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電動車イスの試乗報告
現在、今仙のフルリクライニングの電動車イスに乗っていますが、下記のAでまとめるてあるように問題点があり、Bのように外国製に出会い、試乗を申し込んで実現しました。
- A.今仙のチンコントロ−ル式リクライニング車
【 問題点 】
- 座席が高いので走行時の安定性が悪く、車両の中での視界が狭い。
- 車イスの重量が重すぎる。
- バッテリ−の着脱が難しく、バッテリ−液のチェツクがしづらい。補充液も入れづらい。
- 坂道でのトルクが不足している。
- ア−ムレストの脱着ができない。(一般乗用車へのトランスファ−が不可能)
- リクライニングの際のモ−タ−音がTV音を消してしまうぐらいに大きく、騒音に近い。
- 電気系統の断線などでの部品交換が難しいので、使用後3年前後で電気系統の磨耗による誤動作等が発生する。
- フットレスト他オプション部品がなく、全て注文生産である。
- 速度の問題。(もう少し速く)。電磁ロックの間合いの問題。(もう少し短く)
上記のような点を常にメ−カ−側の営業マンにも言い続けてきた。しかし、改善希望が的確に開発担当技術陣に伝わっていないようである。メインテナンスも考慮してぜひいいものを開発していただきたい。
今仙の欠点ばかりを指摘したが、今仙の名誉のためにも、本機種のすばらしい点も書かなくては嘘になる。なんといっても、この車イスのおかげでずいぶんと助かっている。
【 すばらしい点 】
- リクライニング機能が2軸で、背もたれとシンクロして座席面も上昇するので、リクライニングを繰り返しても座席面のずれが無く、座位を保持できる。
- リクライニングすることにより座圧のかかる部分も変化するので、仙骨部分の褥痩防止効果がある。おかげでここ15年近く臀部付近に辱痩を作っていない。
- チンコントロ−ル機能がスム−ズで、体と一体感がある。
- チンコントロ−ルをスウィングアウトできる ので、マウススティック等を使って様々な作業ができる。(ワ−プロ、パソコン、読書、TEL、リモコンのON/OFF等)
- 値段が輸入品と比べると手頃である。
- 【 その他 】
- 国産でスズキのリクライニング車があるが、これは最悪である。リクライニングを繰り返すと、座席面がずれて、ずっこけてしまう。おまけに、チンコントロ−ルのスウィングアウトなど作ろうとしない。売れて、利益のあるジョイスティック車のみを優先し、利益のないリクライニング車に力をいれないという、会社側の姿勢は一番の問題点である。それなりの企業であるのなら、少々利益がなくても、社会的にニ−ズのある商品であれば、企業利益を社会還元するという姿勢も欲しいものである。その点、スズキより企業規模が小さいにも関わらず、今仙の姿勢には頭が下がる。過激に言えば、スズキの不買運動でもしたいほどである。いやそれよりも、トヨタ、日産、松下でも良い、日本の大手企業の参入があればよい。
- B.外国製『アクション』と『クィッキ−』に試乗して
- 『アクション』は輸入業者の都合で、リクライニング機構のない電動車イスにヘッドコントロ−ルの枕がついたものに試乗。ある程度乗れば使いこなせるかなという実感。
『クィッキ−』はプロポ−ショナル式ヘッドコントロ−ル (Proportional:比例的)
とリクライニング機構付きに試乗。ヘッドコントロ−ルが予想以上に敏感に反応するため、頭のちょっとしたぶれで蛇行し、意外と直進に手こずる。
- ヘッドコントロ−ルについて:
- 試乗時の感覚だけで言えばスイッチ式の方が制御しやすく、乗り易い印象を受ける。両者とも制御ボックスで様々な条件をプログラミングできるので、プロポ−ショナル式でも反応を鈍くすればスイッチ式と大差無くなるとの事。
- ヘッド部分のスイッチだけで、前進、後退、リクライニング、を制御しているので、私のように貧血が多く、リクライニングをよく使う者は呼気スイッチも併用した方が良いのかとも思う。
- 走行について:
- 室内と外出時の走行条件をインプットできる。従って、速度や上記の反応等についてもあらかじめ各自の状況に合わせてセッティングできる。
- 速度は両車ともつまみ一つで調節可能。
- ラッチ機能に入れば、何もしなくても、電動車イスが直進してくれる。長い横断歩道などに便利。
- フルリクライニング機構について:
