No.181 2020/2/25
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 はがき通信懇親会in横浜に参加 

63歳、C4、頸損歴26年目、人工呼吸器、電動車イス使用

 昨年は床ずれ手術で参加できず、8年連続の参加を逃した「はがき通信懇親会」に今年は参加させていただきました。今年は横浜で1泊のみでしたが、いつもながら皆さんの姿を拝見し、お話させていただくことが私の振り返りやこれからのパワーの発現になります。幹事のIさん、Sさんはじめ皆さんありがとうございました。以下には懇親会前後の東京観光について書かせていただこうと思います。東京は前回の横浜懇親会でスカイツリーを訪れたので、今回はベタな観光にしようと1日目は浅草、2日目は東京タワーに行きました。
 浅草は中学の修学旅行でも行った記憶がなく、おそらく初めての訪問だと思います。雷門の大提灯の下をくぐると浅草寺まで仲見世が続いており、観光客の半分以上は外国人のようでした。日本人かなと思いきや話している言葉は中国語あるいは韓国語? こんなにも外国人観光者が多いことにまずは驚くばかりでした。浅草寺は本堂フロアへもエレベーターが付いていて上がることができましたが、本堂には車イスでは入れないようでした。
 浅草から横浜まで直通の地下鉄があるんですね。私は下調べが不十分で上野に戻ってJRで横浜まで行く切符を用意していました。今度東京圏内に新幹線で行ったら、あとは駅員さんに聞きながら東京近郊を訪ねようと思いました。なにせ地下鉄は多く複雑で、また新たな地下鉄ができているようですから。
 横浜駅では迷子になってしまいました。事前にもう少しIさんに待ち合わせ場所を確認しておけばよかったと後悔しましたが、早めに横浜に到着したのが幸いしてIさんに電話してどうにか見つけてもらって事なきを得ました。懇親会会場までの道順はこれまた複雑でIさんに連れて行ってもらわなければ行くことはできなかったでしょう。懇親会は、障害者10人、健常者13人と以前に比べれば小規模でしたが、1年に1回でも集まることは大きな意味があると思います。料理はとても美味しかったです。
 2日目は東京タワーに行きましたが、これも懇親会でM.I.さんから地下鉄ルートを教えてもらって行けたようなものです。興味深かったのは赤羽線が写真のように電車とホームの間が段差も幅も極めて小さく乗り降りにスロープの要らないバリアフリーだったことです。私には道案内に駅員さんが付いてくれましたが、道順さえ知っていれば駅員さんを煩わす必要がないと思いました。



 東京タワーは小高い丘の上に立っていて、その坂の急なこと=車イスがひっくり返らないか細心の注意を払って登りましたが、途中で後ろの荷台に積んであった吸引器を落としたことにも気づかず、やはり多く訪れていた外国人観光客に届けてもらう始末でした。キャリーカートを引っ張っていた付き添いの人にも至難の急坂で、なぜ途中で待っていてくれなかったのかと旅行から帰ってからも言われましたが、それほど余裕のない坂道でした。東京タワーは中学の修学旅行で行ったことがあり、メインデッキ(150m)には足元をプラスチック材の床にして地上まで見下ろせる所があることは覚えていました。今回は、昨年から始まったという上のデッキ(250m)まで行けるトップデッキツアー(3000円/1名、それに対しメインデッキまでは1200円/1名:ともに障害者と付添1名は半額)というのを経験しました。事前のHP調査では車イスでの入場には制限があり、サイズは70cm×120cmまでで介助者の同行が必要とのことでした。あるいは私の車イスは大きさ制限に引っかかるかもしれず、その時はあきらめざるを得ないと思っていましたが、幸いパスすることができました。トップデッキは狭かったですが、写真の通り鏡張りで綺麗なところでした。



 最後に上越新幹線についてですが、私の車イスにはスペースがやはり狭くて、行きも帰りもデッキに出ていなければなりませんでした。いつになったら指定席内を利用できるようになることやら?
(2019年12月26日記)

新潟市:T.H.

 65歳からの介護保険優先制度について 

 こんにちは。
 「はがき通信」読者の皆様、表題のことにつきまして昨年12月17日に勉強会がありタイムリーでした。
 私も以前から知っておくべきこととして、忘れないうちに頭に入れておかないととメモに記載していました。皆様の情報に役立てば幸いです。
 そもそも厚生労働省は強制移行は求めていない。
 もともと厚労省は、障害者の介護保険移行に関しては、本人の事情を丁寧に聞き取るように以下の通知を出している。

