![]() ![]()
デジカメを自分の思うように撮影するために何とか自分でシャッターを押せないか思案していたところ、家電活用サイトを見ていたら携帯電話を挟んで三脚台に固定して撮影する便利グッズ「携帯電話用 三脚固定ホルダー DN-100CC」が紹介されていました(「DN-100CC」で検索されると見つかると思います)。 今使用しているシャープ製携帯電話は、ボタン入力のハードボタンよりタッチパネル式がいいだろうと思い、カメラ機能は全く考慮せずに選んだのですが、三脚固定ホルダーとマイ携帯電話のタッチパネルならばカメラのシャッターが押せたり、操作できるのではないかと思い、三脚固定ホルダー(400円弱)と机やテーブルの上で使えそうなミニ三脚台の2つ(100円と300円のモノ)をあわせて通販で購入しました。 使い方は写真のように、携帯電話を三脚固定ホルダーに挟んで、ミニ三脚台の雲台に固定します。使ってみてわかったことは縦に写真を撮るときは携帯電話を固定ホルダーに縦に垂直に固定するのでバランスが崩れずに問題ないのですが、横に撮るときは固定ホルダーが最大88mmしか開かずに横向きにしか固定できずに雲台を90度手前に倒さないといけなくて、足の長さがそれぞれ8cmと11.5cmのチープなミニ三脚台ではバランスを崩して倒れることです。足の長さが11cm〜25cmまで収縮する、980円のちょっとガッチリしたミニ三脚台を買い足すことになりました。足を伸ばして調整するとバランスを崩して倒れることはなくなりました。 ●左から携帯電話用三脚固定ホルダーと980円・300円・100円の三脚台(上)、縦向きに撮影するときはチープな100円三脚台でも可能(下) 机の上でタッチパネルだと、強く押して三脚台ごと動かないように軽く押すように注意しながらも親指の第一関節か小指の第二関節でシャッター・ズーム・顔検出等の操作を十分押せました。 軽いので三脚台ごと動かせば、被写体をどのように配置するかの構図を変える操作、動画も撮れるようでこちらの操作もできました。ただ、この機種は携帯電話のマイクオンで撮影した動画を携帯電話で見る分には問題なくても、USBケーブルでパソコンに繋ぎ動画ファイルとして取り込み見ると音声は無音でした。そういう仕様なのかもしれません。 本職のデジカメには機能的におよばなくても、携帯電話と携帯電話用 三脚固定ホルダー+三脚台を組み合わせれば、机や膝の上での制限はありますが、比較的安価なグッズでカメラ機能を操作でき、けっこう使えそうです。 編集委員:藤田 忠 ※福岡県北九州市で、障害者のためのデジタルカメラ講座やパソコン講座などの講師をしておられる須藤輝勝さんより、デジカメを撮るときの基本的なことをご紹介させていただきます。 ![]() ![]() プロと素人は違います。私たちはプロとしての写真を撮るのではなく、家族や友人知人に見てもらう写真を撮るのです。見てもらって喜ばれる写真を撮るための基本を書きます。 [写真の撮り方−基本] ▽写したいものにピント(距離)を合わせる。 ▽写したいものに露出(明るさ)を合わせる。 1.自動カメラは、この2つのことを自動的にやってくれるのですが、写る範囲(フレーム)の中にはいろいろな距離のものや明るさのものがあるので、大抵は、画面の中央にあるものに距離や明るさを合わせてくれます。 2.だから、写したいものが中心にない場合は、「シャッター半押し」のテクニックを使います。移したいものを画面の中心に持ってきてシャッターを半押し状態にして構図を決めてからシャッターを最後まで押します。シャッターを半押しにすると、そのときのピントと露出を保持したままにしてくれるので、そのままの状態で構図を変えてもピントや露出は変化しません。 ▽手ブレをしないようにする。 1.手ブレは、光量が足りない場合(室内、夜)に起きます。また、望遠で撮影した場合も起こりがちです。大抵のカメラは、手ブレ警報シグナルを発してくれます。手ブレを防止するには、3脚を使うのが一番ですが、3脚を持って回るのも現実的ではありませんね。カメラを動かさない工夫をしてシャッターを切るようにするといいでしょう。例えば、カメラを動かないもの(壁、電柱など)に押し付けて撮影すると手ブレが少なくなります。また、ズームレンズの場合には、望遠側での撮影を避け、広角側で撮影します。ISO(感度)の調整が可能な場合は、感度を上げて撮影します。 ▽写したいものを画面の適当な位置に適当な大きさで写す。 1.出来上がりを見てガッカリする写真の多くは、写したいものが背景の中に埋もれていて何を写しているのかわからなくなっているときです。写真を写すときは、写したいものに近づきすぎるくらい近づいて写したほうがうまくいきます。余計なものを写さないことです。また、移す方向を変えて背景に邪魔なものが入らないようにするのも方法のひとつです。 ▽いい写真を撮る基本は、「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」。 