四肢麻痺者の生活に有効な支援機器の紹介(その1) 今年の懇親会では、四肢麻痺者の生活に有効な支援機器の情報提供、開発中の支援機器への評価、支援機器への要望などを目的に「四肢麻痺者の生活に有効な支援機器の紹介と展示(7社・1個人)」を開催しました。 参加できなかった皆さまにも情報提供ということで、協力いただいた企業の方々から機器や商品の紹介をさせていただきます。 (12月号と2月号に分けて掲載予定です)【掲載:順不同】 ★ 視線によるコミュニケーションシステム MyTobii(マイトビー)! 視線入力装置MyTobii(マイトビー)は、会話の読上げ、インターネット、メール、文章作成、音楽・映画鑑賞など、パソコンでできるさまざまなことが、ただ画面を見るだけで、おこなうことが可能です。 ALS、脳性麻痺、脊髄損傷、多発性硬化症 等のある方々に多く使われており、視線で操作することにより、身体的負担を軽減し、操作性の向上をはかります。入力方法は、注視時間、スイッチ、まばたき、画面に直接触れる等による決定で入力することが可能です。今まで伝えることの難しかった複雑な思い・気持ちを、介護者に頼らずに、驚くほど簡単に、伝えることが可能です。 15インチのタッチパネルスクリーンにアイコントロール装置とコンピューターが一体となった装置で、ベッドや車いすと場所を問わず使用することが可能です。 頭部、身体に一切の拘束や固定はなく、何かを着用することもございません。眼鏡・コンタクトレンズをしたままで使用することが可能です。不随意運動のある方も使用することが可能です。 【問い合わせ先】 トビー・テクノロジー・ジャパン株式会社 営業企画部 伊藤 直弥 TEL:03-5793-3316 FAX:03-5793-3317 E-mail:n.ito@tobii.co.jp URL:http://www.tobii.co.jp/japan/products/mytobiip10.aspx ★ 顔面随意動作計測装置(みはるちゃん) 今回、はがき通信懇親会に初めて参加させていただきました。 ご紹介する機器は、株式会社アプライド・ビジョン・システムの高橋裕信さん、上村彰さん、井上美明さん、神戸学院大学の松原加代子さんと、オムロン株式会社の勞世竑さんとの共同研究の成果です。 筋萎縮性側索硬化症向けに、瞬き動作とは逆の動きを非接触に計測することで、重度障害者用意思伝達装置等への信号を送ることのできる機器を開発しました。 「目を見開く」動作を非接触に計測することから、「みはるちゃん」と名付けました。 機器の構成は、CMOSカメラ・MS Windows XP ProfessionalをOSとするパーソナルコンピュータ・接点出力装置と、ソフトウェアです。 これらは、平成20年度(独)科学技術振興機構シーズ発掘試験の助成によるものです。 今後は、頸髄損傷への展開を考えています。研究に協力できる方を募集しています。関心がありましたらメールをください。 河合 俊宏 【連絡先】 kawaitoshihiro@email-pobox.office.ne.jp http://srcrel-kawai.hp.infoseek.co.jp/ http://www.geocities.co.jp/Technopolis/7812/SCI/ ★ 食事支援ロボット「マイスプーン」2009年夏のトピックス この夏、国立別府重度障害者センターでは、同院での訓練を経て社会参加された方々の数々の実績が評価され、公開入札などで、10台での訓練体制を整えられました。(自立・自律ヘ向けた訓練用機器として、全国18医療機関で活用されています) この夏、長野県稲荷山養護学校では、卒業後の自立へ向けた特別支援教育の一環として、PTAの資金協力などにより2台めを導入され、学校給食で活用されています。(自立活動の先生から経緯をつづった論文を頂戴しており、ご希望者にはお送りします) ご存知のように、平成18年改正で日常生活用具は国から市町村に権限委譲されましたが、残念ながら新型の福祉用具への行政対応には遅れがちの傾向が見られ、これまでに相談を受けた多くの市町村では、2年後から予算検討予定(決定ではありません)とされました。 そしてこの夏、北海道北斗市では、わずか数週間の迅速な検討で、日常生活用具の種目である「自立生活支援用具」への適用を決定され、全国で初めて給付されました。 皆さまが住んでいらっしゃる市町村でも、もしかしたら……。