「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく自立支援給付と介護保険制度との適用関係等について」
介護保険サービス優先の捉え方
 サービス内容や機能から、障害福祉サービスに相当する介護保険サービスがある場合は、基本的には、この介護保険サービスに係る保険給付又は地域支援事業を優先して受け、又は利用することとなる。しかしながら、障害者が同様のサービスを希望する場合でも、その心身の状況やサービス利用を必要とする理由は多様であり、介護保険サービスを一律に優先させ、これにより必要な支援を受けることができるか否かを一概に判断することは困難であることから、障害福祉サービスの種類や利用者の状況に応じて当該サービスに相当する介護保険サービスを特定し、一律に当該介護保険サービスを優先的に利用するものとはしないこととする。
 したがって、市町村において、申請に係る障害福祉サービスの利用に関する具体的な内容(利用意向)を聴き取りにより把握した上で、申請者が必要としている支援内容を介護保険サービスにより受けることが可能か否かを適切に判断すること。

(平成19年3月28日厚生労働省通知 障企発第0328002号、障障発第0328002号 抜粋)

といいながら障害者総合支援法の第7条は継続しており、介護保険優先「介護保険サービスに同じものがあれば、介護保険サービスを優先する」も強調しているので、現場に混乱を招いている。介護保険サービスとの何が「併給」なのか、何が「自立支援給付に相当するものか」が問題なのだと思う。
 この厚労省の通知と憲法25条の生存権を活用して、自治体に継続を迫る根拠にしましょう。

例)I市のFさんは介護保険への強制移行を予測し、提訴の準備を進めていたが、介護保険への移行申請をせぬうち以前から申請していた重度訪問介護が受理された。(重度訪問介護は障害者サービスでしか利用できない)裁判を起こさないまま障害者サービスの継続が可能になった。

 しかし、本当はFさんが訴えて闘いたかったのは障害者の65歳問題。
 現在も介護保険制度で訪問リハビリと訪問介護を受けており1割負担を強いられている。加えて国による介護保険制度の改悪が現実に行われており、将来は障害福祉の施策も改悪される可能性もある。
 何故、障害者が65歳になった途端にサービス量の減少と相反して負担額が増えるのか?
 私たち当事者が本気で考え、行政を動かせていかなければ何も始まらない。

 65歳になる前に準備をしておこう。
 まず、障害福祉サービスの利用が必要なことを市町村窓口に相談。(介護保険の勧奨をされるが現法律には実在しない)
 障害福祉サービスを継続して使う必要があることを市町村に理解してもらうために、サービス等利用計画書作成を相談支援事業所に依頼し、支援者作りをする。多くの場合市町村は事務的に介護保険優先理由に、受け付けてくれない。(と考えておいたほうが良い)
 一人で悩まず障害者団体や弁護士に相談し、場合によっては一緒に窓口に行ってもらう。
 市町村によって対応はバラバラ。中には介護保険制度に切り替わるのが当然と思っている介護支援専門員もいる。出来るだけ多くの支援者と共に市町村と相談し、自分の意思を伝えること、後に続く継続申請者のためにも諂(へつら)うことがないよう、現状を理解してもらうのが大切だと実感した。
 自分の意思がうまく伝わるかどうか不安な人は手紙を書くのも一考です。以下 例文ですが

20◯◯年◯◯月◯◯日

◯◯市長様

◯◯市◯◯町
◯◯子
生年月日

障害者総合支援法のサービス継続について

 私はまもなく65歳になりますが、今のまま障害者総合支援法のサービスを利用したいので連絡します。
 何故なら、現在利用しているサービスがこれまで通りの内容や時間で利用できなくなる心配があるからです。
 また、私は現在市民税非課税世帯のため利用料の負担はありませんが、介護保険に移行すると◯万◯円の負担になります。少ない収入の中でこれ以上生活を切り詰めることはできません。ますます社会参加が遠のいてしまいます。
 以上のとおり継続を希望していますので、サービスの利用が途切れることのないようにお願いします。

(全国肢体障害者団体連絡協議会発行パンフレットから流用)

※参考

<自治体が、介護保険優先を言うワケの訳>

国は、政令及び告示により、65歳以上の障害者が障害福祉サービスを利用した場合に国が市町村へ交付する補助金の額を、65歳未満の障害者が障害福祉サービスを利用した場合に比べて、大幅に減額するとしています。このように、65歳以上の障害者が障害福祉サービスを利用した場合には、国の費用負担が減った分だけ、市町村の費用負担が増えることになるのです。
国は、障害福祉サービスと介護保険サービスの適用関係について、表向きは、「障害福祉サービスと介護保険サービスの併給が可能」「市町村は必要な案内や連携を行うこと」などと言い、65歳以上の障害者が障害福祉サービスを適切に受けられるよう配慮するような姿勢を見せています。しかし、肝心の財政援助の点では、国は、自らの費用負担を大幅に減らし、費用負担の増加に耐えられない市町村が介護保険を優先せざるを得ないような状況をつくっているのです。
この問題の根本は、市町村ではなく、むしろこのような国の姿勢であるといえます。

(令和元年12月17日研修資料の『65歳になっても介護保険は使えるよ』から引用)

 私が65歳になるまで、後◯年。今よりもっと福祉にかかる国の財政割合が増えるのは必須だ。誰でも歳はとる。障害者になんていつなるかわからない。
 「桜を見る会」開催での税金の無駄使いや「大阪城にエレベーターを設置したことは失敗でした」と障害者を愚弄するようなジョークを言う前に、誰にでも起こり得ることに対して、本腰を入れていただきたいものだ。

奈良県:M.K.

