はがき通信ホームページへもどる No.140 2013.4.25.
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 特集 上空で高圧タイヤがパンクする危険も 


(1)ありがたい気配りなどは?
 チェックインや機内までの案内、席への移乗など常に数名の職員さんがついて至れり尽くせりでした。飛行時も常に体調を気遣っていただきました。

(2) 航空会社と事前連絡で留意点は?
 移乗等はできるので事前連絡は特にありませんでした。

(3) 困ったことは? 次回の対応策は?
 次回利用での対応策を考えていますか?
 靴の中の検査やバルンカテーテルのホースの説明など普段あまり必要ない説明が必要で、私が言ったときだけでしょうけど、那覇空港でどうして車イスになったか。など関係ないことまで聞かれ同行した車イスマラソンの選手も激怒するという場面がありました。

(4) 移乗方法を伝えるコツは?
 これは私の場合は介助者もいるので大丈夫ですとお伝えしてOKでした。

(5) 車イスのトラブルは? 次の対応策は?
 普通の常用車イスの方は、よほど大きな方でない限り機内まで自分の車イスで入ることは可能です。このさいに車イスから車イスへ移乗するほうが危険だということをわかりやすく言うことが重要だと思います。
 スーパーJなどの大きいシートを予約するのも有効な手段だと思います。

(7) 飛行機か新幹線かの選択基準は?
 移乗などの面倒を考えると新幹線になります。飛行機はよほどの遠隔地か離島以外はなるべく利用したくないです。まあ怖いだけということもありますが……。

 以前はコンプレッサー(空気入れ)なども持って行けてたのですが、厳しい空港では充電用バッテリーが入っているのでダメと言われます。基本的に車イスのタイヤの空気圧が最近のタイヤは高圧のものが多く、飛行機だと荷物室でパンクしてしまう危険性があるので空気を少し抜いて車イスを預けますので、目的地で入れられるように考えて先にコンプレッサーを送っておくなどの対応が必要です。気圧って怖いですから。あまり高圧でないタイヤは神経質になることはありません。大切な車イスなのでしっかり言っておかないと空港に着いたら『なんじゃこりゃ』になっている場合もあるらしいのでご注意を。
 私の車イスマラソン用のレーサー(競技用専用車イス)も運ぶわけですが、その時には破損のことも考えて練習用の古いホイールをはかせて、本番用のホイールは別の荷物という形にして預けます。そうしないと破損時に対応ができなくなります。特殊な形なので競技用の車イスは神経質に扱ってください。レーサーの運搬は無料ですのでご安心くださいね。
 最近はトイレも機内用車イス(アイルチェア)で入れますし安心して利用できます。
 良い空の旅を^^ 私は怖いからダメだけど(笑)。
 

広島県:K.T.


 特集 ドキュメント ANAとの交信 

C5損傷26年、64歳

 昨秋博多からの帰途、羽田空港で愛車にトラブルがあった。わたしひとりの問題でなく、電動車イス使用者なら誰にでも、また航空会社ならどこでも起こしうるトラブルなので、利用したANAに解決策の提示を求めるメールを発信した。以下はそのやりとりのほぼ全文。

 ◇藤川からANAへ
ANA御中
 電動車イスを使用する重度身体障害者です。手荷物検査が済んだところで車イスを預け、空港内移動用の車イスに乗り換え、さらに飛行機にたどり着いた段階で機内用の車イスに乗り換え、数人がかりで座席に移していただくのは、そうとうな労力とお察しいたします。そのうえ80キロもある車イスを無料で預かってもらったり、付添人の分まで運賃を割引していただいて、いつもありがたく思っています。
 ただ着陸空港で車イスが無事かどうかいつも不安になります。特に車イスを預ける段階で、バッテリーをいじられるのは困ります。乾式バッテリーだと申しあげても取り出されたり、取り出さないまでもバッテリー容器の中で線を外されてしまいます。搭乗空港では外すところを見られますが、着陸空港で接続するところは確認できません。
 昨2012年10月8日(月)、心配が現実になってしまいました。博多から羽田に着き、ようやく自分の電動車イスに乗り換え、ほっとして運転しようとしたら、まったく動きません。バッテリーの配線が外れているなとピンときました。
 さいわい羽田まで福祉車両(リフトカー)を呼んであったので、職員のかたが車まで車イスを押してくださり、無事帰宅、翌日家内が配線をつなぎ、もとどおりになりました。
 さて、このようなトラブルを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。御社から具体策を出していただきたくメールしました。「よりいっそう配慮します」といった精神論ではなく、あくまでも、ここをこうするという具体策をお願いいたします。お忙しいところ恐縮ですが、全国の電動車イス使用者がお答えをお待ちしておりますのでよろしくお願いいたします。

