は が き 通 信 Number.40---P3
POST CARD CORRESPONDENCE 1996.7.25


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頸損連絡会・神奈川総会に参加


5月18・19日と全国頸髄損傷者連絡会・神奈川大会が開催されました。今年はとても手の込んだ総会でした。
いつもの通りに家族運転の車で、カーサ・ミナノを9:30に出発。熊谷駅から「とき」で40分、東京着。これくらいの外出だと指定券を取らず、自動券売機で自由席特急券を買う。皆さんご存じのレンガ作りの地下道を通り、「こだま」に乗り換えて20分、新横浜着。

駅前に出ると車椅子の仲間が数人待機していた。ここから6人くらいの斑に別れて、横浜市営地下鉄を使ってのトレジャーハンティング。スッタフが要所要所にいて、横浜や鎌倉にちなんだクイズや暗号を解いていく。さすがに横浜市営地下鉄はエレベーターなどがよく完備されこ、特にホームと車両の段差を解消するための鉄板スロープは便利でした。ぜひ、JRの在来線各駅に欲しいです。

ランドマークタワーに入ると、数年ぶりに会う人、数力月ぶりに会う人で、話に花が咲く。これだけの車椅子とボランティアを、どのように会場まで移動するのかと思ったが、リフト付き観光バスとリフトバス数台で葉山に移動する。

ロフォス湘南の会場は広くきれいで、部屋もトイレとシャワーは使えないものの、車椅子をベッドサイドにつけられる広さ。おなじみの顔や初めて会う人たちと、テーブルを囲んでの情報交換。

「どこかで会ったような.‥.」人ばかり。皆さん積極的に公共交通機関を利用し、このように参加するのを見ていると、パワーや勇気を感じるとともに、このような友人たちを持った自分を嬉しく思った。

式典が終わると、各部屋での恒例の飲み会。電動車イスの私は、この時とばかり情報収集にいくつも参加者の部屋をとびまわり、ベッドに上がったのは深夜2時を回っていた。

翌日、皆さん眠い目をこすりながら総会に参加。各支部の活動報告や役員改選も12時前に終了し、昼食を食べてリフト付き観光バスでロフォス湘南を後にする。私の頸損連絡会の単独参加は2度目ですが、このように会場や宿泊先での介助が決まっているところであれば、ひとりでも安心して出かけられるようになりました。私たちは、褥蒼や尿路管理、排泄などいろいろな制約があります。頸損者が外出する場合、私もそうですが「失禁を恐れアルコールを控えたり」「まだ、皆さんと話していたいのに褥蒼が心配でベッドに上がったり」と、どうしても自分を押さえてしまいがちです。

でも、私たち障害を持つ者も、旅行に行くなり、飲みに行くなり、障害のない人と同じ楽しみを求めて楽しい思い出を作るために外に出るのです。「たとえ、お尻の皮がむけても‥..」の気持ちだけは持ち続け、自分なりのギリギリの線を早く見つけてもっともっと外出や旅行を楽しむべきだと思います。

来年は、大阪での総会開催だそうです。関西・中国・九州地区の皆さんに会えるのが今から楽しみです。

TF




「施設と人権」四国シンポへのお誘い


私たちは施設利用者自身の生活向上をめざし、情報交換をしている団体です。このたび、私どもも呼びかけ団体に加わり、療護施設利用者のための「療護施設と人権」四国シンポジウムが下記の要領で開催されることになりました。

このシンポはすでに3回めであり、今後の施設利用者の権利擁護やQOL向上に向けて大きなカとなることはいうまでもありません。また、個別のパート(記念講演・シシポジウム)がこれからの障害者運動全体への大きなヒントを与えてくれることは皆様にお約束できると思います。

さらに、現在、各地の療護施設の利用者たちがお互いに連絡を取り合いながら、全国規模にまとまろうとしているところです。ひとりでも多くの方に、ひとつでも多くの施設にこのシンポに参加していただけるようお願いします。

開催日時 1996年9月7日8日
開催場所 松山市総合福祉センター(松山市若草町8-2)
TEL 089-921-2111
開催日程 7日
12:30 自治会ネット・職員ネット
15:00 記念講演(メアリー・ルー)
18:00 自治会ネット・職員ネット
8日
09:45 シンポジウム
13:15 閉会
開催要綱
参加申込先
〒790 愛媛県松山市中村5-25 長生荘
障害者の自立支援センター」気付 小蜂和守




重度四肢麻痺者メーリングリストがスタート


少し前なら脊損の団体の中の頸損がそのニーズの違いから新しい活動形態を摸索していたように、ここ数年では頸損の団体の中でさらに高位頸損者のニーズが顕在化しつつあります。

それを早い時期から指摘されて地道な活動をされてきた「はがき通信」の松井先生、また就労という当時としては突拍子もない切り口から動き出されたSさんには頭が下がり表す。

つい先日、人工呼吸器を付けて生活しておられたSMさん(大阪市東淀川区)がちょっとした事故で亡くなられました。相談相手や情報、メンタルケアなどが十分あればこのようなことは少しでも防ぐことができるのではないかと思います。