市町村に相談する前に、2週間無料「お試し」で、普段のお食事で、体験してみませんか? マイスプーンのお問合せ・資料請求・「お試し」申込みは、セコムのホームページから。 《http://www.secom.co.jp/personal/medical/myspoon.html》 セコム株式会社 特品部 小林 茂久 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前 1-5-1 TEL:03-5775-8227 FAX:03-5775-8919 ★ 携帯用会話補助装置「パワーギガホン」 はがき通信懇親会 in 東京2009の展示会では、お世話になりました。弊社は、拡声器をメインにインターネットでの通信販売をしておりますので、ユーザーの方と直接お会いする機会がほとんどありませんでした。 今回、実際に障害者の方とお会いしてパワーギガホンをお試しいただきまして、声が大きく拡声できた時のご家族の方の笑顔、ご本人さまの笑顔、忘れられないものになりました。声が小さくて困っている方の、少しでもお力になれるようパワーギガホンを広めていきたいと、思った次第です。 短い時間でしたが、たいへん有意義な時間を過ごすことができました。このような機会を与えていただき、ありがとうございました。 今回も、展示会にお持ちしたパワーギガホン(ハンズフリーマイク)を紹介させていただきます。 【携帯用会話補助装置】 <パワーギガホン NZ-610-D 手ぶら拡声器4D(ハンズフリーマイク)> http://www.nanzu.jp/syohin/pwgiga-d.htm ◇手ぶら拡声器・パワーギガホンとは アンプ・スピーカー・マイクを身に付け、動く範囲が限定されない、ハンズフリー拡声器です。 シンプルな操作性で、お子様から年配の方まで簡単に操作できます。しかもランニングコストに優れた充電仕様です。 ◇小型軽量・ハイパワー・高音質 女性や子供が装着しても無理のない手のひらサイズでありながら、十分な音量を確保。 音声の再生に適した独自スピーカーを採用し、まるですぐ近くで会話をしているように聞こえるクリアーな高音質を実現しています。 ◇日常生活用具給付の給付実績 全国の自治体で、日常生活用具(携帯用会話補助装置)給付の支給実績があります。 給付の申請は、ご購入前に行う必要があります。申請の際の見積書の作成等、お気軽にお問合わせ下さい。 ◇無料サンプル・お試し制度実施中 「でも見たことない製品だし音量が心配。本当に役にたつの?」と言う方へは、片道送料のみご負担で、3日間手ぶら拡声器4D(パワーギガホン NZ-610-D)をお試しいただけるサンプル品を用意しております。 音量・音質・ハンズフリーマイクの使い勝手など実際に手にとってお試しいただけます。お申し込みは弊社WEBサイト、ファックス、お電話にて。 【パワーギガホンのご注文・お問い合わせ・サンプルお申し込みは】 なんず (有)南豆無線電機 〒415-0035 静岡県下田市東本郷 2-1-5 フリーダイヤル:0120-564-702 TEL:0558-22-2421 FAX:0558-23-4838 http://www.nanzu.jp (問い合わせ・ご注文は、WEB上のフォームからもできます) 平日/9:00〜17:30 【特集!「はがき通信」懇親会 in 東京2009】 今号の「特集」は、10月16日(金)〜10月18日(日)に開催された東京懇親会です。 親睦を深め励まし合う目的で年に1度、仲間が一堂に会して集う懇親会や自由行動での(バリアフリー情報も含む)観光についてのご投稿をご紹介いたします。 <特集>懐かしき東京で渾身快会
残念だったのは美ん貌症の妻を同伴できず。妻は映画「感染列島」のイメージをNHKから吹き込まれ、上京中止宣言。玉ねぎおやじにもレッドカードを提示し「行くな!」。何とか説得し夫婦で……の思いは徒労に終わり、「安いので良いから棺桶を用意して待ってろ・医者よりお寺さんを・99車より09車の手配をしとけ……」の低主の決意で単独上京。 諦め顔の妻に抗菌マスクと消毒液・タミフルを持たされ……介護にピチピチの女性を……の目論見も「もし何かあったら……」の心配症の妻は、玉ねぎの妹同伴でOKと譲歩。ラブリーな東京行も幻想に干し草香る妹を同伴。 妹は、集った車いすの何人かを見て「頸損者って逞(たくま)しいんじゃね」と感心していた。車いすに着けている荷物の量で驚き顔です。