はがき通信ホームページへもどる No.164 2017.4.25.
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 介護ヘルパー×安定×不安定 

 週に5日間、午前と午後に介護ヘルパーさんに介護をしてもらっています。2つの事業所で9人のヘルパーさんがそれぞれ担当の時間に来てくれます。おかげで現在は安定した介護環境となっています。ですが、いつ介護ヘルパー不足になるかわかりません。というのも1年ほど前のこと。介護に来てもらっていた事業所から、ヘルパー不足でこれまでの時間に行けなくなる、と言われ、数ヶ月後にはとうとう介護に行くことができなくなる、と言われました。
 代わりのヘルパーさんを探すため、ほかの事業所をあたってみましたが、どこもヘルパー不足で引き受けてもらえませんでした。やむを得ず介護ヘルパーの資格を持った友人に無理を言って事業所にヘルパー登録してもらい、急場をしのぎました。それからはまた介護に来てくれる新しい事業所を探し、3ヶ月ほど前にやっと現在の環境になりました。
 介護ヘルパーさんが不足すると安定した生活が送れず、肉体的にも精神的にも不安定になります。常に安定した環境を作り続けるのはとても難しいことです。
 現在、介護に来てくれているヘルパーさんは私のリズムに合わせて、快適な生活を送れるように介護をしてくれています。中にはもう10年以上も介護に来てくれているヘルパーさんもいます。このヘルパーさんはひとつ頼み事をすればその先の先まで読んで、動いてくれるのでいつも頼りっぱなしになっています。倍の時給をあげてほしいと思うほどです。
 ヘルパーさんたちは皆さん個性豊かで、中にはこれまで出会ったことがない天然ボケの方がいます。真冬の訪問介護の帰りにコートを忘れていき、次の日に「なんで忘れたの? この寒さなのに」と訊くと、「外に出たらなんか寒いとは思ったんだけどね」とごまかしました。寒いと感じた時点で気づこうよ、と私は思いました。
 ほかにもエレベーターの緊急ボタンを眺めていたらつい押してしまったとか、自分で開けた開き戸で頭をぶつけるなど、不思議な行動をします。まだまだいくつかあるのですが、一番強烈だったのは、100円ショップに文房具を買いに行こうとして、「100円ショップってどこの100円ショップが一番安い?」と聞いてきたときです。なぜそう思ったのかは今も謎です。
 個性豊かなヘルパーさんたちの手を借りながら、体調を崩さないように過ごしたいと思います。そして、介護ヘルパー不足にならないように、いろいろと対策を考えねばと思っています。

匿名希望




《全員参加企画いいモノ見つけた!〜26〜》


【マルチフィックス】


 いろいろなフィルム材がありますが、私はマルチフィックス・ロールを常備しています。透湿性、防水性があり、ジュクジュクしていない火傷や創に貼付。
 私は股ズレの水泡に貼り、1週間くらい貼りっぱなしにしても大丈夫なので、そのまま入浴もし、そのうち乾燥してかさぶたになって取れます。ロールなので、水泡などの大きさに合わせてカットできます。
 今は、ストーマケアのパウチの面板の補強テープの代わりにも使用しています。
 メーカー:アルケア
 紹介者:コガメ 