1.同じものをいろいろな角度から何枚も撮影します。近づく→遠ざかる、上から→下から→横から、望遠で→広角で、明るく→暗く・・・。 2.何枚も撮影した写真のうち出来のいいものだけを残してあとは思い切って削除します。残った写真が少なければ少ないほど、他人に見てもらったときに喜んでもらえるはずです。自分で選択しないで、絵心のある他人に選んでもらうともっといい写真が残るかもしれません。 角打ち&福祉情報技術 http://blogs.yahoo.co.jp/sudoteru/folder/846423.html 北九州市:須藤 輝勝 「はがき通信」collection(2) ![]() ![]() (47号・1997年9月発行) 「はがき通信」を購読の皆様、初めまして。とりあえず自己紹介します。私は下関市在住のYと言います。昭和47年12月交通事故により頸椎の4、5、6番を損傷して現在に至り(80%介護が必要)、本年で25年になります。 さて、私のカメラですが、呼気シャッターは依頼して作ってもらい、以下のようにカメラを使っています。頭をひねって書いてみましたので、読みづらいと思いますが、よろしく。 下関市の身障センターの職員の方から「デイサービスでカメラを教えるから参加してください」とお話をいただいたのが、カメラを始めたきっかけです。始めたのは良いのですが、どのようにしてシャッターを切っていいか分からず、普通のレリーズで叩くようにして押していました。ピントが合わなかったり、狙った目標からズレたりして、思うように写真が撮れませんでした。そこで私が通院している、総合せき損センターの医用工学室に相談したところ、呼気によるシャッターを作れば良いではないかということになりました。 今まで使っていたシャッターを押すカメラをあきらめ、奮起して一眼レフを買うことにしました。カメラ本体はキヤノンのEOS55で、別売りのリモートスイッチRS60E3(電子レリーズ)と車イスに固定するためのケンコウ・クランプホルダーを購入しました。 それらすべてをせき損センター医用工学室に持って行き、リモートスイッチの後ろに呼気スイッチをとりつけました。呼気スイッチから口までは点滴用の管を利用し、口にはタバコのパイプを利用します。これは唾液がスイッチに流れこまないようにするためにも役立ちます。これにより、高さの不足や車イスが行けない場所的制限はあるものの、カメラのぶれもなく、狙った物が写真に撮れるようになりました。 呼気シャッターについての詳しいことは、せき損センター医用工学室にお問い合わせをお願いします。電子レリーズが付くカメラならだいたい工夫していただけると思います。私が呼気シャッターにより撮った写真をインターネットのホームページに載せていますので、ぜひ見てみてください (http://www2.biglobe.ne.jp/~tsugio/)。 OJISAN(私)のホームページです。見られた方は感想などお寄せください。待ってます。 山口県:T.Y. ![]() ![]() 〈113号・2005年11月発行〉
特に写真が好きというほうではなかったから、ケガをして写真が撮れなくなったときも悔しくてたまらないということはなかった。だいいちカメラはファインダーを覗(のぞ)いてピントを合わせシャッターを切らなければならない。そんなことできっこない。 ◇デジカメと「どこでもカメラ」でスタート デジカメをテレビで宣伝しだしたのはいつごろのことだったか。CMを見るとカメラのうしろに大きな画面がついている。これならファインダーを覗(のぞ)く必要はない。ピントはカメラまかせのようだ。シャッターはレリーズを使えばなんとかなるだろう。レリーズというのはシャッターに付けるひも状のもので、先端を押すとシャッターが切れる。その程度のことしか知らないが、デジカメにもきっと付けられるにちがいない。 2〜3万で買えるだろうと思ってヨドバシカメラに行った。レリーズの付けられるカメラはもっとずっと高かった。だがここで引き下がるわけにはいかない、おめおめ手ぶらで帰れるか、大枚をはたいて「ディマージュ」というのを買った。レリーズはキットカットにひもを付けたようなものだ。スイッチは例によってへこんでいやがるから、その場で発泡スチロールの切片をくっつけて凸式スイッチに変えた。それをマジックテープでひじかけの外側に固定、カメラを店員に持たせ、親指の付け根あたりで押した。シャッターを切る電子音がした。ケガをしてはじめて撮った写真は、その後わたしの妻となるひとの姿だ。 ● 写真1:どこでもカメラ つぎはカメラを眼前に固定する工夫。福祉機器に詳しい麸澤広報委員に尋ねると「どこでもカメラ」という物を教えてくれた(写真1=(有)岩田陽商会http://www.iwata-you.co.jp/newpage5-3-1dokodemocamera.htm)。注文したら社長が茨城県から取り付けに来てくれた。商売になるのだろうか。2本の鉄パイプを組み合わせる。