は が き 通 信 | Number.7 |
POST CARD CORRESPONDENCE | 1991.1.25 |
スウェーデン型福祉でも在宅ケアを中心に、大型施設は整理される方向にあるそうです。住み慣れた場所、つき合いなれた人々の中で、一人の社会人として、一人前に扱われて生活の一部を担いながら、人生をエンジョイしていきましょう。
向坊
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2台の試作品は好調に動いています。回転ドラムの軸にギア比を利用して省力化を計ることもできそうです。
向坊
はがき通信の皆さま、こんにちわ。私は福岡市在住のTです。現在55歳。昭和59年4月に大学病院でC4.5固定手術を受けましたが、肩から下が完全麻樺で腕が動かせる程度で、病名は頸椎椎間板ヘルニアということで原因はいまだに分かっておりません。 現在は平坦な道であればどうにか自分で車椅子をこぐことができる程度です。大学病院で4ヶ月、その後りハピリ訓練のため、九州労災病院に1年5ヶ月程入院し、昭和60年12月に退院しました。 妻と2人だけの生活を送っています。昨年12月にせき損センターの訪問看護の方からはがき通信のことを教えてもらい、早速東京へ連絡したところ、すぐにはがき通信1号から6号まで送っていただき、読み進むうちに、私よりも高位頸損損の方々が自分なりの努力と工夫をされ、自立に向けて頑破っていることに感嘆しております。また向坊氏のアイデア、工夫には驚き、敬服している次第です。 2年ほど前からせき損連合会にも入会はしているのですが、別に何の活動もしていません。正直言って頸損の私にははがき通信の方が身近に感じております。 向坊氏は現在フィリピンの方へ行っていらっしゃるとのこと自宅へ帰って来られたら、同じ福岡県内なので一度訪問させていただき、いろいろと教えてもらいたいものと思っています。初めての便りなので、今回はこの位にして今後ともよろしくお願いいたします(この手紙は、□述筆記で妻が書きました)。
福岡市T
Aさんは人工呼吸器をつけているため発声が難しく、聞き取りに慣れていない人との意志疎通がやや困難です。けれども最近ではワープロを使って、いろいろな人手紙でコミュニケーシぎしています。
訪問の折に、ワープロを打っているところをみせていただきました。図のようにベッドに様になったまま、マウススティックが使いやすいように枕をはずして、キーボードをたたきます。 現在使用しているワープロはテキスト画面が小さく、2行13桁しか表示されないのが難点だそうです。もっと大きなディスプレイがあるといいのですが、ベッドにあおむけになったまま、顔の位置にディスプレイをセットすることは難しいそうです。何かのひょうししに倒れてきたらという恐怖もあるそうです。どなたか、よい工夫がありましたらアドバイスをお願いします。
W
今回は、A君やMさんを始め、病院に入院中の人や急性期の方に読んでもらいたいと思い書いてみました。
正月、GW、お盆と年3回の外泊なので、1日くらいは家族をつきあわせデパートヘ出かけてみるのですが、今回はちょっと違った所へ行ってきました。私が7年前のちょうどその日('83.12.30)選ばれた熊谷外科病院です。
お世話になった先生、看護帰さんはいませんでしたが、7年前と病院も変わりなく、ストレヅチャーの上からしか見えなかった病院の中を、車イスに乗って改めて見ると何か新鮮さを感じ、年末にもかかわらず満床のようで正月を病院で迎える人の数に驚きました。 両親に「殺せ」と怒鳴ったり、看護婦を無視し、友達を追い返していました。その結果、一層両親を心配させ、友達をなくすことになってしまったことが未だに後悔することです。動けなくなった、身体障害者にななったということは、仕方ありません。でも自分をコントロール出来るのが、沢渡温泉病院にきてからだったという事が、今でほ事故を起こした事よりも悔しいことです。 「はがき通信」会員の皆さんも、この様な事を乗り切り、今でほ想い出として感じていると思います。私が思うに辛かった過去でも振り返り、二度と同じ後悔をしないことが大切だと思います。一度だけの人生です。皆さん不自由な体に負けずがんばりましょう。
前回号より毎回この紙面でお会いする事になりました。下手な文章で、意味不明な所もあると思いますが、その辺はご了承ください。
群馬県 沢渡温泉病院 TF
1990年12月10日 KM
