はがき通信ホームページへもどる No.108 2007.11.25.
Page. 1 . 2 . 3 . 4 .

前ページへ戻る

 被る損は誰?


 介護事業の大手「コム損」が巻き起こした問題は、福祉制度への冒涜であり、経営責任者は断罪されるべきである。私利私欲に走った経営TOPに罰則を科せられた形跡はない。事業体を他に譲渡する段取りのようだが、多額の譲渡益を目論んでいるように思う。怒り心頭の玉葱おやじも成り行きを見守るしか術がなく、歯痒い限りである。
 当初、介護分野もビジネスとして成り立つと知り大きな期待を持った一人です。現状を見ると制度自体が未完で、制度確立に道のりは遠く険しく、人材とお金が大いなる課題ですが……。介護とは消費一方の労働で見返りを期待しない、できない分野と思っていたからです。家族による家事労働と養老院の存在が全てのように見ていた。介護はタダ、無報酬の世界であったとは言い過ぎだが、公的に介護の値段が認知されることに明るい幻想を抱いた。
 今回の問題の要因は多々あろうが経営TOPが人間を物に重ねた意識しかなかったことであろう。車や洋服と同一視した介護事業を黙認したのは誰でしょうね? 介護の質より早さや効率優先で利潤確保が第一義目的であった。そして、規模のメリットを追求したことである。大手事業者の資本力に言い寄った行政担当者の姿を想像する。机上の制度を実施するシミュレーションはできていたのか? 問題点はなかったか? いずれにしても不完全な制度に規制で、締め付け過大な設備投資を強いれば、経営の損益分岐点の高くなることは自明の理で不正もやむなし?
 介護難民が出ないように対応されるようだが、制度や運用方法に知恵を絞ってもらいたい。現場重視の介護は言うまでもないが福祉予算の現場への配分比率が増えるような仕組みを望む。利用者の負担費用にも一律では無理があるし、介護度に見合う時間数や単価を構築する必要もあろう。全国一律投網方式で介護保険を牛耳ったとしたら無理が生じるのは当然です。
 介護事業にビジネス思考は必要ですが、現場のニーズを捉えた運用を期待したい。コウムルソンは結局、障害者や手助けを必要とするお年寄りですから。支援費制度の問題点や課題も頸損者が論客となる必要がありそうですね。

広島県:Y.S.



 旅行記「信州」(前編) 


 ◇おわら風の盆
 8月21日〜23日、今年も信州方面へ行って来ました。初日は富山県越中八尾です。
 旅行計画中に、「おわら風の盆」の前夜祭があることを知り、富山県越中八尾にも足を伸ばすことになりました。「おわら風の盆」は、前々から夫と「行ってみたいね」と言っていたあこがれのお祭り、ドキドキします。
 朝8:40発のぞみ70で新大阪へ。今日も暑くなりそうだ。新大阪10:08着。
 お弁当を買って、富山を目指しワクワクしながら北陸本線特急サンダーバードへ乗車。10:46出発〜。が、しかしⅰ案内された車イス専用席、ここへ車イスが入るとどう見ても通路が狭くなって、通る人を妨げる。案の定、通られる方は横になってお腹を引っ込めて、という状態だ。特急列車なので車内販売があるのですが、販売車が来るたびに車両外の通路へ出て、通り過ぎるとまた席へ戻る。アンビリーバボーです。こんなことを2回繰り返すと、「これじゃあ落ち着かない。もう!!」とプリプリ。これから3時間もこのパターンが続くということです。勘弁してくださいよ。まったくう〜。車両外の通路に多目的ルームを見つけたので、来られた乗務員の方に事情を説明して多目的ルームを貸してもらうことにしました。
 が、しかしⅱクーラーを入れてくれたんですが、いつまで経っても暑い。暑がりの夫は汗びっちょりで、首にタオルを巻いて、熱さまシートを張って、うちわで扇いで……。「外が暑いし窓際だから効きにくいんよ」と言いながら我慢を続ける。時折、向かいにあるトイレとまちがえて(?)人がドアを開ける。
 「暑い〜゛」扉を開けると乗務員の方が通ったので、「すみません。クーラーの効きが悪いんですが」と声を掛けると、すぐ見てくださいましたが「あれ? 効かないのかなあ。申し訳ございません」……があ〜ん。今まで我慢していたのはなんだったの〜!? 通路はクーラーが効いている。仕方ないので、到着までドアを開けたり閉めたりして暑さをしのぎました。やれやれ……。