 ヘルパー不足解消に向けて 

 私が介助者を使いながら地域生活を始めてから約18年になる。当時、介護保険が始まったころで在宅介護が仕事として世の中に広まっていたころなので今よりはヘルパーをやってみようという人が多かったような気がします。一人暮らしを始めた当初、長時間介護が必要な人には全身性介護人派遣事業という制度があり、自分で介助者を探して自治体に登録するという制度でした。自分で探したヘルパーなので気兼ねなく何でもかんでも必要以上のことも頼んでしまい介護は大変だと思う人もいたと思います。
 在宅に限らず、介護に関わる人が増えれば、さまざまな問題も出てきます。在宅でいえば1対1の介護の難しさ、また福祉業界全体の賃金の問題などなど、取り上げればきりがないほどに……。そうして、いつのころからか福祉は大変というイメージが世間に定着していったように思います。
 現在、どこの介護事業所でもヘルパー不足と言われていますが、それなりに人がいる事業所もあります。人がいる事業所というのは、何かしら人が残る理由があるはずです。
 以前、Aさんというヘルパーが私の介護を始めてから2週間くらいたったころに突然来なくなったことがありました。電話やメールなどで何度か連絡をしてみたけどつながらず「まぁよくあること」くらいに思っていました。それから1ヶ月ほど経ってから「いろいろ考えたけど~~続けたい」というラインが来ました。珍しいケースかもしれませんが、とにかく話を聞こうとウチに来てもらいました。そのときAさんが言うには、介護の仕事がつらいとかではなく、ちゃんとできるのか自信がもてないということでした。ただ嫌になったとか面白くないとか面倒だとかだけではなく、人それぞれ思い悩むことがあるんだと感じました。そういう経験を踏まえて利用者である自分自身も、ただやってほしいことを言うだけではなく、自分の障害にはこういう介護が必要だということを一つ一つ伝えながらヘルパーが納得して続けられるような雰囲気を作る努力も必要なことだと思いました。
 人材に関しては、課題が多くて難しいけど、ヘルパーとして来た人が辞めずに続けていけるような環境(事業所)作りを続けていくことがヘルパー不足解消につながっていくと思いながら日々やっています。

《居宅介護支援事業所らっぽると》

東京都:M.I.

 電動車いす TDX-SP2 

 昨年12月、チンコントロールの電動車いすが新しくなった。
 今年介護保険になる前に電動車いすの申請手続きをしていた。65歳になると手続きが難しいと聞いていたので、2年前から計画を進めた。何とか間に合った。



 インバケア「フォーミュラ・トルク」からインバケア「TDX-SP2」のティルト&リクライニング式。操作は、チンコントロールの切り替えで走行、リクラ、ティルト、レッグが動かせる。ディスプレイがスマホのようにタッチパネルとジョイスティックの組み合わせで操作できる。画面はカラー表示でとても見やすくなった。ただ、ライトが付いているが介助者にコントロールパネルをタッチしてもらわないと点灯できないのが不便。



 40年間も4輪の電動車いすに乗っていたので、6輪の中輪駆動になると感覚が違う。直進していて右に曲がるとき今までは減速して曲がっていたが、今度は同じスピードで曲がることができることがわかった。これには戸惑った。でもプログラム設定で減速もでき、いろんなパターンにもできる。回転半径が小さく小回りが楽になった。前輪、後輪にはサスペンション機能があるので走行に安定感がある。ただ、前輪、後輪が空気タイヤでないので、石畳などのデコボコ道路では最悪。チンコントロールに乗せたアゴが小刻みに振動し操作不能になる。段差の乗り越えは前輪で7cm、というかまだ試してない。5cmはクリアできた。
 リクライニングは素晴らしい。倒す時、背もたれが下方向に下がり、起こす時は背もたれが連動して上方向に上がる。背中と背もたれの摩擦が少なく、姿勢の崩れが抑えられる。ティルトをするとシート全体が前方へ移動し後ろにひっくり返らなくなっている。
 ティルトやリクライニングなどの介助者用操作スイッチがボタン式になり、リフトタクシーなどで利用する固定用のフックも付いた。
 駆動モーターは静かで、新技術によるモーターへの自動負荷補正で日々の走行パターンから最適設定を自動的に学習し走行を最適化するらしい。まだそこまでの実感はない。この機能満載のTDX-SP2を早く乗りこなしたい。

神奈川県:M.I.

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