No.109
2008.1.25.
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<特集> 中古を新車同然に
知人より、約60万円で中古の電動車いす(インバーケア社製)を譲り受けました。すでに電動リクライニング機構、牽引台車、バッテリー重心位置移設、リヤホイール、タイヤのインチアップ、低床座面などの改造がしてありました。
私が手を入れた場所は、乗りやすいように座面の設定やジョイスティック、ステップの調整などと牽引台車、フレームやホイールの塗装、転倒防止バーの延長、ライトなどを都内の車いす業者に頼みました。細かい修理などもろもろを合わせて約40万円くらいかかりました。
東京都:M.I.
<特集> 電動車いすタイヤカバーと“脚上げ機能”
ヨーロッパインバーケア社(商品名・型番不明)の電動車いすを使用。
自宅のフローリングが白いので汚れ防止のため、母に布製の電動車いすタイヤカバーを手作りしてもらいました(自宅の部屋のみで使用)。
また、足のむくみ予防と起立性低血圧の防止のため、電動車いすに脚上げ機能(パワーレッグ)をメーカーオプションで取り付けました。
東京都:T.M.
<特集> 車イス電動ユニット
皆様、お元気で新年を迎えられたことと思います。本年も宜しくお願いします。
テーマとは外れるかも知れませんが、愛車を紹介します。
私の車イスは、2年前から電動ユニットYAMAHAのJW−Ⅰを搭載しています(介護保険制度レンタル2,000円/月)。
1.搭載理由は
①浣腸器具で傷めた肛門内部が悪化し、車イスを漕ぐのが辛くなったこと。
②一人で自由気儘に街に出かけたいと思ったこと。
③普通の電動車イスに長時間(概ね3時間以上)乗っているのが辛いこと(プッシュアップができない)。
④外出先での小さなバリアだったら、比較的少人数で対応してもらえること(車体重量=普通電動車イス80kg以上、電動ユニット車約30kg)。
などです。
因みに、我が家の車イス環境は構造的に普通の電動車イスでは行動できない。なので、一人で外出する時はホームヘルパーさんの乗降介助(2名)で普通の電動車イスを利用している。
2.写真説明
①右側面:車輪に駆動部モーター。
②背面:右にバッテリーを積み、背もたれ下部に両輪モーターと左側面のコントロールボックスへのケーブルが配置されている(走行速度は2.5㎞・4.5㎞/時、1充電で10㎞走行)。
③左側面:車輪に駆動部モーター。肘掛部真下にクラッチレバー、下げると手動走行、上げると電動走行になる。
※手で漕ぐ時以外は、静止している時もレバーは上げっ放しでブレーキが掛かっている状態にしている。
④左側面:コントロールボックス(操作部)が肘掛前方部に、操作は普通の電動車イスと同じ。
※操作部は、左下肢下に着けている蓄尿袋からの採尿を深い斜前屈で行うため、邪魔にならぬように、普通よりかなり前方のひざ頭近くに低く取り付けている。今は、斜前屈ができなくなってリーチャーを使っているが、側面からその状況が観察できて便利である。
3.搭載の功罪
[功]
①急ぐ移動時や近所の散歩程度ならスムーズで安心。
②目的地までを車などで移動すれば、多少のバリアは助っ人を頼みやすかったり、小回りが利くので小旅行などにも介助者に負担をかけず便利。
[罪]
①付き添いなしでの街中走行は、転倒を誘発するバリアが多く体験上困難。
②これが難問であるが、楽な電動走行に流れ、手漕ぎをしなくなるため体筋力が衰える。よほど意志が強くないと……。
佐賀県:K.N.