1本をひざの横あたりに垂直に立て、もう1本をその先端から枝のように伸ばし、枝先の雲台にカメラを固定する。一本あしの三脚といったところか。 ◇キムタクが「カッケー」というからD80に この組合せでまずまずの写真が撮れた。しかし使っているうちに不満も出てくる。ズームができない。ひとにやってもらえばいいのだが、なるべくひとりでやりたいほうなのだ。地元の障害者でフイルムカメラをヘルパーに持たせてアゴでシャッターを押すというひとが話題になったことがある。展覧会にさそわれたがことわった。話を聞いただけで悲しくなってしまう。 ズームリングに角が生えていればうしろからマウススティックで回せるのだが。旧知のOTに相談すると、円筒形の水道栓を回しにくいひとのための補助具を持ってきてくれた。円形のプラスチックで1ヶ所突起がついている。おあつらえむきだった。これでアップ、ロングともに自由自在。 数年たつうち写真は趣味といえるまでになった。だが旅行に持ち歩いているうちカメラを落としてしまった。新しいのを買わなければならない。ちょうどそんなときニコンのテレビCMでキムタクがD80をさすりながら「カッケー」といっているのを見た妻がこれにしようといった。ミーハーなのだ。ヨン様が薦めてもこれがいいといっただろう。一眼レフというなにやら難しそうなカメラなので地元のカメラ屋で買うことにした。わからないときすぐ聞けるようにだ。ショーウィンドウにはD80とD40が並んでいた。D40のほうがずっと安いからこちらを注文して帰宅すると、追っかけカメラ屋から電話がありD40にはレリーズをつけられないがどうするかという。おまけにD80の店頭価格はレンズ抜きだというではないか。いちばん安いレンズをつけても、もはや趣味というより道楽といったほうがふさわしいような値段になる。だがここでテキに後ろは見せられない。 そんな分不相応なものを買って使いこなせるのだろうかと心配しながら注文したが、はたせるかなその心配は受け渡しの日に現実のものとなった。店員がいろいろ初期設定してくれたD80を勇躍どこでもカメラに取り付けたはいいが、画面が出ない。電源を入れても黒いままだ。一眼レフとはそういうものだと店員は平然としていう。アタマが真っ白になった。ファインダーを覗かなくてもいいという前提でデジカメを始めたというのに。一瞬返品しようかなという思いがよぎったが、そんなことをしたら男がすたる。……見栄っ張りのくせに気が弱いのだ。 ◇一眼レフの撮影に成功 さあその日から寝ても覚めてもこいつを使いこなす工夫に没頭した。宝の持ち腐れにするわけにいかないではないか。どこでもカメラの枝先につければどうにかカメラを顔に近づけることはできたが、調節がむつかしい。 ネットも調べた。車椅子で写真を撮るための道具はいくつかあったが、みな手動車椅子用のものだ。リクライニングやティルトをしたら崩れてしまうことは画像を見ただけでわかる。世間のひとが「車椅子対応」というとき、それは小さなおばあちゃんを乗せてヘルパーが押していく車椅子のことなのだ。 ●写真2:撮影の様子 ひじかけの外側に白く見える(矢印)のがレリーズのスイッチ OTも熱心に取り組んでくれた。しかし提示された試作品は大きすぎた。軽くて取りつけの簡単なものがほしい。 車椅子に三脚を取りつければいいのだと思いついたのは何がきっかけだったろう。両ひじかけの先端(片方はコントロール・ボックスだが)に板きれをわたしてマジックテープで固定し、その真ん中に三脚の脚の1本を立て、2本をひじかけに立てる。これができればファインダーを覗くことができる。さっそく手持ちの三脚で試してみたが、脚の開きが悪くて期待したところに届かない。脚を長くすればカメラの位置が高くなってしまう。どうしたらいいのか。考えだすと夜も眠れない。比喩(ひゆ)ではなくほんとうに眠れない。 わたしは外出先で背中を除圧するためにプロ用の巨大な三脚を持参する。あるときその三脚の脚が1本いつもより広くひろがってしまった。一瞬故障かとあせったがそうではなく脚の付け根を操作するともとにもどった。高級な三脚はこんなことができるのかと感心した。ある夜それを思い出した。小型の三脚で脚の開きのいいのを手に入れればいいのだ。これだ! さあ脚をお開き、もっとお開き……ますます眠れない。 ●写真3:ティルトして撮った桜 幅4cmほどの板きれにマジックテープで加工をほどこし、ヨドバシカメラの三脚売り場へ行った。店員にこれこれこういうものがほしいといって出てきたのがちなみにベルボンPHD-31Qという三脚。接地部分を大きなマジックテープで包み、両ひじかけにも大きいのを貼り付け、三脚をおくと眼前にぴたりとファインダーがきた。前もって自分の車椅子をじゅうぶん観察してあった。リクライニングしてもティルトしても三脚の体勢は崩れない。ティルトすれば上方を撮ることができる。一眼レフ初撮影は、今は妻となったひとの姿だった。 東京都:F川 |
![]() |
ホームページ | ![]() |
ご意見ご要望 |