 13:59富山到着。今度は高山線に乗り換えです。案内された電車は、1両編成のかわいい電車。14:14発「猪谷行き」です。かなりの段差で、乗れるの?って思ったけど、ちょっと急だったけどスロープ板を置いていただいて、なんとか乗車。車内は通学の学生さんと観光客でいっぱい。この電車は整理券のあるワンマン電車。初めて見ました。運転席もバスの運転席のようで、とてもレトロです。単線の景色は、富山の田園が広がります。
 14:40、ついに「おわら風の盆」越中八尾に到着! が、しかしⅲこの駅には駅員さんが1人、しかも陸橋を渡らないと駅から出られない。「抱えますので、3、4日前に連絡を下さい。近隣の駅から人手を集めますので」と言われ連絡をしておいた。ホームに降りると6、7人もの職員の方が待っておられ、汗をいっぱいかきながら抱えていただきました。夫は心配だったようで、夫も抱えて……。ありがとうございました!
 タクシーに乗って15分、宿泊先の「ゆうゆう館」へ到着、15:20。全館バリアフリーのきれいな建物。職員の応対はとてもよく、気持ち良く宿泊できました。予約時に「おわら風の盆」を尋ねると、丁寧な説明とパンフレットを送ってくださったり、宿泊3日前にはお気遣いの電話までいただきました。ありがとうございました!
 夕方6:00から「八尾会館」というところで、踊りの説明やビデオ上映があり、観ると「おわら風の盆」がよくわかるということ。ローソンで前売りチケットを購入しておきました。ホテルで休憩して、タクシーに迎えに来ていただきました。
 八尾会館講演2日目、結構な人でにぎわっていました。おわら風の盆は、毎年9月1、2、3日。越中八尾の11町を踊り歩くのだそうです。前夜祭は11日かけて、今日はこの町、明日はこの町と、1つずつ順番に踊るのだそうです。災害が来ないようにと稲の豊作を願って……。踊りの型にはいろいろ意味があって、男踊りは労働、女踊りは月を観たり蛍狩りをしたりと風情がある。女踊りはいろっぽいと絶賛の夫。






 前夜祭だというのにすごい観光客。20:00から幻想的な胡弓と太鼓の音と共に、踊りが始まりました。熱心なファンが多く、三脚を立てて陣取ったりとカメラマンがいっぱいです。八尾会館で、踊り一つ一つの説明を聞いていたので、違った意味で楽しめます。こんなちっちゃい子までが、衣装をそろえてもらって一人前です。
 明日があるので、途中で帰ろうと思っていたけど、想像以上に感動してしまい、最後までぼんやり見てしまいました。帰りのタクシーを呼ぶのに、携帯を忘れた夫。このことを会場を手伝っていた青年に伝えると、気持ち良く呼んでくださいました。ありがとうございました! ホテル到着23:00、就寝深夜1:00(旅行2日目へ続く)
 

広島県:M.K.



