ホテルのある両国から浅草には、都営地下鉄大江戸線に乗り、隣の蔵前駅で下車しました。
地上に出て、広い歩道を15分ほど歩くと有名な雷門が見えてきます。人力車を引く若いお兄ちゃんたちや演芸場の案内をする、粋(いき)な格好をした若者がたくさんいます。
「雷門をくぐり仲見世を通って浅草寺(せんそうじ)に行く」ただそれだけに多くの人が集まるのです。浅草の魅力とは、一体何なんでしょうか? 江戸の粋を感じさせる数少ない場所なのかもしれません。
次の目的地は靖国神社です。一生に一度は行ってみたかった所です。大江戸線の森下駅で新宿線に乗り換え、九段下駅で降りました。
地上に出るとコゲ茶色の大きな鳥居が見えるので近いようですが、本殿までは結構あります。坂道を上って行くと途中に武道館が見え、屋根の上に光る大きな玉ねぎが載っています。

<靖国神社入り口の大鳥居>
鳥居をくぐり、広く長い殺伐とした参道を歩いていると緊張してきました。
参道中央の高〜い所から、大村益次郎公(靖国神社の創始者)の像が太い眉を吊り上げて、にらみを利かせています。「変な族(やから)はここから一歩たりとも通さんぞ!」と言っているようです。社殿も威厳があり、両脇には錦の御旗が立っています。(黄色のポロシャツで来なくて良かった)

<大村益次郎公の像>
拝礼を済まし、もうひとつの目的である遊就館(資料館)に行きました。ここは、古代から大東亜戦争に至るまでの戦争の歴史が刻まれています。和歌や中世の甲冑(かっちゅう)の展示から始まり、戊申(ぼしん)戦争・西南戦争・日清戦争・日露戦争へと、軍事色が濃くなって行く様子がうかがえます。
大東亜戦争の展示コーナーになると遺品も多くなり、馴染の軍服や軍刀・日の丸・遺書・花嫁人形などの光景が飛び込んできました。極めつけは無数の遺影です。「靖国の神々」と題した展示が3部屋あり、軍人の遺影で埋め尽くされています。
大展示室にたどり着き、ホッとするのもつかの間、最後にダメ押しの1部屋があるのです。重苦しい空間です。ここの展示は小部屋が連なっていて、一度入り込むと抜け出せません。必ず無数の遺影を見るのです。「靖国を軽んじるな!」という神社や遺族のメッセージを感じました。
遊就館を出て再び参道に出たとき、本殿に振り返り深々と一礼しました。どうやら「靖国の策略」にハマったようです。重苦しい空気を引きずって九段駅に着いたとき、駅員さんに「お帰りなさい」と声をかけられ緊張が少しほぐれました。
次の目的地は、六本木ヒルズの展望台です。東京タワーを見るのが目的です。新宿線で森下に戻り、大江戸線に乗り換えで六本木駅で降りました。(東京メトロ線を使えば直行できます)
ちょっと曇っていたけど、ここから観る360度のパノラマは絶景でした。遠くは、富士山や横浜ランドマークタワーも見えるそうです。中でも東京タワーは、格段の存在感があります。大都会に埋もれているせいか思ったより小さかったけど、近く下に見えます。あれ? 東京タワーの方が高いんじゃーないの? どうよ! どうよ!とM村さんに尋ねると、「六本木ヒルズと言うくらいだから森ビルが丘の上に立っているからだろう」という説明に納得しました。
(帰って調べてみると、森ビル238mに対し東京タワーは333m。高さが違いすぎます。ガラスに細工がしてある?という「ヒルズの陰謀」を勝手に唱えている私です。)

<六本木ヒルズ展望台から見た東京タワー>
東京の日暮れは早く、5時前だというのにもう薄暗くなってきます。六本木から両国へは、大江戸線で乗り継ぎなしで帰れます。ホテルに戻って、I組長・S嬢と待ち合わせて美味しいチャンコを食べました。
ちょっと疲れたけど、有意義で充実した一日でした。懇親会を準備して下さったスタッフやボランティアの皆さん、本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
広島県:Y.О.

<実行委員長の麸澤さん(左)と夕食レセプション司会担当のM原さん>