はがき通信ホームページへもどる No.136 2012.8.25.
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 全員参加企画【いいモノ見つけた!】〜7〜

商品名:クールウォーターパッド


 
商品紹介:水道水を注水して背中の下に敷く冷却パッド。エアマットの除圧効果に影響するといけないので肩から腰までのミニサイズ(横95cm×縦30cm)を、「冷却効果一番」とのネットショップの宣伝文句に誘われて購入(ジェルタイプは長時間使用するとジェル自体に熱が蓄積するそうです)。効き目はビニール袋に水を入れて、冷覚が分かる肩に当てるとひんやり感じるそのままで、身体に触れていない部分の水が循環するため一晩中背中に熱が籠もりません。水を入れると重さ3kg。ほかに縦43cm,縦83cmのサイズもアリ。
値段:6,980円ぐらい。
会社名:広曽織物株式会社
「クールウォーターパッド」 



 『臥龍窟日乗』−譲合い橋− 


 黄門様がてくてく歩いた旧水戸街道と、国道6号線(水戸街道)は、所どころで交わったり重なったりする。旧水戸と国道の間を、常磐線が突っ切る辺りに、我が家はある。
 30年も前に引越ししてきた頃には、畑や田んぼばかりで、旧水戸から国道へ出るにも、不便は感じなかった。ふたつの街道を往来するには、常磐線を横切るが、奇妙な橋があった。
 アーチ状の100メートルほどの橋は、1車線しかない。東詰と西詰から、同時にクルマが進入してくると、橋の上で立ち往生する。それを避けるため、ちょうど真ん中辺りに、『待機帯』とでも言うのか、2車線になった部分がある。対向車が上がってくると、ここで待機して入れ替わるのだ。
 田んぼや畑ばかりの頃は、それで良かった。急速に宅地開発が進み、辺りは家だらけになった。クルマの往来は増え、『暗黙の了解』を知らない人が増えた。
 一度大騒動になったことがある。鉄骨の簡易建設である橋が、クルマでびっしりとなり、ちょっとした風でギーギーと鳴いた。下は常磐線だ。橋が落ちれば大惨事となる。パトカーが10数台も出動した。名前のなかった橋を、人々が『譲合い橋』と呼ぶようになったのは、その頃からのことだ。
 年に1度か2度、この橋を渡るたび、『ある出来事』を思い出す。
 平成4、5年頃、あの広い中国大陸を縦横無尽に走り回った。日本の高度経済成長を凌(しの)ぐと言われた発展初期の中国だ。レンガを目一杯積んだリヤカーが、道路の真ん中を堂々と牛歩し、砂や砂利を満載したトラックが土煙を上げる。合間を縫って、荷台にレンガを積んだ自転車が行き交う。
 舗装してあるのは幹線道路だけだ。一歩脇道に入ると、クルマが1台通れるだけの泥道だった。
 上海郊外、黄浦江の支流に橋が架かっていた。辺りは工場街。人気(ひとけ)もない。私たちがチャーターしたタクシーの前を、空のダンプカーが走っている。橋の向こうから乗合いバスが向かってきた。橋は1車線しかない。当然どちらかが止まるものと思ったが、その気配はない。
 両者、橋に乗り上げ、急ブレーキで停車した。バス運転手がこちらを睨(にら)んでいる。日本だと、どちらかが降りていって、殴り合いの喧嘩(けんか)でも始まるところだが、中国では先に手を出すと不利になる。がっぷり四つに組んだまま、一歩も引かない。
 後続車がぞくぞくとやってくる。始めは点だった渋滞が、あっと言う間に半径100メートルくらいになった。1車線しかないから、渋滞は握り飯みたいにますます強固になっていく。そして雪だるま式に膨張する。
 『譲らない渋滞』は、深センでも、広州でも、南京でも、天津でも、中国のあらゆる処で出くわした。住民も慣れっこで、クルマから降り路傍(ろぼう)に座り込む人もいる。
 若い男が橋の上に来て、血相を変え、喚(わめ)きだした。同行の中国人に訊くと、出産間近い妊婦がいるらしい。私も降りてみる。4、5台後ろのクルマの助手席で、若い女性が苦しんでいる。陣痛が始まり病院に駆けつける途中だ。
 バスの乗客が全員降り、女性を抱いてバスに移した。近くの工場から毛布や古新聞、お湯を入れたバケツなどが運び込まれる。遥かかなたで救急車のサイレンが聞こえる。数キロはありそうだ。4〜50代の女性たちがバスに乗り込み、窓をシーツで目貼りした。サイレンは鳴りっぱなしだが、近づく気配は全くない。
 小一時間も経って、救急隊員たちが駆けつけたが、なす術もない。バスの周囲を、押し黙った群集が取り囲み、中から聞こえる女性たちの掛け声に聞き入る。
 2時間も経ったろうか。「ふにゃ、ふにゃ」と頼りない声が聞こえた。暫らくして「ふんぎゃあ」という力強い声に変わった。群衆の間から拍手が湧き起った。皆、笑顔の目に、涙がいっぱいに溜まっている。
 『譲らない橋』からひとつの生命が誕生した。いや、譲らない人々の善意が輪を結んで、生命を誕生させたと言うべきかもしれない。