 新・今昔物語 第二話『異文化との第三種異常接近』 


 今は昔。
 (承前)出発のちょうど1週間前、日本赤軍がテルアビブのロッド空港で乱射事件を起こした。いやな予感がした。そのころヨーロッパ便というと、テルアビブ、テヘラン、ニューデリー、バンコックに転々と離発着する南回り便が一般的で、乱射事件の舞台は避けて通れない。往きだけ、開設されたばかりのアンカレッジ経由北回り便であったが、何も起こらなければよいが…。
 成田が開港する前だから出発は羽田空港だが、海外に出かける人はまだ稀な時代で、空港の一角に出国審査や搭乗ゲートがひっそり存在しているという感じだった。順番待ちをしている人も数十人程度で、洋行というとなんだか悲壮感すら漂っていた。年間の海外旅行者数が1700万人強といわれる現代とは隔世の感である。
 機材はボーイング727だったように思う。真ん中に通路が通り両サイドに3席ずつだった。アリューシャン列島の上空を飛び、アンカレッジまで7時間。休憩と給油のため2時間休んで、今度は北極海の上を横切るように7時間。途中目まぐるしく夜と昼が入れ替わった。
 飛び立ってすぐに食事が出された。その後は例によってトイレの前に長い行列だ。私は5、6番目だったが、この時初めての異人体験をする。私の後ろについたのが4、5歳くらいの男の子、そしてその後ろに30代後半の母親。ともにオランダ人らしかった。しばらくするとこの男の子が泣き始めた。どうもトイレが待ちきれない様子であった。私は、こういう場合にほとんどの日本人がそうするであろうように、先を譲った。ところが母親はきつく子供をしかり始めた。2、3度、私は同じことを繰り返した。しかし私の好意は伝わらないばかりか、母親は今度は私を睨み据えつっかかってきたのである。多分彼女は、順番は守らなければならないということを、しっかり幼子に教えたかったのであろう。しかし「他人の教育に口出しするんじゃない」といわんばかりの凄まじさであった。
 すごすごと私はトイレの中に消えたが、この初めての異文化遭遇体験は強烈であった。震え上がったといってもよい。こちらは単なる好意として順番を譲っただけなのに、「なんでオレが怒られなアカンのや」と激しい怒りがこみ上げてきた。
 外国人と接触する機会の少ない日本人は、外国人もしくは外国語に対して極めて免疫性が低い。外国人に話しかけられて、初めから堂々と受け答えできる人はそう多くはあるまい。たいていの場合、必要以上に恥ずかしがったり下を向いたりする。いわゆる外人コンプレックスである。この時の体験は、今後の私の海外生活の中で大きなファクターとなって生き続けていく。
 永いながい飛行を経て、航空機はアメリカ領アラスカのアンカレッジ空港に到着した。当時この空港は建物ができ上がったばかりで、中は何にもない伽藍堂であった。大きな窓ガラスを通して外を見ると、夏前だというのにダウンジャケットの背中をまん丸に膨らませて整備員が忙しそうにたち働いていた。ああ、ここはもう北極に最も近いところなのだ。
 待ち時間が2時間近くもある。椅子すら設置されていない構内を先頭の方に歩いていくと、たった一軒だけ書店が営業していた。新聞や雑誌、書籍などがきれいに並べられた店内を回っていると、あることに気づいた。そう、ここはアメリカなのだ。そう思って雑誌棚を覗くと、プレイボーイが置いてあった。ページをめくる。確かに無修正である。当然といえば当然なのだが、これがひどく新鮮な驚きであった。当時日本でもプレイボーイ誌は売られていたが、見事にマジックインキで塗りつぶされていたものだ。インキを消す薬剤が若者の間でひそかに重宝されていた時代であった。
 再び機内の席におさまって7時間、北極の真上をアムステルダム目指して飛行する。地平線のかなたまで一面の氷原で、もの珍しさに興奮して撮った写真が2本分。日本からは100本のリバーサルフィルムを持ってきたが、無駄なことをしたと後悔した。
 スキポール空港では、教えられていたようにKLMのカウンターを尋ねると、日本人スタッフが持っていてくれた。すぐに市内に向かう。アムステルダムの1泊目はペンションである。石造りの縦に細長い建物が横にびっしり並んでいるが、狭い急な階段を上った2階がフロントと食堂になっている。チェックインを済ませ3階の部屋に案内されると、ベッドに倒れこむように横になり、そのまま寝入ってしまった。
 ぐっすり眠ってヨーロッパの最初の朝を迎えた。コーヒーにトーストだけのコンチネンタルスタイル。テーブルにチョコレートの粒が入った容器が置いてあって、スプーンですくってコーヒーに注ぐ。ふわーっとチョコレートの香りが顔を包む。遠くでコロンコロンと教会の鐘の音が鳴りわたる。この瞬間、ああヨーロッパなんだな、という感慨がこみ上げてくる。
 この文章は観光案内ではないので詳細は省くが、ともかく歩いて駅に向かう。私の都市攻略の原点はまず駅である。駅に行けば、その街の規模だとか特徴だとか、おおよそのインフラに関する情報が得られるものだ。アムステルダムについていえば、4、5日あればだいたいの要所は抑えられると踏んだ。あとは足を使ってどれだけ歩けるかだ。まずは駅を背に数百メートル離れたダム広場に向かった。
 ダム広場はアムステルダムの中心である。王宮前広場とモニュメントの建った戦没者慰霊塔広場がメーンストリートをはさむ形になっている。戦没者慰霊塔は階段状になっていて、世界中から流れてきたカニ族(今でいうバックパッカー)がたむろしていた。中には真っ昼間から寝ている輩もいて、私はこういう連中の写真から撮り始めた。
 しばらくすると私と同じように写真を撮っている男がいるのに気がついた。長身で長髪、首に下げたニコンには200ミリの長玉(ナガダマ)がつけられている。
 「ヨー、日本人かい。いいカメラ使ってるじゃないか。オレもこいつ気に入っているんだ」と言って自分のレンズをなでる仕種をした。聞けば近くに仕事場を持っていて、ヒマになるとこうしてスナップを撮りに来るそうである。この男が結構なタマで、「こんなのやってみる?」と言ってやおらポケットから取り出したのが、日本ではご法度のハシッシ。カレーのルーみたいなのをタバコにほぐして吸うのだが、ったくハナからハシッシかよ。
 

千葉県:T.D.