何人かの人に「お兄さんにソックリね、カワイラシイ」?のヨイショ挨拶に複雑な面持ちで……少々気落ち? 腐臭玉ねぎに似てたんじゃ浮かばれんよねっと、耳元に囁(ささや)く妹を慰める言葉も無し……。 思い起こせば38、9年前は東京に在住の玉ねぎ。青雲の志を抱き上京するも純なカッペ野郎。瞬く間に志は雲散霧消し、給料の大半は繁華街の妖しげなお店に支払い通い。遣り繰りに窮すると昼夜を問わず勤労盛年でもあった。 在京中に世話になった友人に40年弱ぶりに逢う約束が取れ、東京ライフを思い起こし意気込みの上京準備。友人は40数年勤続の会社で、今なお現役と言うから、玉ねぎおやじの半端人生とは大いに異なる。友は立派に実年世代、俺は何とか真っ当な人生から外れんように奮闘中。懐かしい再会ができた。お互いに老後の準備に抜かり無きように……と東京駅のホームで別れを惜しんだ。 初日は福祉機器の展示説明会……便利で高機能に感心しつつも入手には高額負担も。懇親会は、軽妙な進行と世話役さんの守備の良さに盛り上がった。松井先生の気取りの無い挨拶は初の出会いから変わらず、若々しく感じられた。向坊さんの遺徳を偲ぶひと時でもあった。認識度の低い視力で、参加者の顔ぶれも十分に把握できず不本意の失礼となる。 横須賀嬢に戴いたごまたまごを手土産に……妻がやっぱり横須賀の女性に逢いたかったんじゃね。私への土産は?と問い詰められ「ごまたまご……」妻は誤魔菓子たまご?と怒りだし、浅草土産の雷おこしを差し出すと「何? これ…便座じゃのうて銀座に行って類美豚物色すると言ってたじゃん」稲妻ならぬ落雷起こしに愚々自省。 無呼吸用マスクを失念。後便の久留井夫妻に持参を頼み、急場を凌(しの)げ感謝。今回の懇親会も多くの人に感謝の旅行となった。ありがとう! 広島県:Y.S.
<特集>東京懇親会に初参加して
私が懇親会に参加しようと思ったのは春から肩の骨折や悪いことばかり続いていたので、みなさんから元気をもらいに参加しました。 上京するのはこれで3回め、新幹線や乗り継ぎも慣れてきました。新潟の自宅を9:30出発、燕三条駅から乗り継ぎ2回で両国会場には13:30につきました。道中、山手線100周年で運よく1時間に1本しか走ってない特別列車に乗ることができました。Hさんに自慢できるぞと心のなかでワクワク。(*^_^*)両国駅を降りて会場へ。両国国技館で、お相撲さんの新人研修(?)もどきをやっていました。 福祉機器の紹介では、私の目を引いたのは環境制御装置でした。最近、介助者不足、親の高齢に限界を感じている私にとって環境制御装置は気になっているものでした。10数年前までは確か何十万とする高価なものが16万という価格にも驚き、関西弁でも音声を認識するのも不思議でした。 私は今PC操作は、生産中止されているヘッドマスタープラスというものを頭につけマウスを操作しています。これはこれで健常者と同じスピードでマウス操作できる優れもので、環境制御装置との組み合わせで強力なものになると感じました。新潟へ帰ってきてから地元の福祉機器展があり見に行きましたが、四肢麻痺の機器がまったくといってなかったので今回の懇親会は有意義なものになりました。担当者と直接交渉もでき、とてもよかったと思います。 レセプションの会場は、東京の素晴らしい夜景が見える絶好のポイントでした。いろいろな人と交流が持てる時間がなく、それも一番に自己紹介の指名がきてテンパッテしまい、何を言ってるのか忘れてしまいました。広島のTさんから声をかけていただき、広島のバリアフリーについて教えていただきました。 <第一ホテル両国からの夜景> レセプション終了後、外出して両国駅方面へ散策しましたが早々に退散ホテルに帰り、Kさんの部屋で雑談をして1日めは終わるのでした。 2日めは、私は絵を描いているものでキャラクターの勉強に、根強い人気のディズニーリゾートに行ってきました。総武線船橋経由で行けば1回の乗り継ぎで行けたものを東京駅経由で行ったものですから、山手線から京葉線のホーム移動がすごく長い。これは失敗してしまいました。ディズニーランドは健常者の時を含め2回行ったことがあり、今回はディズニーシーに行くことにしました。 シーに行くには、舞浜駅からモノレールを使って行きます。もちろんキャストさんの車いす対応も完璧です。ちょうどハロウィン期間中で、カボチャのオブジェと人がごったがえしていました。車いすの人も大勢いましたが、みなさんうろうろしてるばかりでどこに行ってよいのかわからない様子。 