そこでできることは何かないかと考え、このメーリングリストを作りました。このシステムは、Prop FC Net (First Classという Macintosh のマルチメディア通信サーバ)のメイルリストを「Simなにわ」ゲートウェイを通じてインターネットに接続することで実施しています。

したがって、インターネット・プロパイダが提供するメーリングリストに比べるとかなり見劣りしますが、情報の交換を主に考えていただけるとある程度の機髄は果たせると思います。

なにかみんなに伝えたいことがある時は、

SQ@prop.sim-naniwa.or.jp

あてにメールを出していただくと、自動的に登録者全員に配信されます。

ニフティからは「宛て先」のところで、

INET:SQ@prop.sim-naniwa.or.jp

と入力してください。他のネットの方は、それぞれのインターネットメールの書式に従って発信してください。名前の由来は「Severe Quadriplegics」の頭文字からとりました。もっといいネーミングがあれば募集します。(^_^;)

現在、登録している人は最後に掲載しておきます。スタート時点の参加者は「Hello! Working Quads」参加者+アルファです。新しく参加希望あるいは削除を希望される方は、

saka-ue@prop.or.jp

T_Saka-ue@prop.sim-naniwa.or.jp,

のいずれかにお手数ですがメールをください。(自動登録・退会ができるほどのシステムではありません(^_^;))

「はがき通信」や Working Quads の関孫者にはぜひ参加してほしいです。募集対象者は、高位頸損者およぴそれに準じる重度障害者、その家族、関係者などとします。

使い方に不安な方はテストをかねて簡単な自己紹介でも書いてください。質問は私宛でもメーリングリスト宛でも結構ですよ。

なお、このメーリングリストは、「はがき通信」や Working Quads の活動を疎外するつもりはありません。むしろ、それぞれの活動の補完的な役割ができればと考えています。

それから、誰かが同じ趣旨でもってインターネット上で本格的なメーリングリストをたち上げられる時はよろこんでこのメーリングリストを閉じたいと思っています。

参加者リスト(あいうえお順)

PXX11132@niftyserve.or.jp+ GZF31022@pcvan.or.jp
LEB05217@nirtyserve.or.jp
VYA01506@nirtyserve.or.jp
KN645257@copernicus.or.jp+ GWE78181@pcvan.or.jp
KFR05061@niftysene.or.jp
PEE01223@niftyserve.or.jp
QWF03274@nirtyserve.or.jp
GED03005@niftyserve.or.jp
saka-ue@prop.or.jp+ T_Saka-ue@prop.Sim-naniwa.or.jp+ CXG00553@niftyserve.or.jp+ NMC01250@nishi.or.jp
QZE07711@niftyserve.or.jp
PFG01264@niftyserve.or.jp
KYF03316@niftyserve.or.jp
GHC03227@niftyserve.or.jp
VED01101@niftyserve.or.jp
DKB30891@pcvan.or.jp
PFG01761@niftyserve.or.jp
KHC02322@niftyserve.or.jp
kmatsui@akiha.hama-med.ac.jp
JCH01214@niftyserve.or.jp
GBE01205@niftyserve.or.jp
BXE06432@niftyserve.or.jp
JCG00660@niftyserve.or.jp+ NSE06112@pcvan.or.jp 
PXC06112@niftyserve.or.jp


大阪 うめ吉




松井先生の新刊本によせて


『頸髄損傷自立を支えるケア・システム』松井 和子著(医学書院)が新しく出版され、6月末にさっそく読ませていただきました。

『頸髄損傷自立を支えるケア・システム』松井和子著(医学書院)
定価\2800+消費税


第1部では「頸髄損傷とは」と題し、頸髄損傷者の現状・身体・心、そしてセルフ・ケアやその必要性まで、とてもわかりやすく書かれています。

また所々に、私たちが過去に書いた「はがき通信」や頸髄損傷者本人が書いた本より“生の声”が抜粋されており、私たち自身による「頸髄損傷者の生活の記録」とも言えます。
またベンチレータ依存のC2以上の頸髄損傷者の生存、生活、ケアにも迫った初めての本ではないかと思います。

第2部「日本の頸髄損傷」では、向坊さん・STさん・YKさん・RGさん・TSさん・IAさんの事例が紹介され、年齢・残存機能の異なる頸髄損傷者の被災から現在に至るまで、本人、家族や回りの人たちの対応が報告されています。
私は特に、向坊さん、Tさん、Kさんの自立生活を興味深く読ませていただきました。

第3部はカナダ・BC州の活躍する4人の頸髄損傷者の事例とともに、最先端と呼ばれる頸髄損傷者に対するケア・システムが報告されています。頸髄損傷者に対する見解の基本的な違い、特にカテーテル留置者の膀胱洗浄やカテーテルの交換の回数、それに薬を使わず、医療ケアが非常に少ないことにも驚きました。

