はがき通信ホームページへもどる No.114 2008.11.25.
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も く じ
ballごあいさつ 編集部員:平山 圭紀
ball「はがき通信」からのお知らせ(偶数月発行)
ball生かされて 山梨県:H.N.
ball腰折れ俳句(6) 熊本県:K.S.
ball2008年「はがき通信」懇親会in京都収支決算報告 編集委員:瀬出井 弘美
<特集!「はがき通信」懇親会in京都2008>
□講演『I am Japanese.』 兵庫頸髄損傷者連絡会:H.M.
□旅・時には、押しの一手…… 東京都:H.K.
□「はがき通信」IN京都に参加〜♪ 東京都:T.S.
□第13回はがき通信懇親会in京都に参加して−向坊さんの遺業協力のお願い− 編集顧問:松井 和子
□都観光3時間コース(平安神宮、南禅寺、清水寺) 広島県:Y.O.
□今年は琵琶湖に行きました 広報委員:麸澤 孝
□2年続けて福祉車両のレンタカーで観光 編集委員:藤田 忠
ball「まるで魚類だね!」水中リハにて 千葉県:T.T.
<特集!「頸損(脊損)と合併症」>
□定期検査を怠ると大事に 匿名希望
ball横向き寝用枕 編集委員:瀬出井 弘美
ball新・今昔物語集 第七話 『ブーズーキとギリシャ音楽』(前編) 千葉県:T.D.
ballひとくちインフォメーション


ごあいさつ

 朝晩冷え込み体温調節が難しい季節になってきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか? 食欲旺盛になるこの時期、しっかり栄養を蓄え、これからやってくる寒い冬を乗り切りましょう。
 私事ですが、この12月で立ち上げた訪問介護事業所が5年目に入ります。まだまだ小さな事業所ですが、その分、利用者またヘルパーひとりひとりのことを考えながら仕事ができているのではないかと思っています。私は利用者でもありますので、利用者の目線からの意見をヘルパーさんに伝え介護にあたってもらうようにしていますが、介護される側・する側の大変さを痛切に感じ日々考えさせられます。今後、ヘルパーさんが働きやすく、そして利用者が安心して介護を受けられる介護制度になって欲しいと願います。またそれが実現できるよう自分も努力していきたいと思います。
  

編集部員:平山 圭紀



 「はがき通信」からのお知らせ 

◇2009年度より偶数月発行に変更します


 「はがき通信」は、2009年度より偶数月(2.4.6.8.10.12月)の25日ごろに発行させていただくことになりましたので、前号に引き続きお知らせいたします。2008年11月号まで今まで通り発行し、2009年2月号は、通常より発行までが1ヶ月長く間隔が空くために、2月号のみ原稿の締め切り日を1月15日、発行日を2月中旬に予定しております。なにとぞご理解・ご了承いただきますようよろしくお願い申し上げます。



 生かされて 


 まず始めに、今ここに生かされていることを心から感謝いたします。
 思い起こせば、2003年6月8日、この年(50代半ば)になって、無性に大型バイクに乗りたくなり外国製の1450㏄のバイクを買うと妻に相談したところ、当然のごとく反対されました。
 しかし、私が仕事から帰って毎晩バイクのカタログを見ている姿を見て、妻は「このまま反対したらいつか後悔する」と思い、条件付きで買ってもいいということになりました。
 でもその条件をもクリアーせず購入したことにより、買って3回目に、長野県A市において、転倒し頸椎5番を骨折並びに大事な脊髄も損傷し、A総合病院にて緊急手術を受けました。それまで何の不自由もなく動いていた自分の身体が一瞬の間に手はもちろん、胸から下は完全麻痺、とても信じられない状態でした。担当医の説明によると、胸から下は動かなくなり、今後の回復は非常に困難で、多くの障害が残るということでした。
 しかし、「なんとしてもこの状態から脱皮しなければ…」と自分に言い聞かせ、自己の持つ潜在能力を信じ前進あるのみ・必ず回復してみせる、奇跡を起こすと信じ、長くなろう道のりも、せめて精神的には明るく楽しくと心に決めたのでした。幸いにも素晴らしい先生方、看護師さんたちに支えられ、助けられ、厳しいはずの訓練も目標に向かい楽しく行うことができました。
 ちょうど1年を経過した昨年6月にB県立リハビリテーションセンターに転院の運びとなりました。お世話になる時は、ほぼ全介助。しかし自立訓練のためここに来たのだからと厳しさの中で見守ってくれる、本来優しいはずの看護師さんも時には軍曹のように思えるほど厳しいものでした。そんな時、自信を失いかけ落ち込んだこと、自由の利かないわが身に何度悔し涙を流したことでしょう。またその反面、訓練の成果が一つ一つ体得できた時の達成感も格別なものでした。 
 お蔭様で現在は、車イスに乗り身の回りのことはかなり自立できるようになりました。
 すべて私のために厳しく指導していただいた結果と思っております。施設においての生活は4ヶ月前から始まり、ある程度自由で新鮮なスタートとなりました。環境が変化し出会えた先輩たちのアドバイスを手本に工夫を加え、今、新たな挑戦をしている次第です。
 事故に遭う数年前、妻と北陸方面への1泊バスツアーに参加した時のこと、あるレストランのトイレに貼ってあった1枚の詩に私は感動しました。
 それは「あたりまえ」という題でした。今わが社のトイレにはすべてにこの「あたりまえ」の詩が貼ってあり、社員さん並びにお客様からもたくさんの感動をいただいています。
 まさかその時の詩の心をそのまま今の自分が味わうことになろうとは……。その感動の詩をここにご紹介いたします。

