向坊さんが亡くなられたことを「はがき通信」で知り、「そうですか」という感じです。主人の入院中も、施設での生活の中でも、まわりにはいつも人の死があります。自分も含め、人生の最後はどんな終わり方をするのかと考えることがあります。
向坊さんの場合、100号によせられた本人の文面より「身のまわりのことを整理する時間がある」とありました。ある意味、理想的な人生の終わり方だったのではないかと思います。
本人に直接お会いしたことはなかったのですが、以前ハガキを2通いただきました、口にペンをくわえての口書きです。そして、それが達筆なのです。
私たち夫婦が精神的につらかったころ、「何年か後に笑える日がくる」とありました。そして、ペーシングの情報収集のために忙しい時間をさいて動いて下さったころに「人の見通しは悲観的になりがちですが、思いのほかうまくいく場合もありますから」とはげまして下さいました。
ただあのころの私たちは、その言葉を素直に受け止める心の余裕がありませんでした。今にして思えば、あの当時で頸損歴30年の大先輩だった訳です。その言葉には人生の重みがあります。
手元に2枚の写真があります。ベッド上の様子と、海岸を散歩中(車イスで)の様子が写っています。おだやかな笑顔です。
向坊さん「はがき通信」をありがとうございました。今ごろ、かの浄土で自分の両足で立ち、両手両足を思いっきり動かしていることでしょう。自分の意のままに・・・。
(平成18年9月1日)
M.M.(山形県)
ぼくは行けませんでしたが、これまで以上に多くの人たちが集まった懇親会はいかがでしたか。向坊さん亡きあと、初めて開かれた懇親会の結果が良いようになっているといいのですが、ただそのことが心配でなりません。日本中、特に九州からの参加者が多く、どんな意見が飛び出したのか分かりませんが、なんとか「はがき通信」が存続するようになったようで、取りあえず、ホッと胸をなでおろす次第です。これから購読料・2000円を検討していくことになったと聞きましたが、それでも続けられるのはありがたいことです。急性期で何をしていいのか分からなくて、パソコンが使えない頸損患者の家族はひと安心ですね。
ここで排便後や入浴後に急激に血圧が下がり、車イスにも乗れなくなる人へ朗報をお知らせします。ぼくは排便後や入浴後に血圧が下がり、それは最高血圧が50をも下回り、意識をなくしてしまい、すぐにベッドへ移らなければなりませんでしたが、脚に弾力包帯を巻き、腹には腹帯を締め、ドプスカプセル100mgを毎食後に服用すれば、まったく血圧低下は見られなくなりました。ここまで来るのに丸20年以上もかかりましたが、これで外出の一つもできるというものです。あと、長年不眠症に悩んできましたが、サイレース1mgとデジベル25mgを服用しさえすれば夜も安心して寝られて、旅行へも行ける自信がつきました。もし、それでも駄目な場合は、深夜にアモバンを1錠服用すれば、それも簡単に解消されます。
眠れない人、血圧低下が激しい人はぜひやってみて下さいませ。これはぼくの経験ですが、頸損患者はたいてい効果があると思っています。それではみなさんお元気で。
(平成18年10月10日)
ペンネーム 夢運び人