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★『臥龍窟日乗』 -84- 2025年問題 | 千葉県:出口 臥龍 |
★『東天の虹と西天の日』 | 福岡県:DRY |
★全員参加企画『いいモノ見つけた!』~44~ | ポスト |
心地よい秋風が吹き抜ける秋天の候、読者の皆様にはご清福のこととお慶び申し上げます。能登地方の皆様におかれましては、甚大な災害が続き、ご不安とご苦労の耐えない日々が続いていることとお察しいたします。被害に遭われた皆様とご家族の皆様に、お見舞い申し上げます。1日も早く、安心した生活を取り戻されますように、願っております。
さて、先日、劇団四季のミュージカル「ゴースト&レディ」を観劇してきました。ナイチンゲールの一生とファンタジーが織り混ざった胸がいっぱいになる素晴らしいミュージカルでした。帰宅後、早速、訪問看護師さんに看護の学校で、ナイチンゲールのことを勉強されるのかどうかお聞きすると、感染症対策やエビデンスに基づいた統計学を看護に取り入れた方で、コロナ対策でも、ナイチンゲールの衛生管理の重要性が改めて見直されていたと答えられました。
ミュージカルにもそのような場面があり、史実を忠実に演出されていました。時間を見つけて、小学生の頃におそらく読んだであろうナイチンゲールの伝記(漫画)を図書館で、読み返そうと思います。また、普段からお世話になっている看護師さんですが、この方たちはナイチンゲールの精神を受け継ぐ方たちだと思って、接しようと思います。
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『臥龍窟日乗』 -84- 2025年問題
玄関のブザーが鳴った。あれっ、こんな時間に誰だろう? ヘルパーさんに応対に出てもらった。ながながとしゃべっている。10分以上も経って戻ってきた。「何だったんだね」と訊くと「ムンジャルさんのお宅ですかと言うんですよ」彼女はニッと笑った。「ムンジャルってインド人かい」「なんでもムンジャルさんは解体業をやっている人らしいんですけど、募集広告を見て来たらしいんです。表札がないので、この家かと思ったそうです」
思いあたるフシがある。近頃、町内にやたらと外国人が入居してくる。はじめは中国人、台湾人が多かったが、インド人やイラン人も増えてきた。もともと雑木林だったところを何十年も前に旧郵政省が購いとって職員に分譲した。私よりも一世代年上の夫婦ばかりだった。その人々が亡くなっても子供たちが家を継がない。それぞれ東京近郊に家を購って、こんな田舎臭いところには戻ってこない。なんだか物騒になってきたなと思っていたら、外国人がやたら増加してきた。
「2025年問題」という言葉をご存知であろうか。太平洋戦争敗戦後の昭和22年(1947)、昭和23年(1948)、昭和24年(1949)に生まれた世代を団塊の世代と呼ぶが、この3年間の出生児数が約800万人にのぼる。2025年は、この世代がごっそり後期高齢者となるため、人口ピラミッドが逆さまになり、様々な社会問題が発生する。ちなみに2023年の出生児数が約73万人だから団塊世代が10倍以上となる。
すなわち年金問題ひとつとっても支出が収入を大幅に上回るため、運用の破綻は避けられない。後期高齢者は労働が不可能となり、逆に医療費や介護費ばかりが膨張していく。こんなことは何十年も前から分かっていたのに、政治屋たちは裏金作りばかりに夢中になって、問題解決には至っていない。2025年は、もう来年に迫っている。国の経済はこのままでは回らなくなる。崖っぷちなのだ。
若い世代の人たちから「なんでオレたちが爺婆(ジジババ)の面倒をみなきゃならねえんだよ」と憤りの声が聞こえてきそうである。冗談じゃない。団塊世代も好んで生まれて来たわけではない。戦争に負け、戦地から引き揚げてきた男たちと、適齢期の女たちが快楽を貪って、その残滓(ざんさい)として生まれて来たのが団塊世代だ。
1クラスに50人を超える子供が詰め込まれる羽目になった。食うものさえ満足に与えられない。おやつなんてバカでっかいアメ玉。厳しい生存競争を生き抜いてきた。だから団塊世代はそっくり日本の戦後史を実体験をしてきたことになる。やがて社会が安定し、中学を卒業すると同級生のほとんどが夜行列車に押し込まれ、赤い灯、青い灯のギラつく都会に運ばれ「金の卵」ともてはやされた。
家電といったら電気ランプと電気ラジオしかなかったのに、ある日突然電気テレビが持ち込まれ、洗濯機や冷蔵庫まで現れた。毎日夜が明けると右肩上がりに生活が贅沢になっていくという感じだった。昭和30年(1955)あたりからだったと思う。あれよあれよという間に日本の国民総生産(GNP)は世界第2位になった。クレイジーキャッツやドリフターズなどのアホバカ番組に浮かれ、大宅壮一が「一億総白痴化」と嘆いた。