 ひとくちインフォメーション 

 ◆短歌(1)

朝顔は午前七時のさやかなる風に撫でられカラカラ笑ふ

 過日、編集委員の藤田さんから「はがき通信」に投稿していただけないかとというメールがありました。それにお応えする投稿文は書けない旨のメールを送ったのですが、藤田さん原稿集めに苦慮されている様子。
 投稿に代わるものとして、私が趣味として詠んでいる短歌一首ならお送りできます。それでよければ、ということで私の短歌が「はがき通信」に掲載されることになった次第です。
 毎号一首ということなんですが、「はがき通信」に私の短歌が掲載されるなんて恥ずかしく、誰か代わってくれる人いません? というのが本音なんですが……。
 上記の短歌は今年若山牧水の故郷、日向市東郷町坪谷で歌人伊藤一彦先生の短歌実作講座が開催され、その講座に参加したとき提出した短歌です。
 R.S.(宮崎県)


 ◆駐車禁止除外指定車証の交付が車から人へ

 警察庁より各都道府県への通達により、各都道府県の交通規則細則が改正され駐車禁止除外指定車標章(以下・標章)の交付方法や交付対象及び駐車許可が変わりました。
 主な改正点は、身体障害者等については、車両ごとの交付から、身体障害者等本人に対しての交付に改正され、車を所有していなくても標章の交付が受けられ、標章の交付を受けた者が乗車する車やタクシー等にも使用することができます。そして車両を離れるときは、標章と新たに「運転者の連絡先又は用務先」をダッシュボードの上等の外から見える場所に掲出が必要となります。
 また、標章使用時の留意事項として、ⅰ現場で警察官の指示に従う、ⅱ標章の記載事項を遵守し、交付を受けた理由以外に使用しない、ⅲ標章を他人に譲渡や貸与しないこと等に違反したと認められたときは、標章の返納を命ぜられることがあります。
 標章を取得出来る対象障害者についても(身体障害者・肢体不自由1〜3級は対象になっています)、各都道府県で改正されています。

※「駐車禁止除外指定車標章」を提示しても一般の車両と同じく取り締まりの対象になる場所。
Ⅰ.法定駐停車禁止の場所
・交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷地内、坂の頂上付近、勾配の急な坂、トンネル
・交差点の側端又は、曲がり角から5m以内の部分
・横断歩道、自転車横断帯の前後の側端から5m以内の部分
・安全地帯の左側の部分及び、前後の側端から10m以内の部分
・バス停から10m以内の部分
・踏切から前後の側端から10m以内の部分
Ⅱ.法定駐車禁止の場所
・自動車用出入り口から3m以内の部分
・道路工事区域の側端から5m以内の部分
・消防用機械器具の置き場、消防用防火水槽の側端から5m以内の部分
・消火栓から5m以内の部分
・火災報知器から1m以内の部分
Ⅲ.道路標識等による駐停車禁止の場所
Ⅳ.無余地駐車となる場所(駐車した時に車両の右側に3.5m以上の余地が無い所)
Ⅴ.禁止されている駐車の方法(歩道上の駐車、右側駐車、二重駐車、斜め駐車など)

問い合わせ・申請先/居住地を管轄する警察署交通課。手続方法や必要書類などについては、事前に警察署へお問い合わせください。
(各都道府県警察ホームページより)


 ◆本の紹介

 『夫は車イス乗り。』




 おバカで熱すぎる「車イス乗り」の夫をもつ妻のハッピーライフ!?著者の夫は車イスを、まるで曲芸のように乗りこなす「車イス乗り」。車イスとは全く無縁の生活を送られている方にも、「こんな夫婦のかたちがあるんだ」ということを知ってもらいたくて、妻の視点で私たちの日常を書きつづってみました。
 宮内ゆかり 著 文芸社 出版
 1050円(税込)