 『臥龍窟日乗』-46-主婦力 


 情報文化の画期的な躍進を支えた事象は、人類の歴史のなかで三度あったのではないかと思う。一つはグーテンベルグの印刷機。手書きの原稿を、一度に大量に伝播(でんぱ)するのに、計り知れない貢献をした。これがなければルネッサンスも宗教改革もありえなかった。
 二つ目は電気の発明と通信機器の開発だ。モールス信号に始まって、電話、無線機などへの応用なくして、今日の利便性は考えられない。情報の共有化だ。
 そしてその利便性を最大限に拡大補完したのが、コンピューターだろう。インターネット上に貼り込まれた情報、画像が、瞬時に世界を駆けめぐる。
 何十日も図書館に通いつめ、ほとんど絶望的になりかけていた情報が、たった一つの検索キーで、グァーンと目前に現れたときの衝撃、喜び、そして徒労感を、多くの人が実感していることと思う。
 コンビューターが全国に普及したのは、1996年ごろではなかったろうか。これによって人々の生活は一変した。誤解を懼(おそ)れずに言えば、普通の人々の知的水準が上がった。コンピューター以前は低かったという意味ではない。
 具体的に言おう。
 わが家にヘルバーさんが十数人入っておられる。40歳から50歳の、子育てを終えたか終えないかという方が多い。ほとんどが高卒で、ごく普通のママさんだ。
 介護を受けているあいだ、黙ってばかりいるわけにもいかず、昨今の出来事なんぞについて、感想を語り合ったりする。そんな日常会話のなかでドキッとするときがある。
 健常のころ、私は世界を駆けずり回る生活をしていて、不可思議な経験も多々してきた。初めて行ったフランスのド田舎で、妙に懐かしい田園の雰囲気に包まれたことがある。奇妙なその体験話をしていたときだ。黙って聞いていたヘルバーさんが、
「それってデジャヴュでしょ」
 とさりげなくつぶやいた。
「えっ、いま何と言った?」
 私は狼狽(ろうばい)した。
「既視感のことですよね」
 ヘルパーさんは顔色一つ変えずに答えた。
「あんたフランス語できるの?」
「いいえーっ。できるわけないじゃないですか」
 そう言って彼女はくったくなく微笑んだ。
「いま携帯電話にパソコンが入っているじゃないですか。昔は解からない単語に出っくわしたら、後で辞書を引いてみようと思ったんですね。でも、いざ辞書を開くと肝腎の言葉を忘れていたりしていて……」
 今度は彼女は、顔を赤らめてケタケタと笑った。
 ちかごろの芸人は学をひけらかすのが持て囃(はや)されたりして、けっこう難しい単語がテレビ番組でも出てきたりするそうだ。解からなくとも携帯で引けば即座に出てくる。
「だからデジャヴュなんて、ほとんど日本語なんです」
 テレビをまったく観ない私のほうが恥じ入ってしまった。
 これはほんの一例に過ぎない。
 かつてこの欄に、主婦の会話は「天候に始まり、洗濯、育児、PTA、スーパーの安売り情報、そしてときどき下ネタ」と書いた。それはそれ、あくまでもママさん同士の話である。
 いまやママさんたちは、政治経済や事件事故に無頓着(むとんちゃく)ではいられなくなった。わがヘルバーさんたちは石原元知事を翻弄する小池さんに拍手したり、国会討論に耳を傾けたりするのだ。
 これが、携帯電話に組み込まれたパソコンの影響でないと言い切れるだろうか。
 向学心に目覚めたママさんたちのパワーを、私は主婦力と呼んでいる。有能なこの主婦力を遊ばせておく手はない。
 扶養者控除や幼児保育施設が問題になっている時期である。行政も経済界も、ママさんたちの再雇用を真剣に考えていただきたい。

千葉県:出口 臥龍



 ☆★ ひとくちインフォメーション ★☆ 


 ◆ホテル 車いすの人にも配慮 客室にバリアフリー指針

 ◇国交省が策定 通路は1メートル以上で転回スペース設置
 ホテルや旅館など宿泊施設のバリアフリー化を推進するため、国土交通省はすべての客室を対象にした設計の指針を策定する。これまで車いす利用を想定していなかった広さの客室でも、バリアフリー対応の目安を示すことになる。
 国交省の設計基準では、客室が50室以上ある宿泊施設は、車いす用客室(バリアフリールーム)を1室以上設ける義務がある。バリアフリールームは、通路の幅や転回するスペースを広くとるため通常の約1、4倍の面積が必要となる。施設側にはバリアフリールームを多く設置すれば全体の部屋数が少なくなり、売り上げが減るとの懸念があった。
 そこで国交省は、バリアフリールームの要件を満たさない一般的な客室でも、車いすの利用者に対応できる指針を示すことにした。車いすで室内を移動できる最低限の目安として、部屋の入り口とユニットバスの入り口は段差をなくし、間口を80センチ以上確保する。通路は1メートル以上とし、転回スペースを設ける。
 ユニットバスには、便器と浴槽の近くにそれぞれ手すりを設置。視覚・聴覚障害者の利用も想定し、部屋の外側の客室番号は浮き彫りにして、テレビは字幕放送に対応した機種を求める。これらの新指針は、4月以降に新築や増築する施設が対象となる見通しだ。



 一方、2020年東京五輪・パラリンピック大会に向け、既存の施設には改修方法を提案。隣り合う2室の間の壁を一部取り壊し、1室につなげてバリアフリールームに改修することとする。1室につなげることで、車いすの移動スペースを十分確保でき、スロープを設けて段差も解消できる。
 従来の設計基準は、バリアフリー化に必要な玄関や廊下の幅、エレベーターの広さなどを定めているが、バリアフリールーム以外の通常の客室に関する規定はなかった。このため、バリアフリールームが満室だった場合、「車いすでは利用しにくい」と訴える声が上がっていた。【内橋寿明】
 (情報提供:平成29年3月25日 毎日新聞)


 ◆車いすの女性、列車にはねられ死亡 ホームから転落か

 24日午後9時45分ごろ、(三重県)津市久居新町の近鉄久居駅で、電動車いすに乗った女性が、駅を通過中の賢島発近鉄名古屋行き上り特急列車(6両編成)にはねられた。ホームから転落したとみられ、女性は搬送先の病院で死亡が確認された。
 三重県警津南署によると、女性が落ちたのは、上り線のホームの中央付近。上下線のホームにいた複数の客が、車いすが進んでホームから落ちるところを見たという。上り線のホームにいた駅員が物音を聞いて落下に気づき、非常通報装置を押して列車の運転士に知らせたが、間に合わなかったという。
 津市消防本部によると、死亡したのは35歳の女性とみられ、搬送時には意識がなかったという。
(情報提供:平成29年3月25日 朝日新聞)