千葉県:臥龍


 ひとくちインフォメーション 

◆ ご協力を

NPO法人「日本せきずい基金」
 基金残高(2012年3月末現在)36,307,860円
 [お問い合わせ先] 
 日本せきずい基金事務局
 〒183-0034 東京都府中市住吉町4-17-16
 TEL: 042-366-5153 FAX: 042-314-2753
 E-mail: jscf@jscf.org URL: http://www.jscf.org/
「日本せきずい基金」 



◆郵便等による不在者投票ができます
  −「代理記載制度」もアリ−

 身体に重度の障害がある人(障害者手帳を持ち、両下肢・体幹・移動機能の1級・2級)及び介護保険の要介護5の人には、「郵便等による不在者投票」の制度があります。
 また「代理記載制度」により、「郵便等による不在者投票」の対象者で、さらに自書できない人(上肢1級)が、代理人によって投票に関する記載をしてもらうことが、(平成16年から)できるようになっています。

 ◇郵便等による不在者投票の方法
 (1)「郵便等投票証明書」の交付申請
 選挙管理委員会へ身体障害者手帳か介護保険被保険者証と自分で署名した「郵便等投票証明書申請書」を提出。申し込みは郵送でも代理人でも可。提出書類が確認され「郵便等投票証明書」が交付されます。なお、「郵便等投票証明書」は、投票の際に必ず必要となります。
 (2)投票手続
 「郵便等投票証明書」と自分で署名した投票用紙請求書を、選挙管理委員会へ提出。提出は代理人でも郵送でも可。
 投票用紙等は、選挙管理委員会から本人へ郵送されます。
 投票は自宅で投票用紙に記載し、所定の封筒に入れて封印したあと署名したものを、選挙管理委員会が用意した返信用封筒で郵送します。投票用紙は、郵送以外で送ることはできません。

 ◇代理記載制度
 (1)手続き
 ⅰ.代理記載の方法による投票を行うことの申請
 身体障害者手帳か介護保険被保険者証と「郵便等投票証明書申請書(選挙人本人の署名不要)」を選挙管理委員会へ提出。「代理記載の方法による投票を行うことができる者である旨」を郵便等投票証明書に選挙管理委員会が記入し、選挙人へ郵送されます。
 ⅱ.代理記載人となるべき者の届出
 代理記載人となるべき者による同意書及び宣誓書(代理記載人となる者が署名)、郵便等投票証明書、届出書(選挙人の署名不要・代理記載人の署名必要)を選挙管理委員会へ提出。選挙管理委員会が郵便等投票証明書に代理記載人となるべき者の氏名を記入し、選挙人へ郵送されます。
 (2)投票手続
 「郵便等投票証明書」と代理記載人が署名した投票用紙請求書を、選挙管理委員会へ提出。提出は代理の人でも郵送でも可。
 投票用紙等は、選挙管理委員会から本人へ郵送されます。
 投票は自宅で投票用紙に代理記載人が記載し、所定の封筒に入れて封印したあと、選挙人の氏名及び代理記載人の氏名を署名したものを、選挙管理委員会が用意した返信用封筒で郵送。投票用紙は、郵送以外で送ることはできません。
 ※投票用紙請求書の提出期限は、選挙期日4日前の水曜日までとなります(投票用紙請求書は選挙管理委員会にあります)。
 [問い合わせ先]最寄りの市区町村の選挙管理委員会まで








【編集後記】




4ページでもお知らせしていますが、次号・137号の原稿の締め切りは、10月に開催予定の福岡懇親会の関係で、9月17日(月)までとさせていただきます。
 次に今までWebサイトのアドレスをwww.○○○と記載してきましたが、サイトを探すときはグーグルやヤフーなどの検索サイトからキーワードで探すのが一般的だと判断して、基本的にサイトや商品などが検索サイトで上位に検索されるような「キーワード」と記載させていただこうと思います。
 市の情報配信サービスにメールアドレスを登録すると、認知症のお年寄りが行方不明のときに「行方不明者情報提供のお願い」として、特徴と見かけたときの連絡先が記載されたメールが届きます。あるお年寄りが行方不明から2週間後に「発見されました」とメールが届きました。だけど認知症のお年寄りが2週間もどうされていたのか? 気になったので後日、社会福祉協議会の職員に聞くと、その方は亡くなられて発見されたそうです。生きて発見されたときは「無事に発見されました」と表記されるそうで、見つかってよかったと知らないままでいた方がよかったのか、知った方がよかったのか。
 次号の編集担当は、瀬出井弘美さんです。



編集担当:藤田 忠







………………《編集担当》………………
◇ 藤田 忠  福岡県 E-mail:fujitata@aioros.ocn.ne.jp
◇ 瀬出井弘美  神奈川県 E-mail:h-sedei@js7.so-net.ne.jp

………………《広報担当》………………
◇ 麸澤 孝 東京都 E-mail:fzw@nifty.com

………………《編集顧問》………………
◇ 向坊弘道  (永久名誉顧問)

(2012年4月時点での連絡先です)

発行:九州障害者定期刊行物協会
〒812-0054 福岡市東区馬出2丁目2-18
TEL:092-292-4311 fax:092-292-4312
E-mail: qsk@plum.ocn.ne.jp

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