はがき通信ホームページへもどる No.109 2008.1.25.
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<特集!「車いすの工夫あれこれ」>


 今号の特集のテーマは「車いすの工夫あれこれ」です。
 車いすは、私たちにとって大変重要なものです。身体の一部といっても過言ではないでしょう。皆さん“愛車”にはそれぞれのこだわり、身体機能レベル等に合わせた工夫を何かしらされているかと思います。そのご投稿と写真をご紹介させていただきます。
 なお、「車いすの工夫あれこれ」や今までの特集(私の常備薬・尿路管理・頸損と合併症・パソコン入力の工夫・暑さ対策)および連載特集の「介護する側、される側」は、次号で引き続きご投稿をお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。




 <特集> 私のテーブルの工夫 


 食事に行っても車いすで入りやすいテーブルがある所はほとんどありません。テーブルの脚が邪魔になり、身体とテーブルの間に空間ができてしまうのでとても食べにくいですよね。    
 それを解消するために車いす業者に頼んで作製してもらいました。通常のテーブルは取り外し式が多く、いちいち面倒だし置き忘れる可能性もありますが、このテーブルは使用しない時は折りたたんだまま車いすの脇に固定できるのでとても便利です。
 仕組みは、アクリル板テーブルに取り付けたパイプを肘掛けに固定し、テーブルがずれないようにマジックテープでピッタリ留めています。
 どこでも食事や勉強(?)ができ、テーブルが透明で足もとが見えるのでひろげたままでも移動ができます。とても便利ですよ!








神奈川県:S.K.


 <特集> 足操作式電動車椅子 


 私は右足で電動車椅子コントロールをします。ロシア春夏脳炎の後遺症による諸々の障害に対応するため、試行錯誤してできたのが下記の電動車椅子です。
 私の電動車椅子:ヤマハJW−Ⅰ カスタム



①コントローラーを右フットレストの先に装着。コントローラーの上に付けた板を踏んで操作。
 手前→前進
 先→後進
 右→右旋回
 左→左旋回






②自宅付近には坂道が多いので、登坂時の後方への転倒を避けるために後輪を後ろに下げた。
③首の力が弱く、首の角度が発声・発音に影響大なのでTPOに合わせてヘッドレストの位置(高低・傾き・前後)を変えられるようにした。






④バックレストをメッシュ地にして通気性を良くした。弛み対応で背面に6本のベルト付き。背中にしっくりくる。
⑤右アームレストを幅広に右肘を載せておくために115mmに作ったが、結果的には構音障害の私と会話する時に相手の人が横にしゃがんで手を掛けたり、飲物を置いたりする台になった。少しでもコミュニケーションを取りやすくなったかなと思う。これは予定外のプラス。
 実は、このJW−Ⅰは2台目です。1台目の反省を元にして作りました。どうしても首が右に傾くのでヘッドレストの形も右のほうを厚くしてみましたが、どうも按配(あんばい)が良くありません。今後の課題の1つです。
 加齢と共に変化していく障害と共に生きていくために、微に入り細に入りチェックするうるさいユーザーに私はなりたい、と思います。

北海道:A.S.



