特集 事実上初めての懇親会参加
今年の横浜での「はがき通信」懇親会に参加させていただきました。幹事の皆さんお世話様でした。昨年の沖縄も参加したのですが、無事帰ってくることに力を使い切ってしまい、皆さんとゆっくりお話しする余裕さえありませんでした(「はがき通信」123号「はがき通信懇親会in沖縄に参加」by新潟県TH参照)。
昨年からの改善点は、人工呼吸器を小型にして、車イスの後ろに括りつけることができるようになって、移動時もギャッチアップ時も呼吸できるようになったことです。疲労が激減。また、ギャッチアップして皆さんと顔を合わせられるということは、状況が全然違いました。昨年お会いしていたのに、私の方では覚える余裕もなかった方々から順次声をかけていただき、「去年よりずっと元気」と喜んでいただいたことは、私がまさに目指していた昨年のリベンジ(?)でした。
1日目の自己紹介〜講演会〜レセプションから全部に参加させていただきました。なお、人工呼吸器を小型にすることは、高価なものですから簡単にはいきま
せんが、今年7月の施設からの地域移行で異なる市に引っ越して、かかりつけの病院が変わったことで実現しました。
2日目は、介護タクシーを貸切して知人の案内でベタな横浜観光をしました。ランドマークタワー〜三菱みなとみらい技術館〜赤レンガ倉庫〜(港の見える丘公園〜横浜外国人墓地〜山下公園)〜横浜美術館〜地下鉄で帰宿。( )内は、時間短縮と雨の心配もあって、車から降りずに付き添いの人に写真だけ取ってもらいました。受傷前は横浜に住んでいたのですが、地下鉄ができていたり、みなとみらい駅近辺は目を見張る変貌ぶりでした。
●赤レンガ倉庫から観覧車方向を望む
人工呼吸器の充電が6時間だったので早めに帰宿し、充電してから夕食に出かけたのですが、ホテル近辺の地下街には車イスで入れそうな所がなく、地上に出て鶴屋橋を越えても探し得ず、お弁当でも買ってホテルで食べようかとショゲテ帰る道すがら、バッタリ、Fさんにお会いし、場所はガード下の居酒屋とて、Fさんが店長にかけあってくれて、店の前のオープンスペースで地酒と海の物を味わうことができました。そう2日目の夕食にありつけたのは、Fさんのおかげです。夕食後もお部屋にお邪魔して、親しくお話しさせていただいたことも、横浜懇親会のうれしい思い出になりました。
3日目は、皆さんと行動を共にさせていただきました。車イスでの地理不案内の私は、御上りさん状態で、金魚の糞(ふん)の如く皆さんの後を追っかけました。しかし、それとて、今年はついて行ける喜び。皆さん本当にありがとうございました。
(2011年11月15日記)
新潟県:T.H.
特集 いざ鎌倉!
「はがき通信」懇親会横浜大会2日目の観光は鎌倉に行きました。横浜からJRで30分の道のりで、鶴岡八幡宮は鎌倉駅から徒歩15分ほどで着きます。
「おおー! これが倒れてますます有名になった大銀杏かぁ!」
途中で切られた大きな幹だけでも立派で歴史を感じます。そこから産毛のように延びる“ひこばえ”には強い生命力があふれているようです(大銀杏横の階段を上らないと本宮へは行けません)。
昼食を食べて商店街をぶらぶら歩いている時、「いざ鎌倉!」一大事が起きました。おそらく本人から報告があると思うので、ここでは触れずにおきましょう。
次の目的地はやはり鎌倉大仏です。江ノ島電鉄の長谷駅で下車後、徒歩で20分ほどです。ここに行かなきゃ鎌倉に来た気がしません。テレビや写真でよく見る正面からの大仏さんは頭でっかちで寂しそうな印象でしたが、近くで斜め下から見ると非常にいいお顔をされています。賽銭(さいせん)を10円入れ、Iさんの無事を祈りました。
最後の目的地は江の島です。江ノ島駅からは徒歩30分の道中です。「江の島は何もないよ」とS嬢は言ってましたが、江ノ電に乗って湘南海岸を見て江の島に行く。ただそれだけでいいのです。烏帽子(えぼし)岩が遠くに見え、その後方はるか彼方に富士山が望めました。確かに何もなく、サーフィンボードを小脇に抱えた美女もいません。そんな訳でいっぷく。ビールとイカ焼き・焼きハマグリがとっても美味しかった。不安定な天気の中、予定はすべて遂行しました。藤沢でJRに乗り替え、横浜駅に着いたころには疲れがどっとでました。
このたびの「はがき通信」懇親会の準備・運営をして下さった皆様、有意義な時間をありがとうございました。Iさんも大事に至らず良かった。
広島県:Y.O.