 「あたりまえ」

こんな すばらしいことを
みんなは なぜ よろこばないのでしょう
あたりまえで あることを
  お父さんがいる お母さんがいる
  手が二本あって 足が二本ある
  行きたいところへ 自分で歩いていける
  手をのばせば なんでもとれる
  音がきこえて 声がでる

こんなしあわせは あるのでしょうか
しかし だれも それをよろこばない
あたりまえだと 笑ってすます
  食事がたべられる
  夜になるとちゃんと眠れ そしてまた朝がくる
  空気を腹いっぱいすえる
  笑える 泣ける 叫ぶこともできる
  走りまわれる みんなあたりまえのこと

こんなすばらしいことを みんなは決してよろこばない
そのありがたさを知っているのは
それをなくした人たちだけ
なぜでしょう
あたりまえ
 (作・井村和清)


 静かに目を閉じると、あの時の詩との出会いは偶然ではなく、きっと神様が来るべき試練を少しでも軽く乗り越えられるように与えてくれたエッセンスに違いないと思えるようになりました。
 世の中には偶然は一つもない、すべて必然的に何事も起こる。また、「因果応報」すべての結果に原因があるそうです。私が事故にあったのも、車イス生活になったのもすべて原因があるように思います。車イスの目線になって初めて感ずるものも多々あります。結婚して30年以上がたちますが営業の仕事でしたから忙しく全国を飛び回り、仕事の関係上、1年の半分は家をあけており、山梨にいても家に帰るのは毎晩11時、12時でした。
 今まで多忙な日々であったため気づこうともしなかった大自然にこれからは目を向け、見えぬものを感じ、心の声に耳を傾けながら生きていく覚悟です。そして、社会復帰に向けて世の中のお役に立てるよう心身のリハビリに励みたいと思います。
 最後に、わがままで自分勝手なために起こした私の事故、大怪我に対しても、「命を助けてもらえたのだから、ありがたいね」と心の動揺も見せず、100%の時間と労力を私のためにいつも明るい笑顔で献身的に尽くしてくれた妻に心から感謝いたします。妻のためにも一日も早く元気になり、来年は妻の好きなハワイ島にでも行って満天の星空を思う存分ゆっくりと見せて、のんびりさせてあげるのが私の夢です。
 これまで私と妻を身近で支えてくれた方々や必死で回復を祈り続けてくださっている多くの皆様方、またご縁をいただいた周囲の方々に心から深く感謝いたします。
 ありがとうございます。

山梨県:H.N.



 腰折れ俳句(6) 


少年の赤い帽子の赤い羽
晩秋の祭りを見ずになるものか
ふるさとへ穂先の揃う芒かな
手袋を外して拍手送りけり
つまずいて小銭の音の年の暮れ






 「ゲーテ格言集」(新潮文庫)は、つまり身の周りをつぶさに見れば探しているものは見つかる。愛情さえも。当たり前じゃないかと云われそうだけどなかなか気付かないものです。だから回り道してしまう。これも人生。以前挿画に使った「オクラと南瓜」をぬり絵だと云って姪に渡したら原色の色鉛筆でまるでステンドグラス。うむむ。

熊本県:K.S.



 2008年「はがき通信」懇親会in京都収支決算報告 


 ※誌面版のみ掲載

 懇親会に参加された皆様、どうもお疲れ様でした。そして、どうもありがとうございました。台風が心配されましたが影響もなく無事に終了し、ホッといたしました。(以下、紙面版のみ掲載)
 瀬出井 弘美(実行委員・会計担当)

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