 ◆病院で虐待、受け入れ停止処分 京都、看護師が暴言

 国立病院機構宇多野病院(京都市右京区)の療養介護事業所で、看護師3人が入所者の男女3人に暴言を浴びせるなど虐待行為が計4件あったとして、市は28日、同事業所に対し、障害者総合支援法に基づく改善勧告を出し、新たな入所者の受け入れを同日から3カ月間停止する行政処分を行った。

 ◇市の指導に従わず「悪質」
 同事業所内で昨年8月末に、20代女性看護師が入所者に対し「いじめられたくないんやったら黙ってよ」「患者って立場を忘れんときいや」と暴言を浴びせているのを、市は同9月に音声記録で確認した。同11月にも、40代女性看護師から同じ入所者への暴言を把握し、市が監査に入った。監査では、40代男性看護師がナースコールを約10分間、入所者の手の届かないところに置くなどした虐待2件もあったと認定した。
 市は昨年9月に暴言を確認後、再発防止を指導していた。事業所は、市が虐待と認定した4件について、それぞれ事実関係を認めたが「不適切な対応だが、虐待ではなかった」と市へ報告した。これらの問題が発覚した後も看護師らの配置転換が遅く、職員への虐待防止研修も不足していたため、京都市は悪質と判断し、改善勧告に加え、虐待案件では同市として初めて同法による行政処分を行った。4月27日までの改善報告を求める。
 宇多野病院の杉山博院長は中京区の京都商工会議所内で記者会見し、「看護師の発言などは極めて不適切で、深くおわびする」と謝罪した。看護師への処分は「検討中」とした。音声記録を示されたにもかかわらず、市に対して虐待と認めなかったことについては、「看護師が患者の発言に感情を抑えられなかったという状況があった。不適切だが、暴言とは思わなかった」と釈明した。
 市や宇多野病院によると、現在、同事業所には、重い障害がある難病患者ら44人が入所している。
 (情報提供:平成29年3月28日 京都新聞)


 ◆バス運転手、車いす理由に乗車拒否 県委員会、運行会社へ配慮助言 /成田

 千葉県成田市で昨年12月、千葉交通(同市花崎町)が運行するバスに乗ろうとした男性が、車いす利用者であることを理由に乗車を断られ差別を受けたとして、「千葉県障害のある人の相談に関する調整委員会」に、県条例に基づく助言(あっせん)を申し立てていたことが5日、関係者への取材で分かった。同委は審理の結果、同社の対応が「障害のある人に対する不利益取り扱いに該当する」と判断、同社へ社員教育の実施などの助言を通知した。先月24日付。
 県は2007年、全国に先駆けて「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」を施行。同委は障害をめぐる差別などで申し立てを受けた場合、審理を経て解決への助言等を通知する。
 男性の申し立て書によると、電動車いすを利用する男性は昨年12月11日、成田空港第2ターミナルから同社の路線バスに乗ろうとした際、運転手から「(車いす用の)リフトの操作方法が分からない」と乗車を拒否された。バスはそのまま出発、後続便の運転手も応対しなかった。
 その後、同社の成田営業所員がバス停にいる男性の元を訪れ、車で目的地まで送ると申し出たが、車は車いすの乗車に未対応だったことなどから男性が断った。所員は、バスに搭載されたリフトが利用できない理由として「手動車いす向けで、電動は乗せられない」と説明したという。
 男性は申し立て書で、バスに車いすマークが表示されていることなどから「車いすでも乗車できると思ってしまう。リフトの操作方法も早急に教育すべき」としている。
 同委は通知で、同社の「障害のある人への配慮の認識不足」を指摘。全社員への研修の実施や、リフト操作や接遇のマニュアル整備などを助言した。千葉日報社は5日、千葉交通の親会社を通じて取材を申し入れたが、回答がなかった。
 (情報提供:平成29年4月6日 千葉日報)







【編集後記】

本誌会計監査報告での、ここ10年の購読者数の推移を見てみると、購読中止の申し出でや未納者の発送停止など、なかにはいつもネット版を見ていて誌面版は必要ないとのことで購読中止された方もおられて、毎年少しずつ約150名減少しています。このまま毎年減少していくことは避けられないのかと気がかりでしたが、10年間ではじめてわずかに増加して少し安堵しました。
 それから本誌ネット版を閲覧されている方々におかれましては、四肢マヒ者の情報交換のためにどうかご自身の経験をご投稿いただいて、「はがき通信」を支えていただければ幸いです。
 次号の編集担当は、瀬出井弘美さんです。

編集担当:藤田 忠




………………《編集担当》………………

◇ 瀬出井 弘美 神奈川県 E-mail:
◇ 藤田 忠   福岡県  E-mail:
◇ 戸羽 吉則  北海道  E-mail:
  

………………《広報担当》………………

◇ 土田 浩敬  兵庫県  E-mail:

メールアドレスが適切に表示されない場合は、こちらへ

(2017年2月時点での連絡先です)

発行:九州障害者定期刊行物協会
〒810-0001 福岡市中央区天神1-16-1毎日福岡会館7F
電話:092-753-9722 FAX:092-753-9723
E-mail:qsk@plum.ocn.ne.jp

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