この本を読めば「厄介者」「可哀想な人」と言われる手足の麻痺した私たちに対する見方、考え方が、きっと変わることと思います。

私たちに情報提供はもちろん、時には優しく時には厳しく、生きる勇気を与えてくれる松井先生が“頸損の母”の立場から、諸問題を世に訴える内容の濃い本です。
定価\2800+消費税で、全国の書店でお求めください。 医学書院:TEL0338175600

広報委員  麩澤




ひとくちインフォメーション


● 浜松で会いましょう

お変わりありませんか。「はがき通信」へのご協力感謝しています。 さて、「はがき通信」会員の懇親会(仮称)は松井先生の転任地、浜松市で10月10日13日に開催と決定しました。年に1度、頸髄損傷者どうしで顔を会わせましょう。
宿泊ホテルは「厚生年金・サンピア浜松」で、1泊1人約\4500.夕食\2000.です。

 10日はツイン13部屋、シングル6部屋、
 11日はツイン11部屋、シングル6部屋、
 12日はツイン12部屋、シングル6部屋、

予約してありますので、申し込み順に名前を登録します。定員をオーバーした方は別のホテルになりますので何かと不便です。参加できる方は早めに松井、麩澤、または向坊へお知らせ下さい。

会場の「厚生年金・サンピア浜松」はJR新浜松駅から2kmの近距離です。浜名湖までは1kmですから、散策も楽しめます。天然の鰻がおいしいそうです。

毎日のスケジュールとしては、午前は自由時間、午後に発表会、夜は懇親会というノンビリペースです。
また、参加者は1人30分くらいで発表をお願いしています。できれば説明用の写真、ビデオなどの資料があれば助かります。よろしくお願いします。なお、今回はカナダ・BC州からの参加は準備日数不足のため、難しいようです。暑くなりますのでご自愛ください。

発行委員 向坊
商品コーナー

● TETSUYAさんのコンピューターとYさんのマンドリン共演によるCD「ノスタルジア」は人気上昇中。\2000です。 関東エリアであれば出張演奏します。よろしくお願いします。

申し込み先: TETSUYAさんまで

● 携帯用リフター2種

旅行にも持って行ける。車イス→自動車助手席→ベッド→風呂のどの移動も思いのまま。アルミ製分解式地上リフターで、キャスター付き(18kg)が27万円、首振りキャスターなし(15kg)が25万円で販売中。代理店募集中。

グリーンライフ研究所

● 寝たきり・マットと車イス・マット

モトクロス用バイクのエアーフィルターにも採用されている、驚異の通気性で評判の素材です。寝たまま床ずれも治るという寝たきり・マットは\6000+送料。車イス・マットは\7000十送料。グリーンライフ研究所

● ギャッジベッド用モーター

手動ベッドを電動ベッドに変換します。取り付け簡単、コンパクト、廉価\6万8000。
樺太チェイン(株)・大阪市鶴見区鶴見4-17-96
お客様ホットライン TEL:O120055544.

● 頸髄損傷者のためのマウス、手に障害があれば、パソフン用のマウスは使いにくいのですが、その場合はトラック・ボールが表を向いた市販のマウスがあります。\7000くらい。
ところが、クリック・ロックなどで、ポインタを引っ張る場合などは頸髄損傷者向けに改造マウスが販売されています。\8000.くらい。
TEし0957226350.有限会社・シーズ、篠崎へ。
実物は写真E参照.

■ ウィンドウズ95対応の場合、マウスを使えないステイック使用者はテン・キーで代用できる設定があります。この場合、ドラッグ(ポインターを引っ張る入力操作)はゼロキー(0)でロック、点キー(.)で解除になっています。

編集後記

● 会費納入の状況。前号で「はがき通信」の年間購読料を\1000と発表して以来、8月末日までに向坊宛に現金封筒7名、普通封筒82名、郵便振り込み14名の方が送金しました。\11万7000と切手\4000余りを手元に預かっています。会員は約200名ですから、まだ送金があると思います。

送金者の中には多く送る方もあり、その便りの内容に従って、寄付金または多年分の購読料として記載しています。寄付者についてはいずれ発表の機会がありそうですが、とりあえず、この場を借りてお礼を申しあげます。ありがとうございました。

郵便振り込み番号を01730434973、加入者名を向坊弘道ですが、普通郵便封筒で、表紙の向坊宛にけっこう届いているようです。

● 「はがき通信」によせられた原稿の入力の協力者は盛岡市の大久保さん、島根県の藤森さん、埼玉県の麩澤さんたちです。パソコン通信で編集を集中的にやっています。おかげで編集が楽です。ありがとうございました。

● 名簿の未整備のために、何人かの会員に「はがき通信」が届きませんでした。お詫びを申しあげます。そんな場合、ぜひご一報下さい。

●「はがき通信」は呼吸器を必要とする高位頸損を頸髄損傷の原点と考えて、今後も努力して行きたいと思っています。相変わらずご指導をお願いします。夏の暑さにへこたれずにがんばって下さい。

「はがき通信」 編集部一同



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