特集 赤レンガ倉庫へ
「はがき通信」の懇親会はだいたい金・土・日の3日間でおこなわれる。金曜日は昼間の近況報告や講演会につづいて夜の懇親会。翌土曜日は銘々が好きなところへ行く「自由観光」の日。日曜日は有志による会議。どこに顔を出してもいい。
2011年の横浜懇親会では「鎌倉に行きませんか」と誘われたが、背中に強い痛みのあるわたしは、東京の自宅から横浜まで1時間ちょっとリフトタクシーに乗るだけで痛みが昂じて冷や汗をかくしまつだから、とても遠出する気になれない。
「赤レンガ倉庫」に行くことにした。明治大正のころ「保税倉庫」として建てられたものだが、いま中身は商店街だ。前の広場でちょうど「ドイツビール祭り」をやっている。小樽で呑んだケルシュビールの味が忘れられない。ドイツビールの祭典ならそれが呑めるかもしれない。家内はビルズという店でスクランブルエッグやパンケーキを食べるのが楽しみだという。
昼は広場でビールを呑み、館内でゆっくりみやげ物などを見て回ったあと、夜はブルーノート系レストランの「モーション・ブルー」でジャズを聴きながら夕食……と計画を立てたのだが。
(写真1)赤レンガ倉庫近くの草むらで
(写真2)ドイツビール祭り
宿のベイシェラトンホテル&タワーズは横浜駅のすぐそばに建っている。赤レンガ倉庫のある馬車道駅までは地下鉄「みなとみらい線」で3つめだ。ここなら楽勝、ホテルの地下へ降りて商店街を行けば地下鉄乗り場に着く、と思ったのがまちがいのもと。地下街は広大でどこまで行っても目的の駅にたどり着けない。アイフォンのナビも地下では使えない。エレベーターでのぼったりおりたり、通行人やガードマンに尋ねたりしてようやくみなとみらい線の駅近くとおぼしき地上に出てみると、目の前にベイシェラトンがそそり立っていた。ドッと疲れる。
倉庫が見えたときはホッとした。馬車道は日本のアイスクリーム発祥の地なんだと家内に教えてやると、声が明るくなった。草むらではエンマコオロギが鳴いているからわたしもご機嫌になる(写真1)。エンマコオロギの「コーロリコーロリ」という鳴き声が大好きなのだ。
(写真3)ビール祭りをランドマークタワーから見おろす
(写真4)往時をしのばせる線路跡
ビール祭りはたいへんな人出で空席も少ない(写真2、3)。残念ながらドイツビールといっても売っているのはミュンヘンビールと横浜ビールだけだった。巨大テントの中は空気が悪いし、野外はカンカン照り。手元の温度計は31℃を示している。ビールもそこそこに倉庫へ向かう。しかし館内もひとでごったがえしていて電動車イスはつらい。どこの店も満員。スクランブルエッグを食すという閑雅な雰囲気ではない。おまけにモーション・ブルーは本日貸切で入れない。結婚式やってやがんの。
ビール祭りと反対側の静かなテラスに出て馬車道アイスを食べ一息つく。ふと彼方を見るとバスが停まっている。横浜駅直行の低床スロープバスだ。これで来ればなんの雑作もなかった! まあトラベルはトラブルさ。めったに旅行しないから勘がはたらかない。
赤レンガパークを1周してバス停へ向かう途中、鉄道のあととおぼしきものを見つけた(写真4)。観光地になるまえの姿を発見してうれしかった。
東京都:F川
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