 <特集> 私の車椅子の工夫 

C5完全麻痺・頸損歴40年

 私は昨年リクライニングの電動車椅子を買い替えました。今までずっとスズキ製のものを使っていましたが、あまりアフタサービスも十分でなかったので少し調べてみましたところ、「イマセン」のはほとんど値段が同じで、バッテリー液を使っていないので、管理しやすいということでした。車椅子の業者の人に「操作性が変わるので最初は運転しにくいかもしれませんよ」と言われたのですが、思い切って「イマセン」に替えました。
 こちらはリクライニングするのも1本のレバーでできるので、自分で自由に操作できました。スズキのは別のレバーのため、私の手の届く所に置くことができなくて、他人に頼んでやってもらわなければなりませんでした。操作性もほとんど変わらなくて、現在快調に動いております。
 ただひとつ、走るスピードを変えるスイッチが自分で操作しにくいため(手の感覚がかなりマヒしているためうまく上げ下げできませんでした)、このスイッチを5センチぐらい長くして簡単に上げ下げできるようにしています。そしてここに電源の差し込み口があったのを、ボックスの下に移してもらいました。この差し込みが少し邪魔な位置にありました。
 もうひとつは、私は膝と股関節と膝関節に異所骨ができているため曲がりにくいので、フットステップは少し広く改良したものを使っています。
 前の電動車椅子には、子供用の日傘が取り付けられるようになっていました。車椅子の背中の枠に差し込むところにつけて、子供用の日傘の持つところに電気スタンドなどで使う自由に曲がる枝をつけて、この先に差し込む木を取り付けていました。強く取り付けなかったのは、急に風が吹いてきた場合に傘が風を受けて横転することが考えられたからです。一部の身内にはちょっとちんどん屋にも似ているし、とても好評でした。ただ、いつも日陰になるように歩くのは難しいことでした。
 あとひとつ、暗いところでも動いているのがわかるように、バックライトをつけて走ることもあります。これは完全に手動で裏についているボタンを押すと、点滅するようになっています。衝突されないようにするためです。

[写真説明]
①子供用の傘です。(実際は差し止めるように作りましたが、わかりやすくガムテープで留めてあります)




②この部分で自由に折れ曲がるようにできています。




③中に単5の電池を2つ入れてボタンを押すと点滅します。



千葉県:H.K.



 <特集> σ(^-^)の車いすの工夫あれこれ 


 (^-^)の車いすは「イマセンのリクライニング式・電動車いす(EMC−710)」です。
業者さんにお願いし、標準の横幅より細くしたり、アームレストの所にフックを付けてもらったりとオプションを事細かくお願いしました♪
 あれこれ工夫した中の3つを紹介します。(^−^)b

[テーブル]
 操作レバーの反対側にテーブルなどを付けられるように【写真A】を付けてもらった。走行中はテーブルを付けていると足先が見にくく、テーブルがないと店内でテーブルの高さが合わなくて困る。【写真B:テーブルを付けた状態】






 テーブルは木製で食事の時だけ付けてもらうようにしていたのですが、2007年の京都懇親会へ参加を決め、テーブルを持って行きたかったのもあり、姿見(全身鏡)を何度も見て思いつきました。
 フットレストと前輪タイヤの間にスペースがあり、ちょうどテーブルが収納できるので、電動車いすの横幅と同じサイズに業者さんにカットしてもらいました。
 介護用品で滑り止めシートを買い、テーブルの大きさにカットして貼る。ホームセンターで丸いねじフックを買い、テーブルの裏側四つ角に取り付けてもらい、布ひもを通しフットレスト後ろ両サイド2カ所とレッグレスト両サイド、計4カ所にしっかり固定。(フットレストの裏側で見づらいかも?【写真参照】)
 使用時に【A】にL字型アームを差し込みテーブルを付ける。




[写真撮影]
 何とか自分で撮影できないかと考え、三脚を取り付けられないかと業者さんにお願いしたところ……。L字型アームと【写真C】を付けるとデジカメで何とか自分で撮影することができます。(自分を鏡の前で撮りました【写真D】)






[水分補給ボトル]
 ふだん水分補給をするのに1リットルボトルを使用してます。【写真E】



 ボトルから口までホームセンターでチューブ(太さがミリ単位で色々あるストローホース)を買い、市販の袋をボトル用に作り直し(母の手作りリサイクル^^)肘置きにくくり付けてあります。【写真B:右の肘置きの所に付けている袋】
 通信販売でボトルとキャップ、ホルダーなどを売っています。
 (株)モンベル http://webshop.montbell.jp/ 
「ボトル」と「スマーチューブブリスターパック」と「スマーチューブ62mmキャップ」があればすぐに使用可能だが、ストローなどはホームセンターで見つけ購入すれば安い。
 σ(^-^)の車いすあれこれで興味があればご一報下されば嬉しく思います♪