- リクライニングの際、背もたれ部分が上下して体のずれを補正しているため、1軸でも座位の保持に関して心配ない。
- プログラミング可能な制御について:
- オプションを購入することによって、環境制御も可能。(電気機器のON/OFF、カーテンの開け閉め、部屋の鍵のロック等)ただし、現在は日本の電波法等で使用不可?。
- その他:
- 座面の高さは下記のとうり
今仙:60Cm
アクション:57Cm
クイッキ−:55Cm(要望としては50Cm以下)
- バッテリ−の着脱は両者とも容易にできる。従って、別々に搬送も可能。
- ア−ムレストの着脱可能。
- 電磁ロックの間合いの調整が簡単。ブレ−キの間合いをその場で調整した。
- 故障した場合の費用等、メインテナンスは心配である。
- 購入価格
両者ともどこまでオプションを付けるかで変わるが、180万円以上と思う。
- C.まとめ
- 現在、アクションのヘッドコントロ−ルを購入予定で、厚生省に基準外交付申請(約200万)している。また、東京都補装具研究所の車イスティ−ム(広瀬さん)と今仙とで、現行の今仙のリクライニング車の座席を低くし、リクライニング部分を油圧にして静かにする事を検討してもらっている。
ベストなのは、今仙でもヘッドコントロ−ルができ、現在検討中の事項が実現され、カラフルになるなど、デザイン的にも外国製に迫れば日本製の今仙リクライニング車が一番よいチョイスになる。今仙車の欧米への輸出も夢ではない。
クイッキ−にしてもコントロ−ルユニット等にかなりの研究開発費をかけ、生産されている商品を見ると、少々高価でも必要な人間は購入することを示していると思う。それは、自分の足の代わりだから当然なのだ。
このように考えてくると、日本のメ−カ−はもっと技術レベルの高い商品を投入し、利用者のニ−ズに応える体勢をとってもらいたい。
交付基準内の金額で納まる車イスのみを生産するという考えは、もう時代遅れになりつつあるのではないだろうか。
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上記のMOさんの「電動車イスの試乗報告」をもとに、関連するホームページを検索したところ、クイッキーとアクションのホームページを見つけました。(1998年7月5日現在)
左の写真はアクション製品です。
イマセンは、まだホームページを作っていないのか、見つかりませんでしたが、「maro's
home page」の中の「福祉・看護機器ガイド」のコーナーの「電動車椅子(四輪車)」のページに価格表が載っていました。
インターネット版「はがき通信」編集部(1998.7.5)
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ひとくちインフォメーション
◆ いい湯だな!
夢運び人さんから手紙をいただいて、私たちは障害者の方に対し、多くの情報を提供していないことに気付きました。
私たちの温泉センタ−の料金は次のようになっていて、頚髄損傷者の方たちも大歓迎です。
「わくわくかわなべ」温泉センタ−
障害者用浴室の使用料金は2時間以内=500円(超過30分毎に100円)
今後は、障害者の方にも楽しめる旅の情報を、もっと多く紹介できるよう努めてまいります。これからもよろしくお願いします。敬具
〒897-02 鹿児島県川辺郡川辺町平山 2890-1 「わくわくかわなべ」温泉センタ−
田中
TEL: 0993-56-6288. FAX: 0993-56-6290.
◆ 在宅勤務の説明CD
ISDN回線を使ってる人にNTTが「まるちねっとあい」というユーザーサポートを開始して、情報冊子とCD-ROMを配ってるんやけど、このCD-ROMの最新版にプロップと野村総研の「リモートワーキング共同実験」のことが動画(ビデオみたいなん)で詳しく載ってます。
#無料でくれる「おまけCD-ROM」です。この「おまけCD-ROM」はISDNを勤務先で使ってるとかでも貰えます。
#詳しくは0120−0001116(NTTサービスガイド)で「まるちねっとあいのCD-ROMについて」と聞いてみて下さい。
プロップ・ステーションへお申し込みの場合は、返信用封筒(CD-ROMの入るサイズのもの)にご住所、お名前をご記入のうえ、190円切手を貼ってプロップ・ウイング宛にお送り下さい。注:このCD-ROMを見るには、CD-ROMとサウンドボードの付いた、MacまたはWindowsマシンが必要です。 S
〒530 大阪市北区同心 2-4-20-803.