 ◆脊髄損傷が改善 サルにHGF投与

 脊髄が傷ついて、手足が動かなくなったサルに、肝細胞増殖因子(HGF)を与えることで、運動機能を大幅に改善させることに、慶応義塾大の岡野栄之教授(生理学)らのチームが成功した。脊髄損傷の治療法開発につながる可能性がある成果だ。
 手足がまひしてまもない2匹のマーモセットに4週間で400㍉グラムのHGFを点滴した。それまでは地面にはいつくばって自分では動けない状態だったが、点滴終了後8週間で、手足の使い方のバランスが少し悪いものの、すぐに逆を向き、おりの最上部まで登るなど、明らかな運動機能の回復が見られた。
 これまでのラットを使った実験結果などから、HGFが神経細胞の保護、血管の新生、神経回路の再生などに働き、脊髄の再生を誘導したと思われる。
 チームはこれまでに、ヒト胎児の神経幹細胞を移植して、マーモセットの運動機能を回復させたことがある。しかし、実施には倫理的な課題もあるため、HGFにも注目していた。
 岡野さんは、「もう少し症例を増やして検討する必要があるが、効果は臨床試験レベルにあると思う」と話している。(竹石涼子)
(情報提供:朝日新聞 平成19年9月3日)


 ◆瀬戸療護園 入所者に不適切発言

  8人訴え (香川)県が改善勧告

 障害を持つ入所者に対し、複数の施設職員が身体的な特徴を挙げるなど不適切な発言を繰り返していたとして、(香川)県は27日、障害者自立支援法に基づき、坂出市府中町の障害者支援施設「瀬戸療護園」(横倉直登園長)に改善を勧告した。県内の障害者施設が、サービス内容の実態を理由に処分されるのは初めて。同園では、介助用手袋10枚をのみ込み重体となっていた重度障害者の男性(20)が25日夜に死亡しており、県警は引き続き業務上過失傷害容疑で捜査している。
 死亡した男性が倒れているのが発見された後の7月中旬ごろ、施設関係者から「施設内で虐待があるのではないか」との内部通報があり、県障害福祉課が8月下旬、入所者50人のうち27人から聞き取り調査をしていた。
 県によると、調査で不適切な言葉遣いをされたと訴えたのは8人。排尿介助を受けていた男性に対し「腹が出ているから性器を出せない」▽就寝直前に排尿介助を求めた車いす利用者に「この忙しい時に。先に済ませておいて」▽「(介助を求める)コールボタンを何回も押すな」など、複数の職員が不適切な発言や言葉遣いをしていた。
 暴行など身体的な虐待は確認できなかったものの、県は「利用者の意思と人格を尊重する」とする厚生労働省の運営基準に違反していると判断した。同課は「問題が起きる土壌がなかったかどうか、入所者への接し方を見直し、適切なサービスを提供するよう」などと指導し、1か月以内に改善結果を書面で報告するよう求めた。
 園側は、8月上旬に実施した全職員への聞き取り調査で、不適切な発言などをした職員を把握。コールを受けた際の言葉遣いなどを示した応対マニュアルを作成したほか、職員を対象にした研修会を開いたとしている。改善勧告を受けて、横倉園長は「処分を誠実に受け止め、職員全員で再発防止の環境作りを進めたい」と話している。
(情報提供:読売新聞 平成19年9月28日)







【編集後記】


 お笑い番組の20周年番組を、20年前のキャラクターが出てきて懐かしく見ていました。その時ふと、そういえば番組を20年前に見ていたときは(事故後に入院して半年経った頃で)、病院は21時30分になったら、いいところで砂嵐になって途中から見られなかったなぁーと、この番組を最後まで見られたのは退院してからだったなぁーと思いだしました。そして自分も頸損になって20年経っていることに気が付き、あの当時の受傷してからの辛かったことも次から次と思い出しました。
 今となっても受傷当時はつらい思い出ですが、番組を見ながら、まぁきっといいこともあるだろうと、生きがいのある生活を送っていければとの思いにいたりました。
 次号の編集担当は、瀬出井弘美さんです。


編集委員:藤田 忠





………………《編集委員》………………
◇ 藤田 忠  福岡県 E-mail:fujitata@aioros.ocn.ne.jp
◇ 瀬出井弘美  神奈川県 E-mail:h-sedei@js7.so-net.ne.jp

………………《広報委員》………………
◇ 麸澤 孝 東京都 E-mail:fzw@nifty.com

………………《編集顧問》………………
◇ 松井和子 東京都清瀬市国立看護大学校
◇ 向坊弘道  (永久名誉顧問)

(2006.11.25.時点での連絡先です)

発行:九州障害者定期刊行物協会
〒812-0069 福岡県福岡市東区郷口町7−7
TEL&FAX: 092-629-3387
E-mail: qsk@plum.ocn.ne.jp

このページの先頭へもどる


HOME ホームページ MAIL ご意見ご要望