ぶぶちゃんと私
ついに人工肛門を作りました。昨年の夏のことです。
ケイソンになってからこっち18年は、いつもうんちのことが心配でしたし、1回の排便に3時間以上かかり、うんちをする私も摘便してくれる人も疲労困憊の日々。痔も大きくなっちゃったし。「人工肛門にしたら楽になるかなあ」。折に触れそう考えはしたものの、おなかに肛門を作り、そこからうんちが出てくることを想像すると、なんだか怖いし外見も気になって踏み出せずにいました。
10年ほど前に彼と暮らしだしてからは彼がうんちの世話をしてくれてきたのですが、この2、3年はお互いに体調を崩しがちで週2回していた排便が週1回でも辛くなってしまい、ついに決心したという訳です。
ずっと怖かった人工肛門ですが、実際に作ってみると、これが実にいい。もっと早くすれば良かったと思うほどです。
何が良かったかというと、まず毎日いいうんちが片手2杯くらいずつ自然に出てくれること。そのうんちはパウチとよばれる袋の中に溜まるので、いつうんちが出ても怖いもんなしです。
次に介護の手間が激減したこと。うんちがパウチに溜まってきたら捨てるのですが、介護の人に捨ててもらえば5〜10分しかかからない、初めての人でもすぐにできる簡単な作業です。1日に2〜5回捨てます。私はC6ですが、練習をしたら自分でも捨てられるようになり、早ければ5分、長くても小1時間で終わります(うんちの柔らかさや量によって捨てやすさが違います)。うんちをパウチから出すのは思っていたよりずっと楽しいもので、臭いも気にならない、というかむしろ好きな臭いだと思っている私って、変でしょうかねえ。
パウチの交換は週に2回ずつしていますが、この作業は慣れた看護師さんなら20分もかかるでしょうか。私はまだ練習中で全部一人ではできないのですが、ところどころ手を借りながら1時間半くらいで終わります。おなかの上の作業なので、車いすに座って自分で見ながらゆっくり交換できます。人に頼む気遣いや体力の消耗がぐっと軽減され、いままでの苦労が嘘のようです。
そして何より良かったことが、人工肛門自体がカワイイこと。私の人工肛門の大きさはイチゴくらい。緊張するとキュッと小さくなり、リラックスするとポテッと大きくなるんですヨ。色は赤のときもピンクのときも。大腸の一部をおなかに引き出したものなので確かに私の内臓の一部なのですが、こうして暮らしていると、どうしても私とは別の生き物がおなかの上にいるように思えるから不思議。一生懸命にうんちやおなら、粘液を出してくれる様子はけなげだし、一仕事を終えて「私、くたびれました」と言うかのごとくムクんだ姿はめっちゃ愛らしい。この小さな友達に何かいい名前を、と考えていたところ、おならをするときの「ぶぶー」という音が、おしゃべりしているみたいないい音だったので、命名「ぶぶ」。いまでは訪問看護師さんもヘルパーさんも「ぶぶちゃんは元気?」とかわいがってくれています。
と、ここまでは良かった点を書きましたが、誰にでも人工肛門を勧めるのには少しためらいもあります。いくつかのリスクがあるからです。
その1は手術。手術自体は大変なものではないそうですが、ケイソンということで麻酔下の血圧の管理にとても気を配っての手術でした。また、私は術後に腸閉塞を起こしてしまい、あわや再手術かというところを、お医者さんがかなりの努力をして腸を開通させてくださいました。あまり体を動かせないケイソンの人には、腸閉塞のリスクは高いかもしれません。入院は半月の予定が、4週間かかりました。
リスクその2は皮膚のトラブル。パウチを常時おなかに貼っているので、かぶれるときもあるし、場合によってはパウチからうんちがもれるときも。もれると臭いも気になります。私は術後2、3週間はよくもれましたが、その後は幸いにも1度ももれたことがなく、かぶれもあまりありません。
リスクその3は、いままでできていたことができなくなる可能性。看護師さんから大丈夫とは言われているのですが、「ぶぶちゃん」をつぶしてしまうのが怖くて、今現在術後5ヶ月、まだ下半身の着替えやトランスファーなどの体を大きく動かす動作ができないでいます。
最後に、やはり気になるのがケアしてくれるお医者さんや看護師さんが人工肛門に詳しい人かどうか。上手にていねいにやってくれる人に巡り会えるのはとても重要なことですもんね。
私にとっては人生が好転するくらい作って良かった人工肛門。「ぶぶちゃん」との毎日はハッピーです。もし興味のある方がいらしたら、情報提供いたしますので是非ご連絡ください。人工肛門にした人のなかには、どうしても人工肛門のある自分を受け入れられない人もいると聞きます。そういう場合はきっと毎日のうんちが辛いことでしょう。じっくり考えて、人工肛門を作りたいと思えたときに踏み出すのがいいと思います。
東京都:N.T.
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