エズラ・ヴォーゲルに「ジャパン・アズ・ナンバーワン」てなこと言われてその気になって、3日と開けずにキャバレーへ♪
クリスチャンでもないのに、いい歳こいたおっさんたちが赤い帽子被ってクラッカーを鳴らす。こりゃ、どう見たってアホだ。道路も上下水道もない北海道の原野を購わされ、一廉(ひとかど)の大金持ちになった気分だ。
大学生になった団塊世代は、そんな世情に反発して革命家気取りになった。どいつもこいつもロン毛にヘルメット被って全共闘に走った。東大安田講堂の攻防戦に敗れて大学紛争が終わると、ロン毛をばっさり刈り落として、大企業の入社試験の行列にきまり悪そうに並んだ。
昭和48年(1973)のオイルショックで、高度経済成長は幕を閉じた。
冒頭の尋ね人の応対に出たヘルパーさんは、土木業の社長夫人だ。何人かの社員を雇っていたが、みな老齢化して辞めていった。現在ではイランやフィリピンなどの作業員に頼っているとか。だから外国人労働者の募集は他人事ではない。「文化も習慣も違うから大変なんですよ」と苦笑いした。その外国人労働者が独立して、日本で開業する時代になった。我が家にもフィリピン人の女性ヘルパーさんが応募してきたことがある。そのうち外人ヘルパーさんのお世話になる時が必ずやってくる。
千葉県:出口 臥龍
『東天の虹と西天の日』
時は一つよ
東天に虹の匂うと
西天に日の傾くと
堀口 大学
私がこの詩に出会ったのは、受傷して運び込まれた救急病院から転院した国リハでした。自宅に届いた年賀状をチェックしていて、その中に新年の挨拶と3行の詩、そして作者名が書かれた1枚に気づきました。差出人は、少し前まで同僚だった5歳ほど年長の男性です。
知性の高さでは、誰にも引けを取らない方でしたから詩に造詣(ぞうけい)が深かったとしても驚きはしませんが、初めて年賀状をくださったことに驚きました。私の身に起きたことを知って、悲嘆に暮れているであろう私にこの詩を教えるために、年賀状を出されたことは明白でした。
その時の私のときの解釈は、「どちらも人生の一コマだ、上り調子のときも下り調子のときも」すなわち「長い人生いいことも悪いこともある」くらいのものでした。詩の日本語を正しく読解していませんでした。私の思い込みは、禍福は糾(あざな)える縄と塞翁(さいおう)が馬の予備知識に引きずられていたためでしょう。
昨年のことですから、年賀状をいただいてちょうど20年目になります。あるネット記事の一文に目がとまりました。
“太陽を背にするから、朝虹は西に、夕虹は東に立つ。”
虹は、太陽を背にしたときに見えるというのは小学校の理科の知識です。もちろん知っていました。しかし、この詩と関連付けて思い出すことはありませんでした。
現在の詩の解釈は、「東に虹があるのも西に日があるのも同じ夕であり同一の時間である」すなわち「良くないことがあったときに後ろを振り向けばいいことが同時に起こっていることもある」です。
私への年賀状で、この詩を教えてくれた方は高い知性を誇る人でした。日を背にして虹を見るという知識を思い出せるかどうか、受傷後の私の認知能力を試したのかもしれません。だとすれば、私はしてやられたことになります。
冒頭の詩のタイトルを書けませんでした。『堀口大学全集1』小沢書店、1982年によれば、この詩には2バージョンあるようです。『夕の虹』昭森社、1957年の「夕の虹」(時はひとつよ!)と『東天の虹』彌生書房、1976年の「解題」(時は一つよ)です。「夕の虹」については、当該図書の308頁で以下のとおり確認できました。
夕の虹
時はひとつよ!
東天に
虹の匂ふと
西天に
日の落ちゆくと!
私が20年前に教えられたのは後者の現代仮名遣いと思われますが、詩自体もタイトルも自分で確認できていません。落ち込んだ者にとっては、前者の“西天に日の落ちゆくと!”よりも、こちらの方が“西天に日の傾くと”と優しいことは確かです。19年かけて書き直した作者にも心情の変化があったのでしょうか。
(2024年8月21日執筆)
福岡県:DRY
全員参加企画
『いいモノ見つけた!』 ~45~
【介護用すべり止めシート RightNow】
画期的なすべり止めシートです。字を書くときに紙の下にシートを敷くと紙が全くすべらず、クッション性がなく、シートが薄いので、紙に穴を開けることなく、書くことができます。こんなに薄いのに、しっかり止まります。
価格は、サイズ:28cm×41cm、厚み0.4mm。(A3より一回り小さいサイズ)で、1200円程度です。
すべり止めシートを紹介している知人のYouTube
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旭洋鉄工株式会社
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