はがき通信ホームページへもどる No.151 2015.2.25.
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<特集!移乗(トランスファー)をどうしていますか?<自宅編>Ⅱ>

139号に引き続き「移乗(トランスファー)をどうしていますか?<自宅編>」の第2弾です。
私たち四肢マヒ者にとって、車イス〜ベッド間の移乗は生活を営む上で不可欠な日常動作です。
自宅での移乗方法や工夫、介助者へ移乗方法を伝えるコツ、気を付けていること、失敗談等々、移乗にまつわるご投稿を紹介させていただきます。

№139




【自力】
 特集 “直角”トランスファー 

C8レベル

 神奈リハでは、私のようなベッド〜車いす間の移乗の仕方を“直角”トランスファーと呼んでいた。
 私にとってこの日常動作ができるかできないかがエライ差につながるので、私の体力維持のバロメーターになっている。私は、足を開脚させて前屈しても胸がマットに付くほど身体が柔らかい。頸損は腹筋が利かないので皆そういうものだと思っていたが、違うようだ。私は、この身体の柔らかさを利用して靴下やズボンを履いたり、自分で身体を洗うという動作も可能にしている。
 今は、トランスファーがしやすいように、スカートの裏地に使用するようなツルツルと滑る素材の生地をトランスする位置のベッドマット部分に輪に通して使用している。

(1)まずは、右足から膝下を手首の背屈の力を利用して持って上げる。



(2)その要領で両足をベッドに上げる。
(3) 車いすをベッドにピッタリ付くように移動させる。(室内用の車いすは便座も含めてそのような仕様に作製)



(4) 左手はクッション、右手はベッドマットに置いてプッシュアップをしながら押し、前屈してベッド上へ。


 

編集担当:瀬出井 弘美


【介助者による】
 特集 C5レベル・介助者1人 


(1) ベッドと車椅子を平行につけ、座位の位置を斜め前にずらす。(移乗の際にカテーテルを踏まないように注意)





(2)片手で座位を支え、片手でズボンをしっかりと持つ。





(3) 介助者はベッドに上がり、身体をベッドへスライド。







(4) 少しでもお尻がベッドに乗っていれば、腰をしっかり持って寝かす体勢に。







 支援費制度が始まる前は、家族がいゆわる“お姫様抱っこ”をして移乗していた。現在も、リフターなどは使用していない。
 全体的に大事なことは、トランスファーの際に介助者に力をできるだけ使わせないということと、回数をこなすということ。
 それぞれの介助者の受け取り方で違ってきて、以前の「力技」から「コツ重視」へ変わった。
 今はほぼ指示は出しておらず、新しい介助者が慣れるまで同行してできるようにしている。
 気をつけている点は、介助者にしっかりと寄りかかること。車椅子の座面とベッドとの隙間をなくすように車椅子をつけること。
 車椅子とベッドの間に落ちかけたことがあるが、きちんと介助者に寄りかかれないとそうなる。
 ただ、このやり方はジーパンなどしっかりと持てる硬い素材の生地でなく、伸縮性のあるズボンだと難点がある。

神奈川県:N.I.



 頸損と介助犬(その1) 


 頸損と言っても私は不全損傷のために、ずいぶんと身体の動きに自由があります。室内では手動車イスで、屋外は簡易型電動車イスで活動しています。最初に受傷する前に盲導犬の育成に関連した仕事を志していたこともあり、2002年に《身体障害者補助犬法》が施行された頃から、介助犬に関しても関心を持っていました。そして、私を取り巻く環境が変化していく中で「介助犬」を迎えるという計画が、ちょうど1年くらい前の2014年冬頃から具体的に進められてきたのです。しかし、頸損が「犬の飼育?」って疑問は大きいですね。私自身もエサやトイレをどうすればスムーズにできるのかと脳内シミュレーションを繰り返してみました。
 そこで浮かび上がってきたことは犬を飼育する「メリットとデメリット」を計ると、頸損の私が介助犬を飼育する意味って? どうなのかなと単純な疑問に戻ってしまうのです。介助者の介入部分の一部を介助犬に……という発想なのでしょうが、当然人間のように「そんなにたくさんのことを何でもできるハズもない」ですから、正直なところ何の自信も根拠も持てないまま、経験値として「犬の訓練士とトリマーの資格を持っていた」という妙な安心感だけで自分を納得させて話しを具体的に進め始めていくこととなりました。
 多数ある介助犬の訓練施設の中から、お世話になる介助犬協会を探す訳ですが、これも分からないことだらけです。実際に見学に行くことが困難でしたので、ホームページと風評を頼りに数か所に絞り込み候補を上げたうえで、補助犬の普及のための関係者と知り合いの友人(頸損ではない)へ、自分が候補に上げた介助犬協会がどのような印象なのかを伺いに行き、ある介助犬協会を決定するに至りました。
(以下、続く。)

東京都:K.S.

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