 ◇ANAからの返信
藤川 景 様
 平素より弊社便をご利用いただき、誠にありがとうございます。この度は、昨年10月8日弊社258便をご利用いただきました際、電動車イスのバッテリーが外れていたとお伺いし、ご迷惑ならびにご不快の念をおかけしましたこと、謹んでお詫び申し上げます。本件につきまして、担当部署と確認のうえ改めてご連絡をさせていただきますので、お時間を頂戴致しますこと、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
 ANA WING MAILご意見・ご要望デスク
 担当 S水(以下プライバシー保護のため匿名化、藤川)
 TEL 0120−029−787 (以下携帯メルアド削除、藤川)

 ◇ANAからの返信
藤川 景 様
 この度は、ご返信までにお時間を要し、大変恐縮に存じます。
 早速ではございますが、担当部署に確認致しましたところ、電動車イスのバッテリーにつきましては、航空機に搭載する際、誤作動防止などの観点から絶縁処理を行った上でお預かりしておりますが、お客様の大切な車イスを傷つけることがないように取扱については細心の注意を払うよう指導しております。
 また、バッテリーの絶縁処理ならびにお預かりの手順は、車イスやバッテリーの種類により異なりますため、弊社係員には電動車イスの基本的なお預かり手順は教育しておりますものの、全ての車イスの取扱方法を把握することは困難でございますため、お預かりする際はお客様と十分確認を取りながら対応するよう係員に指導しております。
 しかしながら、今般は到着時において、お客様に確認を行うことなく係員が対応を行ったと伺い、弊社の指導不足を反省する次第でございます。
 本件については、あらためて羽田空港旅客担当責任者へ申し伝え、車イスの取扱の際には、お客様に対応手順を十分に確認しながら、適切な対応をいたすよう努めて参る所存でございますので、何卒ご容赦の程お願い申し上げます。
 弊社といたしましては、お客様皆様に快適で安心できる空の旅をご提供できますよう、今後も従業員一同努力して参りますので、変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
担当 S水

 ◇藤川からANAへ返信
S水様
 ていねいなご返事ありがとうございました。
 電動車イスのバッテリーは座席の下にあるので、外から見えないのがチェック漏れの原因ではないかと思います。
 こうしてはどうでしょうか。バッテリーの接続を外したときに、数センチ幅のリボンをバッテリーの箱から外に出しておくのです。念のためにリボンの先に小さな鈴をつけておけば、視覚と聴覚両面からチェックできる。
 リボンが車イスのそとに垂れていては危険だというのであれば、長くして座席にテープで貼り付ける。これでチェック漏れは防げると思うのですが、いかがでしょうか。
 藤川 景

 ◇ANAからの返信
藤川 景 様
 藤川様におかれましては、お忙しい中、ご返信を頂戴し、誠にありがとうございます。
 再発防止策として、誤作動防止のための対策は引き続き検討して参りますが、今般ご連絡いただきました「鈴付リボン」などの何らかしらの目印につきましては、安全の面からも技術的に詳しい電動車いす安全普及協会と連携して対応策を検討して参りたく存じますので、今後ともご愛顧賜りますよう、お願い申し上げます。
 末筆ではございますが、ご丁重にメールをお寄せいただきましたこと改めまして御礼申し上げますとともに、藤川様の次のご搭乗を心よりお待ち致しております。
 担当 S水

 これに対しわたしは、電動車いす安全普及協会との検討結果を知らせてくれるよう依頼して、メールの交信をいちおう終了した。

東京都:藤川 景


「はがき通信」collection(6)