障害者用パソコン入力装置の項目をたいへん興味深く読む事ができました。特別に小さなキーボードであれば私でもマウススティックをくわえて使いこなす事が出来そうに思われます。折りを見て、取り組んでみたいと考えております。 この本を紹介下さってありがとうございます。この本全体の感想は、頸髄損傷者で障害を受容でき具体的にに何かをやろうと思っている患者にはすばらしい手引き書になると思います。ままだ障害を受容できない患者や一般の健康な人々には興味を持って読める本ではないように思われます。 P.S. S様がトヨタからもらう事にこなった研究費について、できましたら詳しい内容をはがき通信にのせるとよろしいのではないでしょうか。多くの会員の励みになるように思われます。
F
ご多忙中のUさんに、ESCの使用状況に関するビデオだけでもとコピーをお願いしたところ、VHS2本にまとめてコピーして送って下さいましたました。 テープの内容は①フジテレビ/スーパータイム「父と娘・・・」10分②岐阜テレビ/暮らしと県政「知事と語る」20分③NHK/明白の福祉「僕の気持ちを語りたい」45分、これこれは婁鹿児島の筋ジスの方がメインで、Uさんは3分ほど出演されています④NHK教育テレビ/現代ジャーナル「虹のパレット」アートバンクを扱ったもの⑤⑥CBCテレビ/家作り百科/「高齢化社会を考える」9回シリーズのうち、上村さんが出演された2回分⑦「環境制御装置」説明版、横浜リハセンターの畑山先生が名古屋にみえる当時に作られた分です。 ビデオはどれもたいへん参考になり、内容的にも素晴らしいものです。どの番組にもUさんの鎌虚で誠実なお人柄がみじみでていました。
はがき通信第4号に登場した高位頸損者の中から、今回はレス・ピールさん(頸髄1/2番損傷,42才)が、自分や高位頸損者の生き方について語っている部分を紹介しましょう。
彼は前に紹介した2入と違って、仕事をしたり学校へ行ったりしていません。けれども、1日に6時間、最高で14時間、首の筋肉を使って呼吸し、人工呼吸器をはずすことができます。このことが、移動の自由を大きなものにしています。
私には臭いを嗅ぐことも、味わうことも、質問することも、聞くことも、それに議論をすることもできます。人生は恐れるべきものでほありません。考えること、臭いを嗅ぐこと、味わうこと、笑うこと、生きることができないこと、この方が私には恐縮です。 人工呼吸器に依存しなければならない頸損として、私には実際上できるものとできないものとがあります。生活の質について、自分なりの解釈を見いだきなくてはなりません。私は、楽しむことのできるものを楽しみ、参加できないものには注意することを、学びました。また、極端な情熱には用心しなければならないことも学びました。なぜなら現段階では、山頂や谷の危険性よりも水平の方が私にはふさわしいからです。人間関係についてはまだ、私は人生を女友達たちと共有しています。いく人かとは、以前より親密でさえあります。けれども、私の限界のために被女の人生を縮小させることは望まないということを、明確にしてきました。性のことはもはや問題ではありません。触れることさえできないこのレベルでは、情熱をかき立てる思い出を好む方が、たやすいのです。 高位頸損者はみなそれぞれが、自分の新しい人生の枠組みを作ることを学ぼなけばならないと思います。そして、ひとたぴ枠組みを作ったなら、その枠組みを歳大限満たさなけみたさなればなりません満たされれば満たされるるほど、生活の質は高くなります。枠組みの外側にあるものを気にしてはいけません。これは時折、偏狭でトンネルのように見えるかもしれませんが、気にしてはなりません。なぜなら、われわれにはみな、障害者もすべての人にも、限界があるからです。
高位頸損者は、失敗から無防備です。ですから、日々私のタアをしてくれている有能な看護婦に、多くのつまらないちっぽけと思われるようなことにも、注意を払うよう頼まなくてはなりません。高位頸損者としてうまくやっていくにほ、はとんど第6感を必要とします。何が起こるかやどこに導かれるかだけでなく、何が道を誤らせその見通しはどうかなどについても、予想しようとしなけれはなりません。同時に介護者の感情を損ねてはなりません。私は人生のコントロールを失いはしませんでした。私は世話をしてくれる人たちを監督することができます。また、私の毎日の限られた時間表を、私が楽しむことができるものに割り当てることができます。
社会学研究室 W
向坊弘道著「甦る払教」2月1日出版の予定
定価は1200円、送料300円です。
社会学研究室 W
あとがき
対麻痺の女性が中心となって無年金者の会が閑西で結成されました。次考でその紹介もいたします。またSさんからいただいた福岡市市民福祉サービス公社のニュースもできれば次号で紹介したいと考えています。 次号は3月下旬です。皆さまの通信をお待ちしています。 |
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