜めで各1個。スペーサーが大、中、小、角度付きで各2個。

●どこで手に入るの?
 Yahoo!ショッピングでフロービー最新型【正規販売代理店 18ヶ月保証】完全セットが25,000円くらいです。掃除機は含まれません。
 私はアメリカから個人輸入(1万円くらい+船便送料)して25年くらい使っていますが、修理も交換もしたことがありません。

紹介者:ガジェット警部

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