プロップ・ウイング宛 TEL & FAX: 06-881-3866
◆ 新刊コ−ナ−
- 「脊髄損傷者のための性と出産のガイドブック」岩坪+小谷+小川+柳著(三輪書店)\2000
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この本は、労災福祉年金協会に寄せられた相談がきっかけとなって、専門医がまとめた「性と出産にかんする相談マニュアル」を一般向けに出版されたものです。
本の内容は、性と出産のしくみ、脊髄損傷でおこる性の障害、脊髄損傷者の諸問題と性機能障害、性機能障害の実態、性と出産に関するQ&Aという構成です。これまで専門医が医学会で議論してきた最新の情報を分かりやすく、イラストや写真入りでまとめた本です。たいへん参考になります。付録として、「性機能障害の診断・治療専門医療施設・医師の全国リスト」も掲載されています。御注文は全国書店で。
- 「人権ガイドラインを展望する」
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現在の療護施設の利用者の状況を理解し、各地の新たな取り組みを知るにはなくてはならない1冊です。主な内容は以下の通り。
第1部 第2回「施設調査から人権ガイドラインを展望する」シンポジウムの記録
第2部 各地の実践紹介「療護施設自治会全国ネットワーク」「日野療護園入居者権利・義務ガイドブック」「障害者ネットワーク香川の歩み」LADD編の「第1回派遣研修報告書」など。
第3部 「施設生活と環境についてのアンケート」
注文方法 : 一冊あたり1500円に送料\300円を加えて口座番号 00130-8-613586 加入者名 全国療護施設生活調査委員会で郵便振替を御利用下さい。
問い合せ:〒206 東京都多摩市唐木田 1-30-15 全国療護施設生活調査委員会
伊藤勲
TEL: 0423-39-6750 FAX: 0423-39-6243
- 「続・甦る仏教」向坊弘道著(自費出版)\1200
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題名はいかめしいのですが、中身は肩が凝らない環境問題の本です。電動車イスでのヨーロッパ旅行なども載っています。御注文は向坊(TEL
& FAX: 093-741-2413.)または、東京・樹心社(TEL & FAX: 0425-77-2778.)へ。
◆ 商品コーナー
- 【譲ります】
- 車椅子。バスケット用の車椅子(2年使用、18万円で特注したもの) 座幅40×40㎝.24インチ.アルミ製(無料ですが、送料は負担してください)
- 【売ります】
- ロホ・クッション(クアドトロ ハイ、ほとんど未使用5万4千円で購入) 38×38㎝.高さ8㎝.ポンプ・カバー等一式を3万円+送料で。
連絡先:福岡市 末岡(詳細な住所・電話番号は情報交換誌「はがき通信」にて)
- 【譲ります】
リモコンのスイッチを山の形に高くすれば、触るだけで作動できますが、近頃はやりののゴム系のスイッチには接着できる薬品がありませんでした。スイス製
COLTEX FINE と COLTEX MIX を混合すれば強力な接着剤になりますので、少量ですが無料で譲ります。
グリーンライフ研究所
編集後記
● 浜松で会いましょう
「はがき通信」会員の懇親会(仮称)は浜松市で10月10日〜13日に開催されます。年に一度、頚髄損傷者で顔を会わせましょう。会場の「厚生年金・サンピア浜松」はJR新浜松駅から2㎞です。関東の方は日帰りも可能です。30分の発表にはビデオテープ、写真やアルバムの持ち込みを歓迎します。
現在の申込者氏名:
F(宮崎県)、I(熊本県)、H(大分県)、S(福岡県)、向坊(福岡県)、M(福岡県)、G(福岡県)、K(広島県)、H(広島県)、H(広島県)、S(大坂府)、M(静岡県)、S(神奈川県)、O(東京都)、F(東京都)、S(埼玉県)、F(埼玉県)、T(岡山)、ボラ(地元「きくすい」)
ほとんど満員に近づいています。あと1、2名は予約可能ですので、参加ご希望の方は御一報下さい。
●会費納入御礼
「ハガキ通信」会員は約250名以上になり、そのうち92名が年間購読料千円の会費を送ってこられました。また、21名は寄付金を添えておられました。現在現金21万円余りと切手4万円余りがあります。大変ありがとうございました。尚、一回の発行の経費ですが、印刷代が1万円、郵送料が3万円、封筒代など雑費が5千円くらいで、合計約4万5千円です。ご協力者にもお礼を申し上げます。東京の会員、KFさんには校正をやってもらっています。イラストを寄せたのは三重県の学生、本村さんです。ありがとうございました。
発行委員 向坊
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