![]() ![]() さわやかな笑顔ばかりを思い出す 野を行けば秋の七草めぐりかな 月の客酔ふておらぬと云ひ張りぬ 菊枕してアンデスの旅の夢 子の机母が使つてゐる夜長 漱石の『坊ちゃん』を読むと元気になります。実に痛快。江戸っ子になった気分も味わえます。絵本を楽しんでいる姪に名作・古典をいつの日か渡そう。読み継がれたものを次世代に手渡すのも私の役目かも。自分をもっと鍛えなきゃねぇ。 ファースト・ダイナソーをイメージしてみました。グロテスクだったらすいません。 熊本県:K.S. ![]() ![]() 本日ついに、自動吸引マニュアルを公開いたしました。あと1年と言い続けて何年にもなりますが、本当にお待たせいたしました。 思えば、喀痰自動吸引の開発をしようと決意して、10年の歳月が経ってしまいました。私にとってはあっという間の10年とも感じますが、よくある話のように途中で雲散霧消することなく(実は最初の2年目でしかかっていたのですが)、このたびカニューレの薬事承認も得て、なんとか皆さんにお使いいただける状態にこぎつけたことを心から嬉しく思っています。 毎日過酷なALSの在宅人工呼吸の介護、看護のなかでも、夜間のたんの吸引はとりわけ介護者の体力を奪います。せめて朝までゆっくり寝かせてあげたいという思いでこの研究を始めました。最初は電動式吸引器の電源を管理する方法。しかしそれは、吸引タイミングのエラーと換気損失の大きさからこの方法を捨てました。しかしそのときから始めたカニューレにカフ下部の吸引ラインを設置するという考えは、それが認められたら新たなデバイスを付属させることなく(すなわち余分な費用がかからず)自動吸引が導入できるし、既存の方法との併用も可能ということで今も生き残ったシステムです。微量の吸引でもたんは引けるということが判り、ローラーポンプに大きな期待が持てましたが、吸引器の国の基準が最低2L/分の吸引能力というところと、チューブの耐久性の面から当面はあきらめざるを得ませんでした。カニューレ設置のカフ下部吸引ラインも、吸引孔の開ける位置や形状で様々な試行錯誤をしてきました。結果として安全性を何より重視して、カニューレ内吸引孔としましたが、嬉しいことに性能はむしろ向上していました。 自動吸引装置の詳細は、自動吸引マニュアル(http://www3.coara.or.jp/~makoty/als/autosuc_manual_2010/autosuc_manual_01.htm)をご覧いただくとして、あとはこのシステムが現場に受け入れられ、在宅の有効な手助けとなって継続されること、そして誤った使い方で事故が起こらないことを祈るのみです。 ここ2週間ばかり、自動吸引マニュアルの作成で精魂使い果たしましたので、このコラムはこの程度の短文にさせていただきます。自動吸引マニュアルを是非お読みくださり、筆者の考えをご理解いただくことを願っています。 おいおい開発のエピソードなど書かせていただきます。 (2010年8月2日) ※自動吸引装置の開発者である山本先生の「Dr.山本の診察室HP」の「コラム山本の主張」より転載させていただきました。 http://www3.coara.or.jp/~makoty/ 大分協和病院 山本 真 ![]() ![]() ◆研Q・探Q:たん自動吸引装置 患者、家族の夜間の負担を軽減/大分 ◇病院、会社など共同開発 ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの病気で、人工呼吸器を使っている患者のたんを自動吸引する装置を、大分協和病院(大分市)と、医療機器製造会社「徳永装器研究所」(宇佐市)などが共同開発し、8月から販売が始まった。これまでは夜間、家族が何度も起きて手動でたんを吸引しなければならなかったが、新しい装置で負担軽減が期待される。【高芝菜穂子】 同病院の山本真院長(56)は10年ほど前、患者宅に目覚まし時計が6個あることに気付いた。自力ではたんが出せない患者のため、夜間2時間おきに家族が起きて、たんを吸引するためだった。「せめて夜間の吸引だけでも人手に頼らずにできないか」 従来は、気管内に空気の通り道として挿入している医療器具「気管カニューレ」に、カテーテルを差し込んでたんを吸引していたが、患者はその刺激で苦しんでいた。しかも吸引は1日に15〜20回も必要だった。 そこで山本院長らは、カニューレ内部に吸引孔を設け、吸引ラインを通じて、常時少しずつ自動吸引する装置を作った。吸引孔にたんが触れると吸い込む仕組み。臨床試験で患者の意見も聞きながら改良を重ねて完成させた。ただし、たんの量が多い日中は手動の吸引も必要だ。 12年間在宅でALSの夫・上野克さん(67)=大分市=を介護してきた妻幸子さん(66)は昨夏、負担の大きさから倒れたことをきっかけに、自動吸引を導入。「夜熟睡できるようになった」と笑顔をみせる。