Mayumi



 <特集> 乗用車のシートを搭載 

男・C4不全・頸損歴22年


 私の車椅子は今仙のレカロシート搭載車です。リクライニング式電動車椅子のシーティング部をレカロ社の乗用車用のシートと交換した構造になっています。私の生活は、朝、起きて車椅子に乗せてもらって、夜、寝るとき車椅子からベッドに降ろしてもらうまでずうーっと車椅子に座ったままで過ごします。この間こきざみなリクライニングはしますが、それ以外の除圧はしません。それでシーティングにはこだわっています。レカロシートは体によくフィットしてすわり心地もよく、リクライニング時のお尻のズレも少なく気にいっています。
 しかし、いいところだけではありません。まだ、使用しはじめて1年もたたないころでした。ひとりで散歩中に突然バッテリー残量が減り始めて、家にたどり着く前に「END」の表示がでて全く動かなくなり途方にくれてしまったことがありました。あとで調べてわかったのですが、この原因は電動車椅子の電源は24ボルトなのに乗用車のシートのリクライニングモーターが12ボルトであることから起こる電源トラブルでした。メーカーにお願いして、新たに24ボルト電源から12ボルト電源を発生させる装置を取り付けてもらい解決しました。それから2年以上経ちますが、全く電源トラブルは起きず極めて安定して動いています。
 しかし、まだ難問がひとつ残っています。シートの保守の問題です。最近、リクライニングするときに油ぎれみたいなギーギーという音がするので油でもさしたいのですが、それが簡単にはいきません。まず車椅子メーカーに車椅子を送り、車椅子メーカーではシートを取り外してシートだけをシートメーカーに送り、そしてはじめてシートメーカーは必要な保守または修理をします。その後、シートを車椅子メーカーに送り返し、そして車椅子メーカーではそのシートを車椅子に取り付けてユーザーに送り返すということになります。一日たりとて車椅子は手ばなせないのに、保守・修理にこんなに多くの手間ひまがかかってしまいます。今できることはできるだけ丁寧に車椅子を取り扱い、シートに衝撃が加わらないようにし、そして「どうか故障しませんように」と祈るだけです。
 工夫していることは、体が横に傾かないように脇の下に棒座(棒座は長さが50cm程度の木の棒のまわりに綿やスポンジを巻き付けて包み、直径5〜10cmにし、その表面を布で覆ったもの)を入れて、胸バンドで棒座ごと背もたれにしっかりと固定しています。体と背もたれは一体化して動きます。たとえば前方のパソコンのキーが届かないときなどは、リクライニングのスイッチを押して背もたれごと体を前に倒してキーに届くようにします。



  左脇の下に胸バンドの一部と棒座が見える


 つきなみですが、車体に反射板を貼り付けています。懐中電灯は、必要なときにゴムバンドで肘のせに固定して使います。登り坂やバッテリーの電圧が低くなっているときは、バッテリーを保護するために低速にしています。横断傾斜がある道は細心の注意を払って運転しますが、もし、万一コントロール不能に陥ったときは後進で脱出します。無理に前進で窮地を逃れようとすると、どんどん急傾斜の方に車椅子は流れていき深みにはまっていきますのでご用心。
 ガラス瓶のかけらを踏むと、そのかけらがさらにピチピチ割れるときの音は快感ですが、パンクの原因になるのでかけらは絶対に踏まないようにしています。以上が工夫していること、気をつけていることです。何かのご参考になれば幸いです。
  

福岡県:Y.I.