私は、17時半の新幹線の時間に乗り遅れないよう時間がなかったので、あらかじめ車いすのままで乗れるアトラクションとショーの時間をディズニーのHPでリサーチしていたので、場所をキャストの人に聞いてウロウロすることはなかったのですが、移動中、石畳から首に伝わってくる振動と人にぶつからないようにするのに疲れました。滞在時間は5時間と短かったですが、今度また行く機会があればゆっくりと見てきたいと思いました。ディズニーの人気に負けず、またがんばらなければと思った次第です。 今回、初めての懇親会でみなさんからよくしてもらい感謝しています。役員の皆さんお疲れ様でした。また機会があったら参加しますのでその時はよろしくお願いします。 新潟県:T.I. <特集>東京お台場エリア観光巡り
今回、初めて「はがき通信」の東京懇親会に16〜17日の1泊で千葉から参加した、一人暮らし自立生活7年目、頸損歴19年のC4不全マヒのY岡です。 東京懇親会初日の夕食レセプションでは、「はがき通信」を支えてこられた方々と直接お話ができてとても有意義な時間を過ごさせていただきました。 2日めの自由行動では、東京お台場エリアの観光名所を駆け足で回ってきました。今回は、フジテレビとパレットタウンの施設見学バリアフリー報告をいたします。 お台場で真っ先に行きたい所といえばフジテレビですね。フジテレビまでの交通手段はいろいろありますが、私は自分の車のタウンボックス車いす仕様車を使いました。 <フジテレビ前> フジテレビ見学には1階のエレベーターを利用します。5階の番組博物館は「笑っていいとも」コーナーや、人気番組のミニセットなどが並んでいてテレビ好きには嬉しい場所です。また運が良ければ、車いすからスタジオ内での収録の様子をガラス越しに見ることができます。見学通路は広く赤い絨毯(じゅうたん)びきで、途中スロープになっている部分もありますが大きな段差はありません。 フジテレビのシンボル25階の球体展望室へは、7階で直通行きのエレベーターに乗りかえて上がります。高さ125m周囲300度近く見渡せる球体展望室からは、レインボーブリッジや東京タワーがはっきり見えて素晴らしい眺めが楽しめます。また身障者用トイレは、フジテレビ内の1、5、7、25階にそれぞれ1ヵ所ずつありました。フジテレビの中には駐車場はありませんので、車の場合は最寄の駐車場を利用するようになります。昼食は球体展望台24階にある中華料理店で、外の景色を楽しみながら週末のランチタイムにゆったりと食事ができました。 <球体展望室からの眺望> 午後からは食後の貧血と戦いながら、お台場のもう一つの人気エリアのパレットタウンの見学に出かけました。パレットタウン大観覧車は、全64台のゴンドラの内2台がバリアフリー対応で電動車いすでも搭乗できます。入り口でスタッフに声をかけると、エレベーターで搭乗デッキまで案内してくれます。搭乗デッキにゴンドラが来ると観覧車を止め、スロープを出してゴンドラ内に入りました。 ゴンドラ内は、電動車いすに占領され傾き気味でゆっくりと上がっていきました。ちょうど頂上に着いた時、アナウンスがありゴンドラが急停止……。大きく左右に揺れて、久しぶりに心地の良いスリルを味わいました。ゴンドラから見る外の景色は、近くはフジテレビから遠くは新宿副都心まで見渡せて気分爽快でした。空を飛ぶのが好きだったので、私にとっては高い場所に行くのが一番のストレス解消になります。 <観覧車から見た景色> この後に、MEGA WEBとヴィーナスフォートを見学しましたが、両施設ともエレベーターが完備されていて電動車いすでも支障なく移動できます。また、身障者用トイレも各階にありました。ただ、身障者用駐車場は、台数が少ないので休日などは混んで利用しづらいかもしれません。 今回は東京お台場エリアの一部分を紹介しましたが、まだまだ訪れたかった場所がたくさんありました。「はがき通信」の東京懇親会に参加したことで、素晴らしい出会いととても楽しい体験ができました。実行委員の麸澤様をはじめ、東京懇親会を運営して下さった「はがき通信」の関係者の方々、本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました。 千葉県:H.Y. アイバード生活支援センター《http://www.aibird.net/》 |
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