は が き 通 信 | Number.8 |
POST CARD CORRESPONDENCE | 1991.3.25 |
お変わりありませんか。今年も暖冬のようですね。NHKのラジオが聞けるので、日本のニュースはすべてわかります。今年は中東戦争のニュースがが大部分です。最近はこちらでもすごいインフレで満足に食べられない人が多くなり問題です。ここ1カ月間家の改築をし、車イスから監督をしていたので少し疲れましたが、物価が上がってしまわないうちにと思いあわてました。
向坊
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車イスの日本人身障者、S薄、向坊、T、残り2人は現地の人1月13日現在、フィリピン政府認可「障害者の家にて、マニラ南方130キロメートル、由立生活の為に、1人の身障者が2人のヘルパーを雇い、一国一城の主になる訓練をしています。 とは言うものの、昼からは井戸端会議ばかり。重度の人だけ。生活費は1ヶ月3万5千円也。冬の間だけ滞在する人が多く、現地で結婚して永住しているのは薄さんだけです。
向坊
最近は、また色々な話しが持ち上がっています.環境制御装置を付けようだとか、パソコン通信をしてみようとか。その中でも今一番考えているのが横隔膜ペースメーカーの手術の事です。自分としては受けてみたいと思っているのですが。不安も沢山あって、悩んでいます。 アメリカではこの処置をして仕事をしている人や大学に通っている人もいるそうです。でも、俺はそんなふうにできるのかな?と考えています。俺にそんなに自立心が有るのかな、と考えています。たまに考えすぎて疲れてしまう時があります。今は成るように成ると思っています。まだ何一つ決まっていません。どうなるかもきっはりわかりません。少しでも実現できれはと思っています。 あ−、何を打っているのか頭の中がこんがらがって釆ました。ここらまでにしておきます。また何か起きたら手紙を出したいと思います。それじゃ また。 2/28
足立区 IA
以前、渡辺さんのレポート「Uさん訪問記」で環境制御装置を紹介しましたが、その後システム構成に新しい環境制御装置(ECS)を追加しましたので紹介します。とても有効です。
新しいECSは名古屋のメディケア制「R.50ECS」と言います。このECSは赤外線式のリモコン信考を学習するタイプです。 2.システム構成
R.50ECSは、これ単体でも使用できますが、アイホンなどの従来のECSと接続して使うことができます。接続およぴ学習は簡易です。
操作感はとても軽快です。50chは一巡するには多すぎる感覚もありますが、マニュアル・オート・スキャンと呼ぷ「chの順送り」はとても軽いので、12−13秒ほどで1巡り(可変機能付き)してくれます。
費用は30−40万だと思ってください。具体的な数字がでないのは、メディケアが利用者の利用形態に合わせて、一部仕様を変更したり、設置のためのパーツや操作スイッチが変わるからです。
メーカーのメディケアは、名古屋の守山友愛病院の医療機器部門の販売系列会社となっていますが、実際の設計・作成者は、守山友愛病院の技術部長・松本浩嗣氏です。
SU
Uさんの通信を読んでいて、やや古い報告ですが、ECSの活用者は男性に多く教育活動やや社会活動の参加頻度が高いという米国の調査結果を思い出しました。チャンネル数の増加がそのような社会化を促進する方向に活用してほしい、また、便利さから必要以上にベット上の生活時間が長くなったり、「テクノストレス」の弊害にまきこまれてほしくないと思うのは、心配しすぎでしょうか。 拝啓、宮崎へプロ野球球団巨人軍がキャンプにやってくると寒くなるというジンクス今年も崩れることなく急に寒くなり少しだけ雪も舞いました 2月23日土曜日にKSさんがNHKの『明日の福祉』に出演されていましたので視聴しました。この番組の中で感じたことは電動車椅子のスビードの速さ、リフトパスの普及等々驚きました。 明るくて活動的な性格がひしひしと伝わってきました。まだまだ寒い日が続きますが風邪などひかぬようみなさんお元気で。敬具。1991/2/25
KM
突然、「あなたの生き甲斐は何ですか?」と聞かれて、すぐに答えられる高位頸損者は少ないと思います。そんなことを考えきせられる事がありました。 私が沢渡温泉病院に転院した当時、入院されていた方と思わぬ事で再会する事ができ、いろいろと話を聞かせていただきました。その方は、数十年前仕事中の事故で対麻痺となり、妻子もあったのですが離婚をされ退院後も復職もせず、1人で途方にくれている時期が数年続いたそうです。 でも、ある障害者の集いに参加し、脳性麻痺の女性と知り合い、同じ陣告を持つ者同士助あい、数年の共同生活をへて、今では新居に移り再婚をされたそうです。
彼は、よく「身体障害者となった後、結婚される人は多いが、彼女と知り合い全く人生観が変わった」と話され、障害者だから坊主でいい、外へ出ないのだから一日中ねまきでいいと思っていたのが、今では受傷前よりもおしゃれになり、積極的になったそうです。
群馬県 沢渡温泉病院 TF