一方、ALSで、10年間研究に協力してきた野上昭典さん(60)=同市=も「たんを吸引されるのも苦しくない」という。 山本院長は「患者、家族の負担軽減に成功した」と話した。 (情報提供:平成22年9月4日 毎日新聞 地方版) ◆菅首相 介護職員の一部医療行為実施、厚労省に検討を指示 菅直人首相は26日、医師や看護師にしか認められていない「たんの吸引」など一部の医療行為について、介護福祉士などの介護職員もできるようにする法整備の早急な検討を厚生労働省に指示した。同省は来年の通常国会に関連法の改正案提出を目指している。 首相はまた、介護職員を対象にした一部医療行為を可能とするためのレベルアップ研修事業の今年度中の実施や、介護・看護職の人材確保に向けた職員の待遇改善にも取り組むよう指示した。 介護職員による一部医療行為について、厚労省は一定の条件が整っている場合に限り、運用で認めている。しかし、介護の現場からは法律で明確に規定するよう求める声が上がっている。首相は同日、東京都青梅市の高齢者専門医療施設「青梅慶友病院」を視察し、「介護職員や看護職員が継続して働くことができるようなフォローを制度的にもしっかりしなければいけない」と記者団に語った。【倉田陶子】 (情報提供:平成22年9月26日 毎日新聞) ◆県営住宅入居拒否担当課長ら処分 鳥取県西部総合事務所の職員が県営住宅の管理人に入居予定者の障害の種類などの個人情報を漏らしたり、サッカー・JFLのガイナーレ鳥取の試合に職員を公務扱いで派遣したりしていた問題で、県は9日、職員4人を文書訓告、5人を口頭注意とする処分を発表した。 県営住宅の問題では、職員が昨年8月〜今年1月、個人情報を漏らしたほか、本来は優先的に入居できる障害者の入居を拒否。担当課長を文書訓告、課長補佐級2人を口頭注意とした。(後略) (情報提供:平成22年7月10日 読売新聞) ◆暴力ヘルパー、寝たきり男性踏みつけ肋骨折る 訪問介護中に手足の不自由な重度身体障害者を虐待したとして、警視庁武蔵野署は5日、ホームヘルパーの山村克嘉容疑者(39)(埼玉県川口市安行領根岸)を傷害容疑で逮捕した。 同署幹部によると、山村容疑者は昨年11月2日昼、東京都武蔵野市内にある重度身体障害者の男性(50)宅で男性をベッドから引きずり下ろし、頭や顔を手で3、4回殴ったり胸を踏みつけたりし、左胸の肋骨骨折など3週間のけがを負わせた疑い。 山村容疑者は1人で介護中だったが、たまたま訪れた別のヘルパーが男性から虐待を打ち明けられて110番通報した。山村容疑者は容疑を認めているという。 男性は一人暮らしで、身体障害者手帳1級の認定を受け、ほぼ寝たきりの状態。都が指定した武蔵野市内の訪問介護事業者と契約し、2008年6月頃から派遣ヘルパー5〜6人が交代で、食事などの介助にあたっており、山村容疑者は週1回(3〜8時間)程度受け持っていた。男性は同署や市に対し、半年前から虐待を受けていたと訴え、「怖かったので、隠していた」と話しているという。 同市障害者福祉課の山田修子課長は「市の職員が自宅訪問するなど1か月に1回以上(男性と)顔を合わせる機会がありながら、事実確認が遅れたことに責任を感じている」と話し、再発防止策を検討していくとしている。 (情報提供:平成22年1月5日 読売新聞) ◆「常識をたたき直す。もっと金を払え」 介護士の男再逮捕 寝たきり男性から現金脅し取る 東京都武蔵野市で1月、重度の障害で寝たきりの男性が介護士から暴行された事件で、男性から現金を脅し取ったとして、警視庁武蔵野署は8日、恐喝の疑いで埼玉県川口市安行領根岸、介護士、山村克嘉被告(40)=傷害罪で起訴=を再逮捕した。 同署によると、山村容疑者は容疑を認め、「生活費が欲しかった」などと供述しているという。 逮捕容疑は21年7月ごろから同年10月ごろ、介護を担当していた手足に重度の障害を持つ男性(50)方で、男性の顔や頭を小突くなどしながら「おまえは常識がない。たたき直すから正規の介護ではないので、もっと金を払え」と脅し、9回にわたり現金計約28万円を脅し取ったとしている。 山村容疑者は先月5日、同じ男性に重傷を負わせたとして、傷害容疑で逮捕、起訴されていた。 (情報提供:平成22年2月8日 産経新聞) ◆重度障害者虐待、介護士に懲役3年 訪問介護中に手足の不自由な重度身体障害者を虐待し、現金を脅し取ったなどとして、傷害罪と恐喝罪などに問われた埼玉県川口市、介護士山村克嘉被告(40)の判決が8日、東京地裁立川支部であった。 毛利晴光裁判官は「何も出来ない被害者の弱みにつけ込んだ陰湿かつ悪質な犯行」などと述べ、懲役3年(求刑・懲役5年)の実刑を言い渡した。 (情報提供:平成22年7月8日 読売新聞) ◆ハンドル形の電動車イスで消費者庁が、注意喚起 消費者庁が、ハンドル形の電動車イスで道路等から転落したと思われる死亡事故等が、平成19年5月から35件(昨年9月〜今年8月の間に8件・火災事故3件を除く)、被害者のうち70歳以上は77%(27名)、特定の製品に偏らず発生していることから使用に関して注意喚起しています。 [注意事項] ▽運転時について ・道路の端には寄り過ぎない。 ・砂利道、滑りやすい場所、舗装されていない道では乗らない。 ・踏切内では、線路に対して直角に渡り、脱輪しないように注意する。 ・クラッチを切って坂道を下らない。 ▽点検について ・取扱説明書に従って運転前には日常点検をする。 ・バッテリーの残量を確認する。 ▽講習会について ・運転に慣れるため、製造・販売事業者等が行う運転講習会に参加する。 ・新しい電動車イスに乗り換える、買い替える際も、必ず乗り方の指導を個別に受ける。 http://www.caa.go.jp/safety/pdf/100908kouhyou_3.pdf ※ハンドル形の電動車イスについての注意喚起ですが、電動車イスの使用にはくれぐれもご注意ください。 ◆WordやExcelとファイルの互換性があり、無料で使用できる総合ソフト 『OpenOffice.org』 ウインドウズパソコンの定番ソフト「Microsoft Office」と操作性が同じでファイル互換(WordやExcel等のファイルを読み書き)でき、ワープロ・表計算・プレゼン・データベース・数式エディター・ドローの6つのソフトからなるフリーソフト。文書作成や閲覧、データ編集といった作業は十分できる。サン・マイクロシステムズの有料ソフトの「スタースイート」からサポートや付属のフォント等を省いたもので、機能の面では同じです。対応OSは、Windows2000、XP、2003、VISTA(7は、微妙)とMac OS X。ソフトのダウンロードや詳しくはOpenOffice.org日本語プロジェクト(http://ja.openoffice.org/)まで。また、多くの企業、団体、公共機関で利用されているようです。 Windows7対応の30日間無料体験版をダウンロードして試せる有料互換ソフトの「KINGSOFT Office2010 Standard」(http://www.kingsoft.jp/office/・市場価格3500円前後)もあります。 ◆本の紹介 『車いすでめぐる日本の世界自然遺産 バリアフリー旅行を解剖する』 車いすツーリストと共に実際に旅した知床半島、屋久島、白神山地、小笠原、八重山諸島の具体的なバリアフリー旅行の情報、ノウハウをカラー写真入りで紹介。自由にどこにでも旅ができる社会づくりの意義を考える。 第1章/車いすで楽しむ日本の世界自然遺産(屋久島:白神山地:知床半島:世界自然遺産の登録なるか!?「八重山諸島」を旅しよう!:世界自然遺産推薦地「小笠原諸島」にだって行ける!:車いすで行く日本の世界自然遺産交通ガイド) 第2章/日本におけるバリアフリー旅行の歴史と意義(日本におけるバリアフリー旅行のはじまり:その後の日本のバリアフリー旅行) 第3章/バリアフリー旅行の現状と課題(バリアフリー旅行は普及している?:バリアフリー旅行は停滞している:バリアフリー旅行の課題) 第4章/社会を切り拓くバリアフリー旅行(カネのバリアをなくすために:モノのバリアをなくすために:ヒトのバリアをなくすために:情報のバリアをなくすために) 馬場 清・吉岡 隆幸 編著 現代書館 出版 1,785円(税込) ![]() 【編集後記】
今夏は猛暑でヘロヘロの中で夏に好物のアイスコーヒーを外出時に飲んでいたところ、水出しコーヒーというものを知りました。作り方を調べると、水に浸してゆっくり抽出するため苦みも控えめでスッキリとした味になり、作り方も簡単そうです。どうも水とコーヒー粉の割合と水出し時間の試行錯誤で好みの味を見つけるようです。さっそく必要なモノのアイスコーヒー用豆を碾いたコーヒー粉200グラム・お茶パック・ガムシロップ・計量スプーンを計800円で購入しました。 作り方は、お茶パックにコーヒー粉を入れて、そのお茶パックを水を入れているお茶用ポット(水出し用ポットでなくても大丈夫)の中に入れ、混ぜずに直ぐ冷蔵庫に入れておけば翌日にできあがりです。そして100円ショップのペン型電動泡立て器で牛乳を泡立てたフォームミルクをコーヒーに入れれば、(エスプレッソがベースではないですが)シアトル系のカフェラテ風にもなります。水出しコーヒーは、コーヒーメーカーの手間やドリップ式でのお湯の温度や注ぎ蒸らす技術も必要なく、手軽においしく作れて、暑い中ささやかな楽しみが増えました。 次号も続けて藤田が編集を担当いたします。 編集委員:藤田 忠
![]() ………………《編集委員》……………… (2010.4.1.時点での連絡先です) 発行:九州障害者定期刊行物協会 |
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