 <特集> ロホ・エアークッションの工夫 


 電動車いすは、基本的には標準製作を考えてノーマル使用を旨としています。改造費より修理費を必要とするからです。軽ワゴン車使用なので天井が低くリクライニング式電動車いすなので斜位で座るため、股間に帯を挟み車いすの座席背後部に結んで固定します。
 ロホ・エアークッション使用ですが、故向坊氏がロホはガスが出んからと敬遠気味でしたが、工夫してみました。
 クッションの中央部(肛門あたり)を凹部にし、後部にガス抜け溝を作ります。方法は簡単です。輪ゴム数本とガムテープです。
 肛門部位の凸を輪ゴムで根元を縛ります。凸部の空気をつまんで下部に押し込み、輪ゴムで留める。隣の凸部も同様に空気を下部に押しやり、輪ゴムで絞めます。
 この2つを倒して重ね、重ねた部分をガムテープで巻き固定します。肛門部のあたりから後部に向けて凸部を輪ゴムで縛り、隣り合わせを倒して固定すればガス抜け溝の完成です。カバーを布にすれば通気性も良いでしょう。腹の張り切ってるのは布袋様か大黒様ですね。
 

広島県:Y.S.



 <特集> 介助者用コントローラー 

C5損傷21年、59歳♂

 受傷後最初に感覚と動きがよみがえったのは左腕だった。1台めの車椅子は左ハンドル(ジョイスティック)にした。左腕にはもともと脊損痛があるうえに使えば運動痛も加わる。なんとか右ハンドルに変えたい。だが10年後に2台めを作った時にもまだまだ右手の動きが鈍くて変更できなかった。さらに10年経ち、左腕の痛みが耐えがたくなり、運転に支障が出るほどになった。そこで思いきって3台めは右ハンドルのものを注文した。完成したあとで使いこなせないことがわかったらどうしようと不安だった。賭けだった。
 長距離移動のさいに立ち往生するかもしれない。そこで背もたれのうしろに介助者用のコントローラーを付け加えた(写真1)。操作ボックスの形は搭乗者用とほぼ同じだが、「搭乗者」と「介助者」の切換えスイッチがついている点が異なる。いざというときは妻に運転してもらう。へべれけになった帰り道など眠っていても自宅に着く。
 車椅子の基本はイマセンの710型。ジョイスティック1本で走行もリクライニングもティルトもできる優れものだ、というのだが、そのままでは使えない。ひじ掛けの先端に操作ボックスがついているのはよくあるかたちだが、ひじ掛けと操作ボックスのすきまにオン・オフやスピード切換えスイッチがついているのはどういうわけだろう。麻痺した指で操作できるようなしろものではない。オン・オフのつまみは押しボタンに変えて操作ボックスの横に置いた。手の甲で叩いて使う。リクライニングとティルトはレバー式にしてもらい、ひじ掛けの横に置いた。
 走行するときはT字型のジョイスティックの上に手をのせているだけだから、車椅子が揺れるたびに手が外れる。ひじ掛けの先端にビーズクッションを両面テープで付けた。手首をのせて手を安定させるためだ(写真2)。バッテリーは乾式だから飛行機に乗る時も外さなくてすむはずだ。充電時間がとても早い(新しいせいか)。
 その他、背もたれはヴァリライトのエヴォリューションバック・トールを使用、やわらかくて背中の痛み対策に一役買っている。座布団はインヴァケアのエアフローを使用、膝のかたちがくずれにくくていい。ひじ掛けはドイツのオットーボック社製、幅が広くて手が落ちにくい。
 左腕はずいぶん楽になったし、右ハンドルにも慣れた。賭けには勝ったようだ。
 


             「写真1」


             「写真2」
 

東京都:F川



 <特集> 折りたたみ式のかごのテーブル 


 私の車いすの工夫は、一人暮らしをする前は手動車いすでしたのでほとんどのテーブルに入れたのですが、電動車いすに変えたことで座面が高くなってしまい、ほとんどのテーブルにひざが当たって入れなくなってしまいました。
 知人に相談したところ、近所の西友に売っているかごを利用したら! とのことで折りたたみ式のかごを買いました。そのかごをひざの上に載せ、テーブル代わりに使用しています。私にとって非常に便利です。ちなみに値段は400円ぐらいでした(横39cm×縦26cm×高さ20cm)。
外出時は、車いすの背もたれに掛けたバッグに入れて持ち歩いています。




 

東京都:K.N.

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