私もせき損者の調査のたぴに無年金生活者の尚題がでできて、何もできずにいながら気がかりでした。会の結成を新聞で知ったとき、すぐに代表の鈴木さんに連絡をとり、本を送ってもらいました。 「無年金障害者の実態、実状というのは考えていたよりひどいものだということがよく分かりました.・・・運動を始めた頃には、保険料をさかのぼって払う方法で救済をと考えてもいましたが、今ではそんな考え方は吹っ飛んでしまいました。こんな実態があるのに国は何をしているんだと腹立たしい気持ちです」というお手紙を下さったSさんは、会の結成に対する反響の大きさに驚くと同時に、無年金者の生活改善の運動に協力を呼びかけています。 連絡先:無年金障害者の会 : 電話 06(432)2775: 郵便振替 神戸8-14528 日本社会事業大学の助教投で、当社会学研究部門の非常勤研究員であある佐藤久夫氏の著書「障害者福祉論」(2500円)が誠信書房から出版されました。障害者福祉の理念や障害の概念など、新しい理論が展開されています。本書を読まれた方、感想などお寄せ下さい。 関西の医師や研究者等が中心になって、障害を持つ人入を対象とした「さわやか健康ライフ」感編集委員会編「審さわやか健康ライフ」(1400円)がせせらぎ出版から出版されました。この本は、私たちがパソコンの便利さなどについ忘れがちな健康管理や精神面の県庫を維持することの重要さを気づかせてくれます。また日常生活での健康障害の対処方法について知識やたントを得ることができます。
編集部
ホワイトネック他編 『高位頸損者のマネージメント』(1989年) −その⑦−
今回は、米国の高位頸損者の生活に関する統計的な調査結果を報告します。
調査の対象となったのは、1973年から1983年の間に3カ所の外傷性せき損センターのいずれかに1年以内入所した頸髄4番以上の完全損傷者216人です。その損傷レベルは
C4が59% 216人中、センターを退所するさいもなお人工呼吸器を必要としていたんは35%(76人)、また216人の退所先は自宅が74%、病院9%、ナーシングホームなど7%、グループホーム3%、残り8%(17人)は入所中の死亡者でした。 一日の車イス使用時間が5時間以上は自力呼吸の高位頸損者が92%にたいし、人工呼吸器使用者でも83%と高く、また外出の頻度が週3日以上は自力呼吸の高位頸損者で2/3強、人工呼吸器使用者も約2/3とほぼ等しい頻度でした(注:.母数は原文に明記されていません)。 さらに高位頸損者の生活時時間が次の表で示されています。皆さんの日常生活と比較しながらご覧下さい。
東京都神経科学総合研究所 社会学研究室 W
Uさんはそのお手紙と一緒に、ご一家の生活の一端を紹介されたビデオテープを送って下さいました。そのなかにコンピューターグラフィックスの題材となる図案探しに出かけられる場面があり、上村さんが題材探しに苦労されていることを知りました。
岐阜県 KU
「私のバークレー視察旅行の目的であった、町の構造や交通機関・福祉制度・障害者の自立の現状などは、自分なりに体で感じ目で見て来ることが出来たと満足している。そして、特に最も大きな課題であった“私がアメリカヘ行ってくることができるのか?”ということに関しては、大きなトラブルもなく私にとって大きな自信になった。このことは、私だけでなく私と同じような重度の障害を持つ人にも、よい励みになってもらうことが出来ればと思っている。
松井
今現在でもこの観念にとらわれて金縛りの状態になっております。言葉の上だけでは生産的な仕事に従事できない障害者でも、何らかの意味で社会に貢献する事が可能であるなどと述べていますが、どうしても私自身の心の奥深くで納得できないのです。 それゆえ障害者の権利など自信を持って主張できないのです。現在の私の独りで閉じ込もっている生活は、そこに起因しているのです。障害者の存在は税金の無駄遣いではなく、障害者が文化的な生活を営むのは民主主義の発展に貢献し、歴史を進展させる正しい道であることが証明されれば、私の生きは大幅に変貌をとげる事は間違いないでしょうでしょう。これは私だけでなく、世の中の大部分の障害者についててもよく当てはまる事実であると思います・・・・」
あとがき ニュースで紹介した「さわやか健康ライフ」の中で、私が関心を持ったのは「人づきあいが下手で困っています」という質問に、「人間関係はテクニックの問題ではありません。上手や下手ということはあっても基本的なことではなく、あなたの誠意がどれほど素直に表現できるか」という一節でした。 もうすこし著者自身の説明を加えると「困ったときに頼りに出来る人こそ真の友人です。そのような友人との出会いは、誰にでも開かれているものです。それを捉えること、上手とか下手の問題ではありません。誠意を示すことができるかできないか、誠意に応えることができるかできないか、誠意には誠意を持って応える。これが人間関係の基本です」 このはがき通信が皆きんにとって、そうした出会いのきっかけになっていければと、願っています。 今回は通常の8ページを越える原稿が集まりましたので、印刷や発送をを担当して下さっているS氏の負担をかえりみず、きりよく10ページにするため、あとがきに余分なことを書いてしまいました。お許し下さい。 弓ミたぬぎれにならなも→*たねぎれにならないだろうか、と向坊さんが心配されますが、皆さんの協力のお陰で今のところ定期的に発行できる原縞が集まっています。毎月、奇数月の25日を発行日として通信の準鵬しています。次号は5月25日を予定しています。皆さんのお便りをお持ちしています。
松井
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