  「はがき通信」に過去に掲載された投稿でもう一度読みたいものを再録するコーナーです。特集に関連することを掲載させていただきました。




 初めての沖縄旅行ブッチギレトラブル
  〈107号・2007年9月発行〉
 


 「I様、このままでは飛行機に乗れません!」と、突然JALから言われて大パニック! これは、沖縄へ出発する羽田空港での出来事である。
 今年(2007年)の7月下旬、3泊4日で義母の故郷である沖縄へ行って来た。家族と義姉の4人で、旅行するのは初めて。私だけが、初沖縄。出発の半年前から、インターネットで沖縄情報を集め、旅行会社に航空会社とホテル等を依頼した。早速、旅行会社から、JALの「May I Help You?」というお客様への質問表が添付ファイルで届いた。それには、障がいの内容や電動車イスのバッテリーの種類などが尋ねてあって記入して送り返した。過去、飛行機に乗ったら電動車イスを壊されたこともあったので、個人的に「プライオリティ・ゲストサポート」にも電話して、電動車イスの取り扱いや機内用のリクライニング式車イスの使用、座席の指定も頼んでおいた。細かいことまで確認しておかなくては、出発前にトラブルがあっては大変。だから、いつも旅行の時は、エレベーターの大きさまで確認するほど慎重にする。
 準備万全で、当日2時間前に羽田空港へ行き、搭乗手続きを済ませた。そして、手荷物を検査し、出発ゲートへ。ここで、電動車イスからリクライニング式車イスに乗り換えた。あとは、機内へ移動する手はずだったのだが……。その時、JALスタッフから電動車イスのバッテリーの切り方を聞かれ、いつも通り電源を教えた。しかし、電源を切るだけではダメだと言われ、理由を聞くと「また、電源が入るおそれがありますから」と言う。「では、電源が入らないように切り替えスイッチをテープで固定すれば大丈夫でしょう」と言っても、「バッテリーのコネクターは、どこですか」と尋ねられ、「これは、ドライバッテリーなので、今まで電源を切るだけで大丈夫でした」と説明した。それでも、バッテリーを絶縁するためバッテリーを外して欲しいと言う。そんなことを初めて聞いたのでパニくった。コネクターやバッテリーの外し方も分からない。
 そんな時、「このバッテリーは、ドライバッテリーではございません」と言い出したのである。怒りを抑えて、私が説明するより、電動車イスの業者から説明してもらうと電話をした。暫く、JALと話し合っていたようだが、業者の人が怒って電話を切ったと言う。普段、温厚な人なのに……。コネクターやバッテリーの外し方も分からず時間が過ぎて行く。そんな押し問答をしているうちに、11:45発沖縄行きの飛行機がターミナルから離れて行くのを見ながら大爆発。「飛行機に乗れないのなら乗れないと言って下さいよ!」と怒鳴った。「責任者を呼んできて下さい。」と告げると、すぐに責任者が来て、マニュアルを見ながら「ジェルの密閉型バッテリーは、ドライバッテリーじゃないので、バッテリーを外して欲しい」と言う。それを聞いて、「このバッテリーは、国際的にはドライバッテリーの部類のはずですが……。インバケアの電動車イスは、知っていますか?」と尋ねると「初めてです」と答えた。「インバケアの電動車イスを知らないで、ドライバッテリーじゃないと言えるんですか」と聞くとマニュアルを見ながら「ドライではありません」と言い切った。
 それほど言われたら、バッテリーを外すしかなく、もう一度、業者に電話をして経緯を説明し、バッテリーの外し方を聞いていると、12:45発の沖縄行きも飛び去って行った。マリちゃんとJALの技術の方で、何とかバッテリーを外すことが確認できると、次の沖縄行きの便が15:45だと説明された。その間、搭乗口前で見世物状態であった。出発から4時間も待たされ、家族皆グッタリ。



 責任者に「コネクターやバッテリーを外すのなら、何故、事前に言ってくれないのか。事前に質問表を書いて提出しているし、プライオリティ・ゲストサポートでも何も言われなかった」と説明した。その答えは、返ってこなかった。アメリカのインバケアにバッテリーの件を確認して、報告書を提出するように要望した。
 一番腹が立ったのは、JALが私ではなく、妻にバッテリーを外すように言い寄っていたことである。私に説明するように怒鳴っておいた。
 到着の那覇空港は、羽田から電動車イスとバッテリーの取り扱いの写真が送られてきていたので、スムーズに済んだ。
 旅行後、質問表を確認したところ、「(ご注意)の中には、希硫酸(腐食性液体)を使用したバッテリーの場合、危険品としての取り扱いが必要となり、バッテリーを車イスから外していただくことがあります。」と書いてあったが、ジェルバッテリーについては記載がなかった。
 今回の問題は、どこにあるかというと、(1) 事前にバッテリーを外さなくてはいけなかったことを知らなかった。(2 )今まで飛行機に数回乗ったが、バッテリーを外すことまではしなくても良かったことにある。とにかく、事前確認の時に分かっていれば、どこのコネクターを抜けばいいのかとかバッテリーの外し方を調べておけたのだ。大きなアクシデントでも、何とか沖縄に行かれたので良かったが、こんなに腹が立ったことも久しぶりだった。
 JALは、時間の変更を簡単に考えているが、何ヶ月も前からリフトタクシーの予約をし、那覇空港に待たせているリフトタクシーのことも分かって欲しいものである。リフトタクシーの運転手さんがいい人だったので、4時間遅れでも待っていてくれたことを……。
 JALから1ヶ月後に回答がきた。『日本航空では、「ドライバッテリー」を電解液の補充が不要で、軽量・小型、車イスからワンタッチで取り外しができるような蓄電型乾電池(ニッカド電池、ニッケル水素、鉛電池)と規定しております。(例:ヤマハJW-Ⅰ、JW-Ⅱ、アイシン精機TAOLIGHT等)これらのドライバッテリーでは、1回の充電で15km程度しか走行できません。それ以外の電解液を必要としない湿式電池(ジェルタイプ等)を「ウエットバッテリー防漏型」と規定しており、現在、長距離の利用に対応できる電動車イスのバッテリーのほとんどがこのタイプに分類されます。そして、自動車に使用されているような電解液の補充が必要なバッテリーを「ウエットバッテリー非防漏型」と規定しております。』
 私が利用しているジェルタイプの密閉式は、「ウエットバッテリー防漏型」に分類されるそうです。輸送中の取り扱いは、「ドライバッテリー」や「ウエットバッテリー防漏型」にかかわらず、ショートしないように、車イスとバッテリーを繋ぐコネクター(接続線)を外すという。インバケアの電動車イスに乗っている方は、ご注意を……。

横浜市:M.I.

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